各業界のプロデューサーになる方法や求められるスキルから仕事内容まで徹底解説
この記事の監修者
番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。
目次
エンタメ業界にもさまざまな職種がありますが、中でも花形的なポジションとして人気なのがプロデューサーです。その存在は広く知られていますが、具体的な仕事の内容や、仕事への就き方がわからないという方が多いでしょう。
ここでは、業界別のプロデューサーになる方法や、共通して求められるスキル、そして具体的な仕事内容について詳しくご紹介します。
業界別のプロデューサーになるための方法
単にプロデューサーと言っても、業界によって仕事内容は異なっており、当然ながらその就き方も違います。そこで、まずはエンタメ業界を細かく分けて、各ジャンルのプロデューサーになる方法をご紹介します。
テレビプロデューサーになるには
プロデューサーと言うと、まずテレビプロデューサーをイメージする方が多いでしょう。ネットなどさまざまなメディアの存在感が大きくなっている現代ですが、依然としてテレビの影響力は大きいものです。
テレビプロデューサーになる方法として、一般的なのがテレビ局や番組制作会社への就職です。最初からプロデューサー職を募集しているケースは多くありませんが、テレビ番組の制作に携わり、ディレクターなどのポジションで実務経験を積むことによって、プロデューサーへの道が拓けます。
テレビ局や制作会社に所属せずに、フリーのプロデューサーとして活躍している方もいますが、もともとはどこかの組織に所属して、経験を積んだ上で独立するというケースがほとんどです。
音楽プロデューサーになるには
音楽プロデューサーになる方法は、大きく分けて2つです。1つ目は、レコード会社や制作スタジオなどに就職する方法です。音楽制作や、アーティストプロデュースを行う組織の中で経験を積んで、プロデューサーを目指すという形になります。
2つ目が、アーティストやミュージシャンとして活動しながらプロデューサーを目指す方法です。アーティストやミュージシャンとしての経験は、音楽プロデューサーにとって大きな武器になります。
最近では、コンピュータ技術の進歩によって、個人レベルでハイクオリティな音楽制作が可能となっています。そのため、最初からフリーの音楽プロデューサーとして、企画から楽曲の制作、売り込みまですべて自分で行うというケースも少なくありません。
アイドルプロデューサーになるには
アイドルプロデューサーになる方法として、最初に挙げられるのが、アイドルが所属している芸能事務所などに就職するというものです。近年では、ローカルアイドルや地下アイドルなど、さまざまなジャンルのアイドルへの需要が高まっています。そのため、アイドルの育成や、売り出しに力を入れている事務所も増えています。そのため、芸能事務所などに就職することによって、アイドルプロデューサーを目指すことができます。
また、自身でアイドルを発掘して育成、売り出しを行うという方法もあります。特にローカルアイドルの場合、低予算で売り出すことも可能なため、個人レベルでプロデュースを行うケースもあります。
アニメプロデューサーになるには
アニメは、専門の制作会社によって作られるのが一般的です。そのため、アニメ制作会社に就職することによって、アニメプロデューサーを目指すことができます。最初から職種として、プロデューサーになれる形で募集されているというケースはほとんどありませんが、アニメーターや宣伝広報など、どの職種からであってもプロデューサーになれる可能性があります。
映画プロデューサーになるには
映画は、専門の制作会社のみでなく、テレビ局などが主導で制作されるケースも増えています。そのため、テレビ局や映画制作会社などに就職することによって、プロデューサーを目指せます。映画の制作には、多くの人が関わりますので、正社員としての就職は難しくても業界に入って人脈を築くことが映画プロデューサーへの近道です。
特殊なケースとしては、俳優や監督、シナリオライターなどのクリエイターとして映画制作に関わり、プロデューサーに転身することもあります。
声優プロデューサーになるには
声優は、活躍の場が広いことから、プロデューサーになる方法もいくつかに分かれます。アニメや、テレビのナレーションなどの仕事をメインにプロデュースするのであれば、テレビ局やアニメ制作会社、映画制作会社などに就職することによって、プロデューサーを目指すことになります。
声優を総合的にプロデュースするのであれば、声優が所属している芸能事務所や、イベント制作会社などに就職して、経験や人脈を築いて行くという形が一般的です。
近年では、ウェブ動画などを中心に活躍する声優も増えていますので、ウェブ系の制作会社や広告代理店などに就職して、プロデューサーを目指すことが可能です。
また、自分で声優を発掘・育成して売り込んで行くことも可能です。声優という仕事の活躍の場が広がっていることから、フリーで活動している声優も多く、同時にフリーな立場のプロデューサーも求められるようになっています。しかし、プロデューサーとして仕事をするためには人脈が求められますので、一度業界に入って、ある程度の経験を積んだ上でフリーになるケースが多いようです。
プロデューサーになるために共通して求められるスキル
業界を問わず、プロデューサーの役割は幅広く、さまざまなスキルが求められます。続いては、プロデューサーという役職に共通して求められるスキルをご紹介します。
卒業している学部などに関係なくプロデューサーになれる
プロデューサーとして活躍するために特別な資格などは必要ありません。また、学歴が影響することもほとんどないと考えていいでしょう。ただし、テレビ局などは大手企業ですので、正社員としての入社を目指すのであれば学歴が影響することもあります。業界に入って経験を積みながらプロデューサーを目指す場合には、雇用形態にこだわる必要はありません。
近年では、各ジャンルのプロデューサー育成のコースを設けている専門学校なども増えていますが、現場での経験が特に求められる職種ですので、学校が大きく影響することはあまりありません。
業界にかかわらず実務経験に基づく知識が必要になる
ジャンルを問わず、プロデューサーは現場を仕切る役割を担っています。そのため、何よりも現場のことを知っている必要があるのです。そこで、必要となるのが、現場での実務経験です。テレビ局や各種制作会社などに就職しても、最初からプロデューサーとしての仕事を任されることはほとんどありません。一定の経験を積んで初めて、プロデューサーを目指すことになるのも、実務経験が重視されていることによるものです。
新たなものを生み出す企画力や発想力
プロデューサーは、単に現場を仕切るだけでなく、魅力的な企画を生み出すことも求められます。どのジャンルにおいても、プロデューサーには多くの権限が与えられます。仕事の自由度は高い一方で、自分で新しいものを生み出すための企画力や、発想力が求められます。柔軟な発想や世の中に受け入れられるものを生み出す嗅覚やセンスは、プロデューサーとして欠かせないスキルだと言えるでしょう。
チームをまとめるマネジメント能力
プロデューサーは、人を動かす仕事でもあります。さまざまな職種をチームとしてまとめて、ひとつの仕事を完成させる必要があります。そこで重要となるのが、マネジメント能力です。
プロデューサーはチームに関わる人事権を持つケースもありますので、人の能力を見極める力や、人を集めることができる人脈も重要です。
クライアントと折衝できるコミュニケーション能力
クライアントの要求に応えながら、現実的な視点で企画を具体的な形にすることも、プロデューサーの役割です。そこで求められるのがコミュニケーション能力です。クライアントとうまくコミュニケーションを取れなければ、要求に応えることができません。そして、現場側の意図を汲んだ説明もできないため、企画を実現することが難しくなります。
コミュニケーション能力は、クライアントとの関係のみでなく、チームメンバーとの意思疎通においても重要になります。
プロデューサーの仕事内容
プロデューサーになりたい方へ、最後に仕事内容をご紹介します。
企画や制作の総責任者的役割
プロデューサーは、業種を問わず、企画や制作における総責任者的な役割を担っています。企画の立案はもちろんのこと、実際に制作に至るまで、総合的に監督することが求められます。どんなに魅力的なアイデアを持っていても、実際に制作できなければ意味がありません。仕事の完成像まで描く必要があるプロデューサーは、非常に責任の重い立場ですが、それだけ仕事としてのやりがいもあります。
予算の管理なども担うことが多い
予算は、企画を進めていく上で重要な要素のひとつです。プロデューサーは、企画における予算の管理を担うケースも多くなります。優れた企画であっても、予算をオーバーしてしまえば形にはなりません。また、予算を最大限に活かす企画を立てることもプロデューサーの腕の見せ所になります。
ディレクターとの違いは責任範囲の広さ
プロデューサーと混同されてしまいがちなディレクターですが、その違いは責任範囲の広さにあります。プロデューサーは企画といった仕事の最初の段階から、最終的な完成にいたるまで総合的な責任を担うことになります。それに対してディレクターは、プロデューサーの指揮のもとで、主に制作分野における現場での指示などを担います。つまり、総合的な責任を担うプロデューサーに対して、部分的な責任を負うのがディレクターです。
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