VR市場とは?さまざまな業界で注目を集める新技術をビジネスに活かそう

この記事の監修者

志土地
志土地キャリアアドバイザー

番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。

かつては未来の技術といったイメージが強かったVRですが、ここ数年で急速に技術が進歩して普及も進んでいます。VRはゲームなどのエンタメのみでなくさまざまな業界で注目を集めており、市場も成長し続けています。

仮想現実を体験できるVR市場が盛り上がっている

VRを楽しむ人

「仮想現実」というとどこか近未来的なイメージを抱く方も多いでしょう。しかし現在では、実際に体験できる機会も増えています。ここ数年で盛り上がりを続けているVR市場についてご紹介します。

VRとは「Virtual Reality」 の略

VRは「Virtual Reality」の略で、日本語では「仮想現実」と訳されるのが一般的です。

仮想と現実は相反する言葉ですが、「限りなく現実に近い仮想」であると定義できます。

VRと近い言葉にARがあります。ARとは「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」と訳されます。VRとの違いは、現実の視界に情報を追加するという点です。ベースは実際の視界ですが、そこに存在しない映像や、文字情報などを追加することができる技術で、こちらもすでにさまざまなシーンで実用化されています。

専用のヘッドセットなど機材が必要になることが多い

VRにはいくつかの体験方法が考えられますが、現在市販されているVR機器はヘッドセット式になっています。

左右の目それぞれにディスプレイまたは、独立して映像を表示できるレンズがセットされており、顔の向きに合わせて映像を動かすことによって、まるで目の前に映像の景色が広がっているように錯覚させるという仕組みです。

 

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VR市場の現在の状況

VRヘッドセット

VR市場は近年、前述のARと併せて「XR市場」とも呼ばれています。株式会社矢野経済研究所が、2019年に行った「XR(VR/AR/MR)360°動画市場に関する調査」によると、国内XR市場は3951億円にものぼります。VRを含むXRは、比較的新しい技術であり、市場も十分に熟成していないことを考えると、今後さらに伸びる可能性が高く、同調査によると2024年には市場規模が10兆円を超えると予測されています。

5G通信の普及による8K映像のライブ配信の実現

VR市場の拡大において、重要な要素のひとつが通信環境です。VRコンテンツは、従来の動画コンテンツと比較するとデータのサイズが大きくなります。

現在、デジタルコンテンツの多くは、データ通信によって配信・利用されるケースが多くなっています。ダウンロードコンテンツであれば、それほど高い通信速度は必要ありません。しかし、ライブ配信などコンテンツにおいては安定した高速データ通信が可能な環境が要求されます。

この点で大きな影響を与えるのが5G通信の普及です。従来よりも遙かに高速で安定したデータ通信が可能となるため、従来のフルHDや4K解像度のVRコンテンツはもちろんのこと、より高精細なVR体験を実現する8K映像のライブ配信も可能になります。

日本の市場ではスマホアプリに関連した普及が進んでいる

VR市場は、世界的に拡大し普及が進んでいますが、ここでは日本における動向に注目します。

ゲームをはじめとして、日本国内でもVR専用機器が市販されていますが、特に普及が進んでいるのがスマホアプリです。世界的に大流行し、日本でも大きな話題になった「ポケモンGO」もAR技術を活用したゲームアプリで、XR市場の成長に貢献したといえます。その他にも日本国内では、スマホでARやVRなどを体験できるアプリが登場し、普及が進んでいます。

今後VRの普及が見込まれている業界

VRゴーグルを着用した人

現在VR市場では、ゲームをはじめとしたエンタメ分野で広く活用されるようになっています。しかし、まだまだ新しい技術であり、非常に大きな可能性を秘めています。

 

①医療業界における治療や手術の練習

VRの普及は、医療の世界にも大きな影響を与えると考えられています。VR技術を使用することで、遠く離れた場所にいてもまるでその場にいるような感覚で、さまざまな作業が可能となります。医療においてはVRを利用した遠隔治療への活用が期待されています。また、実際の治療のみでなく、手術のシミュレーションをはじめとして、医療従事者への教育分野へのVR導入が期待されています。すでにVR技術を使った医療教育コンテンツなども登場していますので、今後数年でVRが医療の世界を変える可能性を秘めています。

②音楽鑑賞やスポーツ観戦

VRコンテンツのメリットとして、高い臨場感や没入感が挙げられます。すでにゲームの世界では、VR技術ならではの臨場感を活かしたコンテンツがいくつも登場しています。

この臨場感を活かしたコンテンツとして、注目を集めているのが音楽鑑賞やスポーツ観戦です。自宅にいながら、コンサートホールやスタジアムにいるような臨場感を楽しむことができます。

 

前述の通り、5Gなどの高速データ通信の普及によってリアルタイムでVR映像の配信も可能になります。この技術を活用することによって、音楽のライブ鑑賞やスポーツ観戦のスタイルも大きく変わることになるでしょう。

③不動産業界の物件の内見

VRは、不動産業界での活用も注目されています。従来、物件の内見は実際に現地まで足を運ぶのが一般的でした。しかし、VRを使用することによって、現地まで行かなくても内見が可能となります。VRデータをウェブサイトなどで配信すれば、自宅にいながら多くの物件の内見が可能となります。これにより新居を探す際に、いくつもの物件を見て回る必要はなくなるのです。

また、3Dモデリングなどによってデータを作成することで、まだ完成していない建物内をシミュレートすることも可能となります。

④観光地へ誘致するためのコンテンツ

VRならではの高い臨場感は、観光業界においても注目をされています。従来の写真や動画では、伝えることができなかった観光地の魅力も、VRであればよりリアルに伝わります。

実際に、観光地へ誘致するためのコンテンツも制作され、一部旅行代理店などで使用されています。

その他にも、観光地への誘致のみでなく、現地に行くことができない方のためにVRを使った観光も行われるようになる可能性があります。高速データ通信も普及することで、リアルタイムで現地の観光を楽しむことも可能になるでしょう。

 

VR市場の発展に携われる職種

VRゲームの様子

VR市場は、今後さらなる成長が期待されています。そうなれば当然、VRに携わる仕事への需要も高まることになります。そこで最後に、VR市場の発展に携わることのできる職種をご紹介します。

3DCGデザイナー

VR映像にもさまざまなものがありますが、実在しない世界を映像として構築する上で重要となるのが3DCGです。従来の動画コンテンツとは違い、映像を立体として表現する必要があるため、3DCGデザイナーとしての需要はますます高まることが予想されています。

映像を、100%CGで制作する場合はもちろんのこと、実際の映像をよりクオリティの高いVRコンテンツとして完成させることもも3DCGデザイナーに求められる役割のひとつです。

エンジニア

VRコンテンツは、まだ新しいということもあり、制作にはさまざまな専門技術が必要となります。そのため、映像制作や撮影、そして配信などに多くのエンジニアが携わります。医療における遠隔治療などにVRを使用する場合は、映像面のみでなく物理的な操作を行う機器の開発や設置・設定などのエンジニアも必要となります。

VRの活用の方法に応じて、さまざまなジャンルのエンジニアが必要となるのです。

映像制作ディレクター/プロデューサー

これはVRに限った話ではありませんが映像コンテンツを制作するためには、企画や撮影、制作の指揮をとるディレクターやプロデューサーの存在が欠かせません。特にVRは、今後さまざまなジャンルで活用されるようになることが期待されているため、映像制作ディレクターやプロデューサーへの需要は高まります。

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