バーチャルインフルエンサーとは?VTuberとの違いからメリットまで詳しく解説

バーチャルインフルエンサーとは?どんな存在?

バーチャルインフルエンサーとは、InstagramなどのSNS上を中心に活動する、CGで作られた架空の人物を指します。

人間のインフルエンサーと同様に、情報発信やモデル活動などを行いますが、AI(人工知能)を用いているわけではありません。

CG技術を駆使したリアルな人物造形と、ファンの共感を呼ぶ人柄、そして作り込まれた世界観が若者に支持され、今では、SNSでのフォロワー数が100万人を超えるバーチャルインフルエンサーも珍しくなくなりました。

バーチャルインフルエンサーは、人間のインフルエンサーと同等か、それ以上の発信力がある存在として、注目を集めているのです。

バーチャルインフルエンサーとVTuberの違い

バーチャルインフルエンサーとVTuberの違いとは、どのようなものなのでしょうか。

バーチャルインフルエンサーもVTuberも、CGで作られた架空の存在であることは同じです。

しかし、VTuberがアニメやゲームなどのキャラクターに似た、完全に架空の存在だと理解しやすい見た目や世界観で作られているのに対して、バーチャルインフルエンサーは、「いかに本物の人間に近づけるか」を目標とした、リアルな世界観に特徴があります。

最初にバーチャルインフルエンサーが登場したのは海外ですが、日本の3DCG技術が世界でもトップレベルだということを考えても、日本市場では、VTuberと同じようにバーチャルインフルエンサーも、認知度を高めることができるのではないかと期待されているのです。

バーチャルインフルエンサーのメリット

バーチャルインフルエンサーのメリットとは、どのようなものなのでしょうか。

3つご紹介します。

炎上リスクが少ない

バーチャルインフルエンサーのメリットの1つ目は、炎上リスクが少ないことです。

人間のインフルエンサーの場合、私生活におけるスキャンダルやSNSでの誤解を招くような発言などは、本人のコンプライアンス意識に依存した形のリスクマネジメントとなります。

そのため企業にとっては、そのような行動を控えるよう契約書を交わしたとしても、ブランドイメージの失墜や金銭的な損害といった、一定のリスクは抱えざるを得ませんでした。

しかし、バーチャルインフルエンサーであれば、スキャンダルや不祥事とは無縁なので、企業がこのようなリスクを持つ必要性がなくなります。

企業のブランドイメージを損ねないどころか、企業の思想やブランドイメージにぴったりと即したキャラクターを作ることができるのが、バーチャルインフルエンサーの大きなメリットだと言えるでしょう。

属性や経歴に囚われずに活動できる

バーチャルインフルエンサーのメリットの2つ目は、属性や経歴に囚われずに活動できることです。

人間のインフルエンサーの場合、外見や性別、人種や経歴などその人が持つ属性や経歴によって、活動内容がある程度制限されますが、バーチャルインフルエンサーの場合そのような制約からは解放されます。

例えば、中性的な見た目のバーチャルインフルエンサーを作ることで、性別に囚われない洋服を作るアパレルブランドの宣伝や、LGBTの人たちへの情報発信といった活動がしやすくなるでしょう。

ファンと一緒に0から作り上げられる

バーチャルインフルエンサーのメリットの3つ目は、ファンと一緒に0から作り上げられるということです。

長く活躍できるバーチャルインフルエンサーは、その行動の1つ1つや演出が、ファンに支持されるものとなっています。

これは、来歴や性格、思想、将来のビジョンや悩みに至るまで、ファンの共感を得られるように作り込まれた上で、少しずつ時間をかけて発信を行っているからに他なりません。

人間のインフルエンサーでは、ここまでファンの想いを取り入れた人間性や存在であるのは、成長するのを前提とすると難しいことであると言えるでしょう。

バーチャルインフルエンサーマーケティングの成功事例

従来のインフルエンサーマーケティングにおいては、成功事例が数多くインターネット上でも共有されていますが、バーチャルインフルエンサーマーケティングではまだ目立った事例が数少ないのが現状という所でしょう。

しかし、バーチャルインフルエンサーマーケティングの可能性を模索するためにも、成功事例について知っておくことは大切です。

マーケティング手法として、まだ日が浅いバーチャルインフルエンサーマーケティングに果敢に取り組み、ターゲット顧客から広く支持されたケンタッキー・フライドチキンの事例をご紹介します。

ケンタッキー・フライドチキンの事例

ケンタッキー・フライドチキンのインフルエンサーマーケティングチームは元々、ターゲット顧客にそのブランドをアピールするためなら、新しい挑戦を厭わない土壌がありました。

ケンタッキー・フライドチキンのInstagram公式アカウントは2021年3月現在、フォロワーが165.4万人、投稿数が736件となっています。

対して、大手競合ブランドのマクドナルド公式アカウントのフォロワー数は、2021年3月現在、396.3万人、投稿数は168件です。

この投稿数の差を比較しただけでも、ケンタッキー・フライドチキンのインフルエンサーマーケティングチームが、Instagramを用いたSNSマーケティングにどれだけ力を注いできたのかがわかるでしょう。

同社の公式アカウントに登場したのが、バーチャルインフルエンサーの「ニュー・カーネル」です。

ニュー・カーネルは、ケンタッキー・フライドチキンのイメージキャラクターであるカーネルサンダースおじさんがモチーフですが、すらりとした美形に見た目が変わっています。

ニュー・カーネルはDr Pepper社、Old Spice社、TurboTax社、Casper社とタイアップし、Instagramで活躍する他のインフルエンサーの実生活や、SNS上での投稿をパロディーするというキャンペーンを2週間に渡って行いました。

どの投稿にも2万件以上のいいね!や500件以上のコメントが寄せられ、エンゲージメント率は1.3%以上を達成したのです。

バーチャルインフルエンサーのニュー・カーネルを活用したマーケティングで、ケンタッキー・フライドチキンの知名度は向上し、遊び心やポジティブさといった前向きなブランドメッセージの発信に成功したと言えるでしょう。

バーチャルインフルエンサーマーケティングの将来性

バーチャルインフルエンサーは、まだ社会の認知度こそ低いものの、多言語で発信できたり、ファンとの共創が可能だったりと、マーケティングとの親和性は高いと言えるでしょう。

また、バーチャルインフルエンサーマーケティングと相性の良い業種としては旅行、エンタメ、ファッション、美容などが考えられます。

ターゲット顧客に売りたい商品やサービスと、バーチャルインフルエンサーが発信できるコンテンツとのマッチング次第で、バーチャルインフルエンサーマーケティングは大きな効果が期待できるため、市場も大いに活性化することが見込まれるでしょう。

そのため、バーチャルインフルエンサーマーケティングに関わる職種であるCGデザイナー、Webマーケターなどの未来も明るいと言えます。

バーチャルインフルエンサーマーケティングの将来性を示す、新たな取り組みを2つご紹介します。

赤ちゃんモデル

2020年12月、合同会社SNAPLACEでは、赤ちゃんバーチャルインフルエンサーを低コストで制作できるサービスを開始しました。

人間の赤ちゃんモデルはすぐに成長し、0才児モデルなどが、期間限定でしか活躍することができないということがあります。

それに赤ちゃんモデルの場合、安全・安心なクリエイティブに限定されるため、表現が制限されるという問題もありました。

しかし、赤ちゃんバーチャルインフルエンサーの場合、年を取らないので人気が出ればいつまででも活躍でき、現実ではありえない空間とも組み合わせたクリエイティブを作成できます。

赤ちゃんバーチャルインフルエンサーは、従来赤ちゃんモデルが慢性的に抱えていた問題を払拭し、ターゲット顧客への新しいアプローチ方法も期待できる存在だと言えるでしょう。

参考:合同会社SNAPLACEプレスリリース「赤ちゃんバーチャルインフルエンサー誕生!」

バーチャルインフルエンサー専門の事務所が開設

2019年7月、株式会社yutoriは、世界初のバーチャルインフルエンサーのみが所属するモデルエージェント「VIM」を開設しました。

所属するバーチャルインフルエンサーのプロデュースやマネジメントを行い、企業やブランドと、バーチャルインフルエンサーがコラボレーションするのをサポートするのです。

海外では、メジャーな存在となったバーチャルインフルエンサーですが、日本の市場はまだ黎明期と呼べるため、日本から世界へと発信できるバーチャルインフルエンサーを育成することを目標として掲げています。

参考:【世界初】バーチャルインフルエンサーのみが所属するモデルエージェント「VIM」が設立

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