【ゲームスクリプターの仕事とは?】転職状況から年収まで詳しく解説

目次
ゲームスクリプターとは?
ゲームスクリプターとは、スクリプトという簡易的なコンピュータ言語を用いてゲームのシナリオを基に映像を切り替えたり、キャラクターを動かしたりするなどの動作設定を行う仕事です。
スクリプトは、ゲーム会社独自で作られているため、誰が見てもわかるようにマニュアル化されており、動作設定だけではなくゲームの難易度、ステータス、必殺技、フラグなども同時に設定していきます。
例えば会話が中心となるアドベンチャーゲームでは、キャラクターの表情や会話内容に合わせて背景やセリフの表示が変化していきますが、これらのシーン1つ1つに対してゲームスクリプターがスクリプト言語を用いて入力を行っているということです。
実はスクリプターは、プログラミングの知識があまり求められないため、未経験でもゲームの開発に携わってみたいという方なら、挑戦しやすいでしょう。
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ゲームスクリプターとゲームプログラマーの違いについて
ゲームスクリプターとゲームプログラマーは、同じゲーム開発に携わる仕事のため混同しやすいのですが、それぞれの仕事内容の違いについて見ていきましょう。
最初に2つの仕事のおおまかな違いを表にまとめてみました。
職種 | 使用する言語 | 仕事内容 |
ゲームスクリプター | スクリプト言語 | ゲームシナリオを基に動作、難易度、ステータス、必殺技、フラグなどの設定を行う |
ゲームプログラマー | C言語、C++、Peal、Rudyなど | ゲームの企画書や仕様書を基に絵や音楽などゲームを構成する要素全てをシステムとしてプログラミングする |
ゲーム制作の工程から考えると、企画や仕様などゲーム開発の初期段階を担当するのがゲームプログラマーで、動作設定などの仕上げに近いゲーム開発の後期段階を担当するのがゲームスクリプターだと言えるでしょう。
ゲームスクリプターの仕事の流れ
次にゲームスクリプターの仕事の流れについて説明します。
ゲームスクリプターは仕事を行う際、それぞれの分野ごとに担当を細分化して決定するため自分の担当する分野についてゲームディレクターから説明を受けます。
ゲームによって異なりますが、セリフ、ダンジョン、フィード、キャラクター、敵のステータス、特殊能力、技といった1つ1つの分野ごとに担当を決めるということです。
主な分野別の作業内容を見て見ましょう。
メイン・イベントストーリーを設定する
ゲーム内で発生するメインストーリー、またイベントのストーリーに関わる動作設定を行います。
具体的には、ゲームのシナリオに合わせてキャラクター同士の会話のテンポやカメラワーク、表示されるテキストのスピードなどを設定していくのです。
メインストーリー、イベントストーリーごとに異なるシナリオの内容をスムーズに展開していくためには、演出家やデザイナーとしっかりとコミュニケーションを取り、連携して作業を進めていくことが大切だと言えるでしょう。
キャラクターの特徴を決める
キャラクターそのものを制作するのではなく、制作されたキャラクターの表情や動きを決める作業です。
ゲームにおいては、キャラクターの個性が大切なので、それを際立たせるような会話や動きを設定していきます。
キャラクターの数が多いほどこの作業は増えますが、ゲームとしてのクオリティは高くなるでしょう。
キャラクターのエフェクトを設定する
ゲームのキャラクターはそれぞれ個性的な動きを持っていますが、それぞれの動作にエフェクトをかけるとよりその動作が際立って見えます。
例えば対戦格闘ゲームなどで、必殺技を出した時に起こる現象などがエフェクトです。
キャラクターの表情や動き1つ1つにエフェクトをかけていくのはかなり煩雑な作業ですが、これもゲームスクリプターの仕事なのです。
レベルデザインを設定する
プランナーが設計したレベルの仕様書に即して、ゲームの難易度に関するレベルの設定を行う仕事です。
ゲーマーには初心者からプロゲーマーまでさまざまな人がいるため、その人たちが継続して楽しめるようなレベル設定をします。
ゲームスクリプターの年収とは?
ゲームスクリプターは正規雇用が少なく、アルバイトでの雇用や業務委託で仕事をすることが多い職種です。
そこで経済産業省が2013年~2015年に調査した「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」の「プログラマー」の臨時労働者の給与を参考に考えてみると、2015年の時給が1,297円のため、1日7時間、20日働いたとして月収は181,580円、年収に換算すると2,178,960円です。
プログラミングの知識やマネジメントの経験があれば、少し給与を上乗せしてもらえる可能性があるでしょう。
また、ゲームスクリプターの勤務先はゲーム制作会社だけではなくメーカー、アプリケーションの開発会社など多岐に渡り、これからニーズが高まる職種と言われているため、企業によって差があるということも覚えておく必要があります。
ゲームスクリプターのキャリアパスについて
ゲームスクリプターはゲーム業界への登竜門と言われる職種のため、その後のキャリアパスはどのようなコースがあるのか気になる方も多いでしょう。
2種類のキャリアパスをご紹介します。
①ゲームスクリプターからゲームディレクターを目指す
比較的メジャーなキャリアパスです。
ゲームスクリプターとして仕事をした後、ゲームの企画や仕様書制作を行うプランナーとなり、プランナーのマネジメントを行うチーフプランナーを経て、企画から完成までのスケジュール管理を行うゲームディレクターへとステップアップしていきます。
②ゲームスクリプターからシナリオライターなど他職種との兼業を目指す
ゲームスクリプターとして経験を積んだ後、ゲーム制作に関わる別の職種と兼業を行うというキャリアパスです。
イラストレーターは、仕様書を基にその主旨にあったキャラクターの作成やゲームのビジュアルを担当し、シナリオライターはゲームのストーリーを考える仕事ですが、ゲームスクリプターとプランナー、イラストレーター、シナリオライターを兼業する人は多いのです。
より幅広くゲーム制作に関わりたい方におすすめのキャリアパスと言えるでしょう。
ゲームスクリプターへの転職のポイント
ゲームスクリプターに転職するには、次のようなスキルがあると有利になることがあります。
・スクリプト言語に関する知識や経験
・基本的なPCスキル
・プログラミングに関する基本的な知識や経験
・ゲームプランナーの経験
・ライティングの経験
・HTMLの修正やコーディングの知識や経験
基本的なPCスキルやHTMLなどは、自分で勉強できる内容もあるので、転職を考えているならあらかじめ身に着けておくのもよいでしょう。
また、求められる人物像としては、1つのゲームを多数の人が関わって作り上げていく共同作業のため、高いコミュニケーションスキルを持つ協調性や柔軟性の高い人と言えます。
未経験からでもスタートできる
ゲームスクリプターは、ゲーム業界の中でも比較的ハードルが低い仕事と言われるのは、必須の資格や経験がなく未経験からでもスタートしやすいためです。
しかし一方で、ゲームを開発する現場においては欠かすことのできない、非常に重要な存在だと言えます。
なぜなら、ゲーム制作の工程において、ゲームの魅力を作り出す仕上げの工程を主に担っているためです。
このようにやりがいがあるにも関わらず、スクリプト言語についてはしっかりとしたマニュアルが用意されており、担当やスケジュールもゲームディレクターが管理してくれるため、未経験者に優しい環境となっているのです。
技術がないからとゲーム業界を諦めてしまうことなく、ひとまずゲームスクリプターへの転職を考えてみるというのも、ゲーム制作を仕事にしたい方にとっては良い選択なのではないでしょうか。
ゲーム業界からの転職ではシナリオライター経験者が有利
ゲームスクリプターのキャリアパスとしてシナリオライターとの兼業をご紹介しましたが、ゲーム業界からの転職でもシナリオライターの経験があると有利だと言えます。
なぜなら、ゲームスクリプターが活躍するのは主にアドベンチャーゲームなどのシナリオのあるゲームなので、ゲームディレクターの指示でシナリオライターがシナリオ制作とゲームスクリプターの仕事を両方行うことができれば、非常に効率化につながるためです。
シナリオライター兼ゲームスクリプターとしての採用も考えられるので、もしシナリオライターでゲームスクリプターの仕事にも興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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