ミュージシャンをサポートするローディーとは?仕事内容や必要な能力などを解説

ローディーの仕事内容とは

ローディーとは、ミュージシャンのステージをサポートするスタッフのことです。ミュージシャンがライブをする際に付き従い、機材の搬入・搬出やセッティング、楽器のメンテナンスなどを担当します。

ステージが始まってからは、楽器の持ち替えやラックエフェクターの切り替えなどを行い、ミュージシャンのサポートすることが多いです。他にもケーブルが絡まらないように補助したり、倒れたマイクスタンドを建て直したりと、ミュージシャンが最大限のパフォーマンスをできるよう支えることが主な仕事となります。ローディーの仕事内容について詳しく見ていきましょう。

楽器や機材の搬入・搬出

ローディーの仕事としてまず挙げられるのが、楽器や機材の搬入や搬出です。ミュージシャンの自宅や事務所などから機材を車に積み込み、会場へ運搬し搬入します。同様に、ステージ終了後に機材をばらし、車へ積み込んで元あった場所まで持ち帰るのもローディーの仕事です。

車の運転免許が必要な他、ミュージシャンの楽器や機材にはデリケートなものが多いため、車への積み込み時は揺れや重量などを考慮して積み込むスキルが要求されます。また、会場は基本的に使用時間が決まっているため、搬出ではスピーディーに機材を車に積み込むスキルが必要です。

楽器や機材のセッティング

会場に搬入した楽器や機材のセッティングを行うのもローディーの仕事です。音響や演者の立ち位置を考えてアンプやエフェクターボードを配置し、各楽器のチューニングや簡単なメンテナンスを行います。

楽器のメンテナンスでは、主に弦楽器の弦の張り替えやドラムヘッドの交換、エフェクターの電池交換を行うため、各楽器に対する知識が必要です。機材の配置や楽器のチューニングが完了したら音出しを行い、会場の音響に合わせてベースの設定から音量や歪み具合、イコライザーなどを調整し、最適なサウンドを目指します。

ステージのサポート

ステージ本番中のサポートもローディーの仕事の1つです。本番中の楽器の持ち替え補助やラックエフェクターの操作など、ステージが問題なく行われるように行動します。また、ギターシールドやマイクケーブルなどの絡まりや、倒れたマイクスタンドの立て直しなど、トラブルに対応することも多いです。

以上のように、ステージ中はミュージシャンが最高のパフォーマンスを行えるよう、臨機的に行動することが重要になります。

 

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ローディーの働き方の特徴

ローディーは一般的な仕事と雇用形態が異なるため、雇用形態や勤務時間などに大きな違いがあります。基本的には、個人事業主として働くことになることを把握しておくことが重要です。詳しく見ていきましょう。

基本的には業務委託契約

ローディーの雇用体系は、基本的に業務委託契約です。そのため仕事の形態としては、企業と雇用契約を結ばず、個人事業主として仕事を「受注」することになります。会社員のような福利厚生などは存在しません。

また、保険や年金も国民健康保険と国民年金となります。加えて、個人事業主として毎年度末に確定申告が必要です。ローディーになると、一般的な雇用のような待遇が受けられず、複雑な申請などが多くなることを覚悟しておきましょう。

勤務時間や休日は流動的

ローディーの仕事には決まった勤務時間や休日がありません。基本的に付き従っているミュージシャンのライブがある日が稼働日で、ライブがない日が休日となります。ツアーに同伴する場合は、ミュージシャンとともに全国を回ることになるため、一定期間毎日仕事をすることも多いです。

また、基本的には車での移動となるため、ツアー中は早朝から夜遅くまで運転する必要があったりと、勤務時間が長期化することもあります。よって、ローディーの仕事をこなすには、ハードなスケジュールに耐えきれる体力が必要です。

ツアー中などはハードになりやすいローディーの仕事ですが、ミュージシャンの活動の仕方によってはまとまった休みが手に入りやすい仕事でもあります。休日や勤務時間が決まっていない分、オンオフの切り替えが重要になる職種といえるでしょう。

ローディーの現状と将来性

音楽業界を裏から支えているローディーの仕事ですが、業界における現状や将来性はどのようになっているのでしょうか。結論から言えば、不安定な仕事ではあるものの、将来的になくなるとは考えにくい仕事となっています。詳しく見ていきましょう。

不安定な仕事であることは否めない

現状、ローディーの仕事を新しく得るのは難しい状況といえます。ローディーはミュージシャンから個人的に依頼されるか、ミュージシャンが所属する音楽事務所や音楽会社が出している募集に応募することで仕事を得ることが多いです。

しかし、現在はローディーを募集している企業は少なくなっており、未経験者が新規で参入するのが難しくなっています。また、仕事を得ることができたとしても、ツアーやライブごとに報酬が支払われる契約となることが多いため、決まった額の収入を得ることが難しく、不安定な仕事であることは否めません。

将来的になくなるとは考えにくい

不安定な仕事であるローディーですが、仕事自体はライブという興行がなくならない限りなくなる可能性が少ないといえるでしょう。近年は音楽業界全体の市場が縮小傾向になるとささやかれていますが、音楽の提供方法がデジタル化されていくにつれて、逆にライブの価値が見直されてきています。

また、配信ライブなど、時代に合わせた新たなライブの形も普及してきているため、将来ライブ自体がなくなるということは考えにくいです。一度仕事に就いてミュージシャンの信頼を得ることができれば、将来的に継続的な仕事を得られる可能性が十分にあるといえます。

ローディーに向いている人の3つの特徴

ローディーは楽器や機材を扱う仕事なので、音楽への好奇心が強い人に向いています。また、搬入・搬出作業をはじめとして肉体労働が多いので、体力仕事に抵抗がある人には続けることが難しいです。

加えて、ステージ本番では臨機的な行動を求められるため、業務内容を固定化せずに柔軟に仕事をくなせる人が重宝されます。詳しく見ていきましょう。

本気で音楽が好きな人

ローディーの仕事をする上で最も重要なのが、音楽が好きであることです。ローディーはミュージシャンの機材や楽器を扱う仕事なので、ミュージシャン本人以上に楽器のメンテナンスや音響について詳しくなければなりません。

また、ミュージシャンの演奏スタイルや音楽性に合わせた調整ができるよう、幅広い音楽ジャンルに関する知見が必要です。さらに、ミュージシャンが新しい機材を導入した時に対応できるよう、機材に関する最新情報をしっかりとキャッチしておくことも重要になります。

ローディーになると良くも悪くも音楽漬けの生活となるため、音楽に対する飽くなき情熱が必要になるといえるでしょう。

体力仕事に抵抗がない人

体力仕事に抵抗がない人も、ローディーには向いています。前述の通り、ローディーの仕事は機材や楽器の搬入・搬出や長時間の運転など、ある程度体力が必要な仕事が多いです。よって、体力仕事に抵抗がある人がローディーの仕事を続けるのは難しいといえます。

また、ツアー中などは連続で県を跨ぐ移動を行うこともあるため、睡眠時間が短くなったり、生活が不規則になりやすいです。そのような状況にも耐えられる精神面の強さを持っている人も、ローディーに向いているといえるでしょう。

臨機応変な対応ができる人

ローディーの仕事には、臨機的な対応を求められることが多いです。特にステージ本番中は、プログラム通りに楽器の持ち替えを補助したり、楽曲に合わせてラックエフェクターを操作したりしつつ、ステージ上で発生するトラブルを解消しなければいけません

前述したケーブルの絡まりの解消やマイクスタンドの立て直しなどはもちろん、楽器の弦が切れてしまった場合に同じチューニングの別の楽器を用意したり、急に音が出なくなった時に原因を見抜いて解消するなど、トラブルに柔軟に対応する必要があります。

よって、ステージ上で発生した問題を瞬時に把握し、冷静に行動できる人がローディーに向いているといえるでしょう。

ローディーになるための資格や能力

ローディーの仕事内容や適性などについて分かったところで、実際にローディーになるために必要な資格や能力について紹介します。基本的にローディーは資格などは必要ありませんが、音楽や楽器に関する専門知識を持っていることが重要になります。詳しく見ていきましょう。

特別な学歴や資格などは必要ない

ローディーになるために必要な学歴や資格はありません。やる気さえあれば誰でも仕事に就くことができます。しかし、ローディーは力仕事が多いうえ、後述の通り楽器に関する深い知識が必要です。

ローディーを志すのであれば、日ごろからトレーニングを行って体力を付けつつ、楽器に関する知識をインプットしておくと良いでしょう。

楽器のセッティングやメンテナンスに関する専門知識が必要

ローディーの仕事をこなすには、楽器や機材に関する知識が必要です。特に、楽器のメンテナンスについてはミュージシャンの大切な楽器を扱う都合上、確実な調整を行えるスキルを習得していることが重要になります。

楽器のセッティングやメンテナンスに関する知識やスキルは音楽系の専門学校で学べる他、自身の楽器を使えば独学でも習得可能です。ローディーを目指すのであれば、あらかじめメンテナンスを経験しておくことをおすすめします。

キャリアアップのためには現場での経験を積むことも重要

ローディーには学歴や資格が必要ない上、業務委託契約で一般企業のような評価制度が存在しません。そのため、キャリアアップにはローディーとしてのスキルの高さや、現場での経験の多さが大きく影響します。

最初から重要なポジションに立つことは難しいので、地道に仕事をこなしていく忍耐強さが必要です。

ただし、ローディーは高負荷な肉体労働なので、年を重ねても現役でいることは難しく、仕事を変えずにキャリアを重ねていくということは少ない職業であるといえます。一般的には制作会社や音楽事務所のマネージャーになるか、全く異なる職種に転職することが多いです。

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