【レポート後編】芸能活動と会社員としての仕事の二軸でキャリアを歩む十束おとはさん、日本工学院ミュージックカレッジの講義に登壇
株式会社エイスリー(以下エイスリー)は日本工学院専門学校(以下日本工学院)とともに、2024年4月10日(水)に「デュアルキャリア授業」を開催いたしました。
この記事の監修者
元フリーアナウンサー/タレント。
大学卒業後、およそ10年間フリーアナウンサーとして活動。31歳のときにグラビア写真集「彩色」(竹書房)を出版。
「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)に出演するなど、バラエティ番組やラジオパーソナリティ、テレビCMナレーターなどの経験を持つ。
33歳で芸能界を引退、広告代理店に正社員として就職。イベント運営会社、イベントコンパニオン事務所を経て2020年に株式会社エイスリーに入社。
現在は、アナウンサーから会社員という自身の転職経験を活かし、日本初の“タレントキャリアアドバイザー”として、芸能人やクリエイターのパラレルキャリア・セカンドキャリアのサポートを行っている。
Twitter
https://twitter.com/a3_ayabeppu
目次
デュアルキャリア授業開催の背景
近年、芸能界では、芸能活動と並行して他の活動でキャリアを形成する「デュアルキャリア」が注目されています。従来は本業一本で活動することがよしとされてきましたが、コロナ禍で芸能活動の範囲が制限されたことをきっかけに、「デュアルキャリア」によって自己表現の場を広げ、収益を拡大するケースが増えています。
そのようななか、世界の才能をつなぐプロフェッショナルを目指すエイスリーは、芸能人や芸能活動を志す人が長く芸能界で活躍するために、キャリアの選択肢のひとつとしてデュアルキャリアを支援する必要性を感じてきました。
そこで、日本工学院とともに同学院の学生に向けて、デュアルキャリアの授業を開催する運びとなりました。
今回の授業は、音楽業界やアーティストを目指す、ミュージックカレッジ・ミュージックアーティスト科の1・2年生を対象に、自身のキャリアの選択肢としてデュアルキャリアを知ってもらうことを目的としました。ゲスト講師には十束おとはさん(以下十束さん)をお招きし、十束さん自身の経験を踏まえながらデュアルキャリアのメリットや必要な視点について語っていただきました。MCは、エイスリーで芸能人のキャリアと企業の採用支援をおこなう、タレントキャリア支援サービス担当・タレントキャリアアドバイザーの別府彩が務めました。
日本工学院専門学校概要
日本工学院は、学園創設77年の歴史ある総合専門学校として、クリエイターズ、デザイン、ミュージック、IT、テクノロジー、スポーツ・医療という6カレッジ34学科99の専門分野を網羅。ミュージックカレッジは、ミュージックアーティスト科、コンサート・イベント科、音響芸術科、ダンスパフォーマンス科の4学科(八王子校は2025年度新設)を設置している。
国内有数のコンサートプロモーターほか、多数の企業と提携し、多くの卒業生がコンサート・音楽業界に携わるスタッフや、プロのミュージシャン・ダンサーとして活躍している。
ゲスト講師 / 十束 おとは(とつか おとは)
「フィロソフィーのダンス」元メンバー。2022年11月19日に日比谷野音での卒業コンサートでグループを卒業。現在はゲーマーやMCなどの芸能活動もおこないながら、エンタメ企業のesports関連部署で働き、デュアルキャリアを歩んでいる。
MC / タレントキャリアアドバイザー 別府 彩(べっぷ あや)
元アナウンサー/タレント。 10年間フリーアナウンサーとして活動。
31歳で遅咲きのグラビアデビューを果たし、「踊る!さんま御殿!!」などのバラエティ番組に出演。33歳で芸能界を引退、企業へ就職。現在は自身の転職活動での経験をもとに、タレントのキャリア課題解決のための、カウンセリング等を実施。
十束さんのキャリアの軌跡をお伝えする前編はこちら。(以下敬称略)
芸能界を志す皆さんに心がけてほしいこととは
十束:今の私の話を聞いていて、自分にはまだ関係ないと感じている方もいるかと思います。たしかに、皆さんのような歳は、何者にもなれる時期だと思います。しかしその時間は有限で、貴重であることを理解していただきたいです。だからこそ、自分のこれからの生き方について真面目に考え、何事にも前向きに挑戦していただきたいです。
別府:そう思うきっかけは何でしたか。
十束:芸能業界で活動するなかで、夢破れて芸能活動を諦め、その後どのようなキャリアを歩めばいいかわからなくなった多くの人を目にしてきました。なので皆さんには、夢を追いかけながらも、別の場所でも活躍できる可能性を広げてほしいと強く願っています。
別府:従来の芸能業界では、本業以外に別の活動をすることは格好悪いといった風潮があったように感じます。ただ今は、アーティストに限らず、芸人、アナウンサーなどさまざまな芸能人がデュアルキャリアを歩むケースは増え、芸能人のキャリアの可能性は変化していますよね。デュアルキャリアも視野にいれながら芸能業界で活躍するために、学生の皆さんが今からできることはどんなことでしょうか。
十束:もし皆さんに自分の趣味や特技があるのであれば、「自分の名刺」として自身のSNSアカウントの運用をおすすめしたいです。例えば、自身が作曲したものを公開してみるとか。発信することで世の中からの反応、評価が得られ、自分がやりたいことと、周りから求められていることのギャップに気づくことができます。さらに、客観的に自分がどう見られているかを捉えながら、自分の差別化が図れるようになるのではと思います。
そうやって自分自身をマーケティングしていくことは、芸能業界だけでなく、例えば会社員としてなど別のフィールドでも活かせると思います。ぜひトライしてみてほしいです。
そして、私の得意なゲームがデュアルキャリアに繋がったように、自分の趣味や得意が未来の自分の価値につながる可能性があります。なので、好きなものを突き詰めていくことも大事にしながら学生生活を送っていただきたいです。
講義に参加された学生さんからの質問
▲ミュージックカレッジ・ミュージックアーティスト科の学生
学生A:自分はすぐ緊張して、人見知りもしやすい性格なのですが、メンタルが弱い時にはどうしたらいいものですか。
十束:私も同じようなタイプで、場数を踏むことしかないと感じています。例えばどんなライブハウスでもいいからたくさん出演して、練習して演奏するとか。ネットで生配信するのもいいと思います。
ただメンタルがあまりにも落ちた時には、1週間でいいから休んでほしいです。メンタルが落ちた時には、正常な判断ができなくなるので一旦目の前のことから離れてみる。少し回復したうえで、自分がこのまま続けるのか、他の選択肢をとるのかと選択してほしいです。
学生B:私はたまにライブに出演することがあるのですが、慣れ親しんだ舞台の場合によく失敗してしまいます。十束さんは舞台出演を成功させるために、どのようなことを意識されてきましたか。
十束:慣れているところであるとなおさら油断してしまいますよね。このライブを通して、一つだけでも目標を掲げるといいかもしれません。私の場合でいうと、「目の前のお客さん全員を好きにさせる」という意識を持ちながら、出演していました。そうすれば自分が集中すべきところがわかり、いいライブになるのではと思います。
学生C:SNSはすぐに使える名刺と聞いて、これから積極的に運用していこうと思いました。ただ私はSNSにかなり疎く、どういったものを発信すべきかアドバイスをいただきたいです。
十束:自身の作品だけでなく、自分の感性をありのまま公開してみるのはどうでしょうか。私からみて、お召し物がとても素敵で、素晴らしい感性だなと思いました。
自分のなかでの当たり前が、他の人からするとすごくユニークに感じられることもあります。自分の好きなものを混ぜて発信することで、ファン層も広がると思うので、ひとつに固執せず、発信していってほしいです。
講義を通じて
参加学生がデュアルキャリアの理解を深め、自身のキャリアを見つめるとともに、芸能界を目指すうえで今取り組めることを認識する機会となりました。
参加学生からの感想(一部抜粋):
・仕事をしながら音楽をやることや、複数の活動を同時に進行することに対しての可能性を感じました。
・音楽を続けながら他の活動をする方法を知りたいと思っていたので、とても役に立ちました。
・就職後の失敗やその後の仕事への繋げ方を聞いて、今頑張っていることが仕事になるかもしれないことを知り、諦めようと思っていたことを続けるきっかけになりました。
・自分の好きなことやものをヒントにして、将来の進路を考えていきたいです。
・アーティストを続けながら他の仕事をするという考えや心持ち、SNS発信の大切さの話が印象的で、これからの活動に活かしていきたいです。
*本記事に記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本記事に記載された内容はイベント時2024年4月10日のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
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