ライブコマースとは|各界から注目されるエンタメ的マーケティング手法を紹介

この記事の監修者

武田
武田キャリアアドバイザー

埼玉出身。趣味はTwitter更新。特技はこれから活躍するイケメンを見つけること。
総合型の人材紹介会社に入社し、WEBサービス・ゲーム企業を中心に、
職種かかわらずリクルーティングアドバイザーとして約150社の企業の採用支援を行い、約300名の転職に携わりました。
その後採用担当を経て、株式会社エイスリーに入社し、
エンタメ業界で活躍したい志を持った方をHR業界出身の観点で転職サポートさせていただいております!

ライブコマースとはライブ配信とECサイトが融合したようなもの

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ライブコマースとは、簡単に説明するとライブ配信とECサイトが融合したようなものです。
配信者が商品についてライブ配信を行い、それを見た視聴者たちがWebショッピングによって商品を購入するという仕組みです。
例えるなら、配信者と視聴者が双方向にコミュニケーションできるテレビショッピングといったイメージでしょう。

インフルエンサーを活用した販売手法の一つ

ライブコマースでは、商品を紹介する配信者も重要となります。
SNS等で人気のインフルエンサーが活用されるケースが多いでしょう、

商品やブランドのファンだけでなく、こういったインフルエンサーたちのファンにも動画を視聴してもらい、購入してもらうことができるのがライブコマースの大きな特徴の一つです。

その性質上、「ファッションリーダー的インフルエンサー」「コスメ紹介系のインフルエンサー」「知る人ぞ知るガジェット系インフルエンサー」といった人たちが重用される傾向があります。

中国で大きく注目された

ライブコマースというサービス形態自体は2016年から2017年にかけて始まり、Amazonやウォルマートなどもサービスを提供するなど一時は大きな注目を集めました。

その後、販売経路や文化的背景と合致していたことから、特に中国で大きな流行を見せることになります。
中国における2020年のライブコマースの市場規模は、およそ33兆9,150億円にも上ると考えられているほどです。
(参考:JETRO「ライブコマース、健全な発展を見据えて(中国)」)

ですが一度は世界的に注目され、今なお中国で大きな人気を誇るライブコマースですが、例えばAmazonやウォルマートでは、早急にサービスが終了しています。
このように、それほどマッチしなかった地域では「一時期の流行」として、あまり活用されなくなっていたという過去があります。

新型コロナウイルス感染症の影響で再度脚光を浴びる

中国を中心とした一部アジア地域で流行していたライブコマースですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、再び世界中で注目されるようになりました。

多くの人々が外出を自粛することで、リアル店舗で実際の商品を手に取る機会が減ってしまったことが影響しているといわれています。
そのため、「自分がリアルに商品を手に取って購入する」と「ECサイト上で商品の実物を見ることなく購入する」という両者の中間にあたるような、「配信者がリアルな商品を紹介してくれる」というライブコマースが再流行したのです。

2020年には、一度はサービスを終了したAmazonのほか、GoogleやFacebook(メタ・プラットフォームズ)もライブコマースサービスを開始しています。

ライブコマースが注目されている理由

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ライブコマースが注目されているのには、いくつか理由があります。
それぞれ紹介していきましょう。

インフルエンサーのファンを呼べる

インフルエンサーのファンにも視聴してもらえる、というのは前述のとおりです。

そのうえで、有名インフルエンサーが使っている物と同じ物を購入できることにも価値が与えられているのが、ライブコマースの特徴です。

「あの人が紹介しているから、粗悪な商品ではないだろう」という安心感があり、なおかつ動画で紹介してくれるので、商品選定自体の失敗を減らせるという期待が生まれます。

また、商品を紹介しているインフルエンサーの根強いファンであれば、そのインフルエンサーと同じ商品を購入したのだという体験そのものも魅力的に感じるでしょう。

テレビ広告ほど費用がかからない

ライブコマースは、大規模な撮影や撮影会場が必要ないため、カメラと配信設備のみで始められるという利点があります。
また、有名インフルエンサーの起用報酬は上がっているとも言われていますが、それでも有名タレントや俳優等をキャスティングするよりも安上がりでしょう。

テレビ広告を1回配信にすることに比べても、安価に実施できるという点からも注目されているのです。

コロナ禍によりECサイトが伸長している

感染症の影響によってライブコマースが再注目されたというのは、前述のとおりです。

それに加えて、ECサイトそのものも、コロナ禍を受けて伸長してきています。それまでネットショッピングをしなかったという層にもECサイトの利用は広がっており、やむにやまれず利用し、その後日常に取り入れられていったというケースもあるでしょう。

そんなECサイトの伸長をライブコマースがサポートすることで、よりお互いの成長を高め合っているという関係にあります。

ライブコマースの注意ポイント

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ライブコマースを活用しようと思ったとき、重要となるポイントがいくつかあります。
それらについて解説していきましょう。

どのタイプが合っているかを見極める

ライブコマースは、その方式からいくつかのタイプがあります。

  • 自社のECサイトにライブコマース機能を付与するECサイトタイプ
    代表例:無印良品、UNIQLO
  • ECモールにライブコマース機能が付加されており、それを利用するECモールタイプ
    代表例:Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング
  • 既存のSNSにライブコマース機能を付与したSNSタイプ
    代表例:YouTube、Instagram、facebook

代表的なものは上記です。
自社サイトにライブコマース機能を付加するには、TAGsAPIやLive kitといったSaaSサービスを導入する必要があるため、「SaaSタイプ」と言い換えてもよいかもしれません。

自社がECサイトをもっているなら、ECサイトタイプを利用できるでしょう。
ECモールに出店しているなら、ECモールが提供するライブコマースを利用できるかもしれません。
複数商品ではなく、1品などの単位でピンポイントに売りたいのであれば、SNSタイプのライブコマースを利用したほうが効果的です。

自分たちが行いたいライブコマースと、どのようなタイプが合っているかを見極めるようにしましょう。

配信者の選定が重要

ライブコマースにおいては、視聴者は「どんな商品が紹介されるか」も気にしていますが、それよりも「どの配信者が配信しているか」に興味をもっている場合が多いものです。配信者の選定が非常に重要になるのは、イメージ通りではないでしょうか。

ですが、ただファンやフォロワーが多いインフルエンサーを起用すればいい、というわけではありません。

インフルエンサーには、得意なジャンルが存在しています。ファッションを得意としているインフルエンサーをグルメ系の商品紹介に起用しても、それほど効果は得られないでしょう。

逆に、フォロワー数はそれほど多くなくても、ある特定の業界で知られている人を起用し、合致した商品を紹介してもらえれば、売上が上がる可能性もあります。

ライブコマース向きの商品でなければ売れにくい

インフルエンサーに得意ジャンルがあるように、ライブコマースという形態そのものにも、得意なジャンルとそうでないジャンルがあります。

ライブコマースが特に得意としているのは、ファッション系や食品系です。ガジェット系も、前者ほどではないですがある程度の売上は見込めるでしょう。

  • ライブ感に乗り、思い切って購入したくなる
  • 比較的購入しやすい価格帯である
  • 現物を自分が使っている様子をイメージしやすい
  • 使い方も込みで紹介されることで、使っているシーンをイメージしやすくなる

これらに加えて、グルメ系であれば「おいしそうな感じ(シズル感)」が伝えられる点も向いている理由の一つです。
上記に当てはまる商品であれば、ライブコマース向きと言えるでしょう。

ライブコマースの事例紹介

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ここからは、国内のライブコマースの事例について、代表的なものを紹介していきましょう。導入の目安として、ぜひ参考にしてみてください。

無印良品

無印良品は「無印良品のライブショッピング」としてライブコマースを提供しています。
前述のタイプ区分では、ECサイトタイプにあたります。

同社は商品の質の高さを標榜していますが、実物を手に取らなければなかなか伝わりません。それを遠隔でも解消する手段として活用されています。

また同社は実店舗を抱えているため、実店舗から配信を行えるという点も利点の一つです。ライブコマース上だけでなく、リアル店舗への来店意欲の醸成にもつなげることができています。

楽天市場

楽天市場は「楽天市場ショッピングチャンネル」を運営しています。
前述のタイプ区分では、ECモールタイプにあたります。
多くのライブコマースでは、過去の配信をアーカイブ視聴できるのは一般的なことです。

楽天市場には数多くの商品があるため、ライブ配信だけではなく、アーカイブ視聴として残されている配信も豊富です。

ジャンル指定で過去の配信を見ることができますが、ジャンル指定がしっかり機能するほど多くの配信ができる商品・出店者を抱えているのは、楽天ならではと言えるでしょう。

アットコスメ(@cosme)

アットコスメ(@cosme)は日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイトを謳っており、口コミなどで商品を探すことができるサイトです。
同社は、「教えて!美容部員さん」というサービスを提供しています。

自社でもショップを運営しており、同社のライブコマースは前述のタイプ区分では、ECサイトタイプとSNSタイプの中間といったところでしょう。

同社は、「@cosme BEAUTY DAY」という年1回開催するECイベントでも有名です。2021年には、流通総額約11.3億円を記録し、過去最高額を更新したと発表しました。

ライブコマースと相性が良いコスメ系であるだけでなく、美容に関するアドバイスを交えながら商品紹介を行い、なおかつ限定の商品などを提供していることが成功の秘訣でしょう。

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