3DCGデザイナーを目指すには?未経験から転職するための4つのポイント
この記事の監修者
番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
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目次
3DCGで制作されたアニメやゲーム、CMなどの映像を目にする機会が増えてきました。3DCGは、映像を制作する上では欠かせない技術となりつつあります。それらを制作する3DCGデザイナーは、高い技術が求められる仕事のため、転職するためのポイントを押さえておく必要があります。
そこで本記事では、3DCGデザイナーの仕事内容や活躍する業界、未経験から転職するためのポイントについて解説します。
3DCGデザイナーとは?どんな役割?
3DCGデザイナーの仕事は、CGの中でも3Dの映像に特化して、専用ソフトを用いて、3D空間に立体的な映像を制作することです。その制作工程においては、分業・細分化して行われることが一般的ですが、知識として全工程の仕事内容を把握しておくことが必要になります。ここでは、各工程の詳細と流れについて説明します。
モデリング:キャラクターや背景を立体的に作ること
モデリングを行う人を「モデラー」といいます。キャラクターや背景、アイテムの2Dデータ(イラストやデッサンなど)をもとに、3DCGソフトを用いて、立体的に形作るのが仕事です。使用ソフトは、「Maya」「3dsMax」を用いることが一般的です。
細部まで的確に表現されなければ、イメージから大きくかけ離れてしまう可能性があります。そのため、平面の絵から、立体として各方面からどのように見えるのか正確にとらえるスキルが求められます。
リギング:モデルを動かすための仕組みを作ること
リギングを行う人を「リガー」といいます。モデリングされたものに、「Maya」「3ds Max」などの3DCGソフトを用いて、次の工程の下準備となるような動きの仕組みを作るのが仕事です。
頭、両腕、両足以外の部分は、自分でカスタムリグを組む必要があります。モデルに対して、骨組みを設置し、制御パーツを組み込み込むことで、自然な動きを生み出すことができます。
そのため、人体解剖学の知識や動く仕組みを作るためのスクリプトなど、論理的思考と高い技術力が求められます。
モーション:モデルに動きをつけること
モーションを行う人を「アニメーター」あるいは「モーションデザイナー」といいます。リギングされたものに、「Maya」「3ds Max」などの3DCGソフトを用いて、実際の動きをつけていく仕事です。
キャラクターに動きをつけることで、感情や性格といった個性を表現していきます。また、背景などストーリーに登場する、あらゆるものの動きも制作します。そのため、人体解剖学の知識やキャラクター独自の動きを演出する技術が求められます。
レンダリング:最終的な画像を出力すること
仮想空間にカメラを設置し、制作したモデルの形状、質感、ライティング、レイアウト、音源などが、どのように表現されるのかを計算させる工程を指します。微調整を繰り返しながら、最終的な高画質の画像として出力します。
レンダリングには、「レンダラー」や「レンダリングエンジン」と呼ばれる専用ソフトを用いて行われます。レンダリングエンジニアと呼ばれることもあり、C++、Pythonといった言語、ネットワーク・サーバーの知識や最新技術をリサーチする能力が求められます。
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3DCGデザイナーが活躍する業界
あらゆる映像制作に3DCGが用いられるようになり、3DCGデザイナーが活躍する業界は、広がりをみせています。
どのような業界で3DCGの技術が求められているかを知っておけば、早い段階で希望の職種に就くための準備ができます。ここでは、3DCGデザイナーが活躍する主な業界について、ご紹介します。
ゲーム業界
3DCGデザイナーが活躍する業界として、最も需要が高い傾向にあるのがゲーム業界です。オンラインゲームやスマホゲームが普及し、ゲーム業界の市場が拡大しています。そのため、企画から開発、販売までを行うパブリッシャ―会社や、ゲーム開発を請け負うデベロッパー会社が、3DCGデザイナーを求めているのです。
AR(Augmented Reality:拡張現実)によって、CGで作った仮想世界を現実世界に反映していく、ポケモンGOといったゲームが開発され、最近では、VR(Virtual Reality:仮想世界)技術を用いて、360度ゲーム世界を楽しめるようにもなりました。
ゲーム業界はトレンドの変化が早く、ニーズに応えるために、最新の3DCG制作技術が不可欠です。デザイナーの技術で、ゲームのクオリティーが決定づけられてしまうほど、重要な役割を担っています。
映画業界
CG映画作品の代表的なものに、2009年に公開された『アバター』があります。3D映像を生かした演出が話題となりました。しかし、映画業界では、CG技術は以前から利用されているため、特撮や編集作業など活躍の場も数多くあります。
撮影をした画像を編集するポストプロダクションの作業で、VFX(visual effects)の追加合成などが盛り込まれます。VFXは視覚効果ともいわれ、CGまたは合成処理をしますから、3DCGデザイナーが担っているのです。
アニメ業界
アニメーション映像にも、キャラクターの表情や動き、背景の雲、煙、炎といった流れるような動きをリアルに表現する手段として、3DCGが多用されています。CGアニメーターとも呼ばれ、モデラー、リガー、アニメーターなど、多くの3DCGデザイナーがチームで分業して制作しています。
アニメーションにおいて、現実には不可能な表現を作り上げたり、現実の世界のようにリアルな表現を追求して、クオリティーの高いアニメ作品を生み出しているのです。
建築・工業製品を開発する業界
建築や自動車、航空などの工業製品を開発する業界にも、以前から3DCGデザイナーの活躍の場があります。工業製品のコンセプトやプロモーションの映像制作に3DCGが活用されることもあります。この業界での仕事の多くは、製品の設計における設計図面と連携が取れる3DCADを使用することです。
3DCG技術によって、機能性・安全性やコストなどを計算していきますから、3DCADを活用した三次元製品設計が主流となり、3DCGデザイナーの需要は、ますます高まっていくことが予測されるのです。
未経験から3DCGデザイナーに転職する4つのポイント
未経験からイラストデザイナーに転職するとき、どこから準備したらよいのか不安になって、なかなか前に進めないということもあるのではないでしょうか。ここでは、転職するための4つのポイントをご紹介します。
アニメ・映像会社に就職して経験を積む
実際にアニメ・映像会社で、アシスタントとして実務経験を積みながら学ぶ方法があります。映像作品を完成させる工程において、さまざまな3DCGデザイナーが存在します。まずは、アシスタントから始めてステップアップしていけば、その工程のスペシャリストや全工程をこなすジェネラリストを目指すことも可能です。
3DCGデザイナーは、立体的な画力や思考、高度なデジタルスキルが必須な仕事ですから、自分に不足している知識やスキルを積極的に学ぶ姿勢も大切です。
3DCGについて学べる大学や専門学校でスキルを身につける
未経験から3DCGデザイナーになるには、3DCG制作についての知識やスキルを身につけておくことが前提となります。基礎的なことから体系的に学ぶには、大学・短大や、専門学校に通うことがおすすめです。
3DCGデザイナーとして活躍している人の中には、IT業界など異業種から転職している人もいるため、必要とするスキルを補うという視点から、3Dデザインに特化したスクールを利用することも1つの方法です。
スキル・実力が重視されるからこそポートフォリオは必須
3DCGデザイナーの転職には、ポートフォリオは欠かせないものです。ポートフォリオとは、作品集のことで、今まで自分が作成した3DCGに関する作品をまとめておきましょう。採用担当者が、職種における実力を判断する資料になります。
ポートフォリオは、作品だけではなく、ポートフォリオそのもののデザインや構成、完成度も重要視されます。ポートフォリオは、自分をアピールするために必須となりますから、入念に準備することが大切です。
また、プロの3DCGデザイナーは、ArtStationやVimeoなどで、自分の作品を公開していることがあるので、チェックして、ポートフォリオに活かしてみるのもよいでしょう。
クリエイター向けの転職エージェントを活用する
転職を考えても、すぐに会社を辞めてしまうのは、おすすめできません。転職活動期間が長引けば、焦りから、条件が希望に見合っていなくても見極められないまま、転職してしまうかもしれないからです。
会社を辞めずに、転職活動ができるのが、転職エージェントです。求職者と希望する会社との間に入り、契約の交渉を行ってくれるので、安心して退職まで勤めることができます。
さらに、3DCGデザイナーへの転職には、クリエイター向けの転職エージェントを活用しましょう。なぜなら、クリエイター向けであれば、業界の動向や会社の事情、求められるスキルについて詳しい情報を持っているからです。そのため、専属コーディネーターから、ポートフォリオの作成の仕方など転職対策に的確なアドバイスをもらうことができます。
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