エンタメにおけるWeb3.0とは|メタバースやブロックチェーンも交えて解説

Web3.0に関する用語解説

画像1

Web3.0に関して、聞いたことはあれど詳しくは理解していない用語もあるかもしれません。それらの用語のなかで、よく耳にするものをまとめて解説していきます。

Web3.0

Web3.0とは、「分散型インターネット」と呼ばれる次世代のインターネットのことを示しています。

これまでは、IT系のテック企業として急成長してきた、Google、Amazon、Facebook(現メタ・プラットフォームズ社)、Apple、Microsoftがインターネット上でも大きな存在感を示していました。
彼ら、いわゆるGAFAMと呼ばれる巨大テックカンパニーが多くのユーザーたちの個人情報と利益を独占していたのが、Web2.0の状況です。

ですが、後述するブロックチェーンなどの技術革新により、情報の分散管理が可能となったのです。それによって、巨大企業による情報の独占から脱却しようとしているのが、Web3.0です。

メタバース

旧・Facebook社がメタ・プラットフォームズと社名を変更しました(通称、Meta社)。

そして、同社が今後の主軸事業にし、研究開発を進めるという発表によって「メタバース」は一時期話題となりました。

「メタバース」は、簡単に理解しやすい概念で解説するならば、「仮想空間」のことを意味します。

現実世界とは異なる仮想的な空間をネットワーク上に構築し、仮想世界に自分を投影したアバターを投入し、操作するというものです。

そもそもメタバースの「バース」とは「宇宙(ユニバース)」をもとにしています。すなわち、仮想世界にもう一つの現実(宇宙)を創造するような思想である、とも理解できます。

現実世界と同じ時間が流れ(現実世界との同一性)、VR空間をアバターで歩き回り(没入感)、現実と変わらない生活を送ることができるようになってくるでしょう。

バーチャルなショッピングだけでなく、実物を購入できたり、ミーティングや仕事がすることが当たり前になってくるかもしれません。

ブロックチェーン

ブロックチェーンという用語は、仮想通貨に関連した情報のなかで、おそらくもっとも耳にするキーワードではないでしょうか。

簡単に説明すると、ネットワーク上の取引記録を暗号通信を使って継続的に接続し、分散的に処理するというデータベースのことを示しています。

取引履歴が鎖(チェーン)のようにつながっていくことから名付けられました。

過去から現在までの取引履歴を追跡することができ、それらが分散的に管理されていることで、ブロックチェーンは以下のような特徴をもっています。

  • データの破壊や改ざんが難しい。
  • 一部に不正を行う者がいても、全体としては正しく取引できる。
  • データの正確性を保持できる。
  • システムがダウンしない。

信頼性が高いため、ビットコインをはじめとした仮想通貨だけでなく、唯一性を保証するNFTなどにも応用されている暗号化技術です。

Web3.0に関する主な職種

画像2

ここまでは、Web3.0に関するキーワードを確認してきました。

それでは、実際にWeb3.0に関する仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは代表的な職種をいくつかご紹介します。

なお、ここで紹介するのは「Web3.0の専任の仕事」というわけではありません。
ここでご紹介した職種においては、新たな付加価値としてWeb3.0に関連した業務を行うことがあるものだ、と理解しておきましょう。

また、これらの職種で現在活躍しているとするなら、これからWeb3.0に関連した知識を習得していけば、新たなスキルを得てキャリアアップしていくことも可能になるかもしれません。

それでは、さっそく確認していきましょう。

PM(プロジェクトマネージャー)

文字通り、Web関連の制作における、プロジェクトを管理する立場にある職種です。

クライアントと企画について打ち合わせを行い、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を適切に配置していく仕事です。

具体的には、プロジェクトの目的、予算、納期などのビジネス的な要件、設計や仕様の策定などのプロダクト的な要件、各工程に対する工数や人員計画など実働的な要件を策定していきます。
そのなかで、さまざまなリスクヘッジやリスクマネジメントを行いながら作業計画を立てます。

Web3.0においても、PMの役割は変わらず重要です。プロジェクトやサービスを主導する責任者的な立場を担っていくでしょう。
その際、全体を統括する立場としては、やはり前述したようなWeb3.0を象徴するようなキーワードや概念は知っておく必要があります。

デザイナー

サイト制作のために、依頼されたデザインを制作する仕事です。

UX(ユーザー体験)やUI(ユーザーインターフェイス)に関する知識をもっておけば、グラフィックデザインだけでなく、UIデザインを担当することもできるようになるでしょう。

Web3.0では、メタバースの没入感などにおいてデザインの重要性が増していきます。
新たな知識をインプットすることで、新たな付加価値をつけたデザインができる可能性が広がるでしょう。

ITエンジニア

プログラミングやコーディングを行うことで、サイト・アプリ・ソフトウェアを開発する仕事です。

Web3.0では、新しい技術を応用してさらにさまざまな技術が生まれています。

実際にプログラミングを担う職種であるITエンジニアは、Web3.0の影響を受ける機会も多いかもしれません。

業務上で必要になる前に、調査してある程度の知見を得ておくと良いのではないでしょうか。また、Web3.0に合わせてスキルアップしていけば、新たな業務の幅が広がり、キャリアアップにつながるかもしれません。

暗号資産のディーラー・トレーダー

トレーダーとは、証券会社などの金融機関に所属し、投資家からの注文に従って金融商品の売買取引を担当します。対してディーラーは、自分の意思で金融商品の売買を行います。
ディーラーは、キャピタルゲインにより利益を得ている個人投資家のようなものであると理解すればよいでしょう。

両者には従業員であるか個人事業であるかという違いはあるものの、暗号資産はWeb3.0の、特にブロックチェーン技術の影響を非常に大きく受けています。
そもそも、暗号資産や仮想通貨がブロックチェーンと密接に関わっており、その技術がなければ誕生しえなかったと考えられています。

トレードに関する知識だけでなく、ブロックチェーンやNFTをはじめとした新しい技術への知識があれば、ワンランク上のディーラーやトレーダーになることも可能なのではないでしょうか。

ゲームプロデューサー

ゲーム制作における総責任者がゲームプロデューサーです。ゲーム作品を制作するにあたり、予算や人員、スケジュールなどを管理する、そのプロジェクト全体に対する責任を負う統括的な立場にある職種です。

ゲーム業界も、Web3.0の影響を大きく受けています。

一つは、メタバースです。
メタバースのように、VR空間を利用したゲームはいくつも開発されています。旧フェイスブック社が家庭用のVRヘッドセットであるOculus Questシリーズを開発・販売していましたが、META社へと社名変更してからついに、新たなプラットフォームとなるMeta Questシリーズの発売が発表されました。
これからのゲーム開発において、メタバースは意識せざるをえなくなってくるでしょう。

もう一つが、ブロックチェーンによる強固な暗号技術の存在です。NFTをはじめとして、ゲームキャラクターやゲーム内アイテムを「唯一無二のもの」として価値をもたせるという試みが為されています。
すでにブロックチェーンを応用したゲームはいくつも発表されており、ゲーム内アイテムが投機的に取引される、という現象も起こっています。
海外で先行してこの流れが起こりましたが、日本のゲーム企業も参入しようとしています。

ゲームプロデューサーも、Web3.0の知識を身につけることでさらに高度な業務ができるようになっていくでしょう。

金融アドバイザー(ファイナンシャルアドバイザー)

個人に対しては資産運用の提案を行い、企業に対しては金融関連サービスなどを提案しています。
銀行や保険会社、証券会社などに所属し、資産運用のプロフェッショナルとしてアドバイスを行う仕事です。

暗号資産や仮想通貨など、ブロックチェーンによる技術が投機的に見られて久しい昨今。これらの技術について知らないままでは、的確な資産運用のアドバイスを提供するのは難しいでしょう。
またネット銀行などの場合であれば特に、セキュアな暗号通信に関する知識はもっておいて損はないはずです。

コミュニティマネージャー

Web3.0におけるコミュニティマネージャーとは、プロジェクトを成功に導くためにコミュニティの立ち上げから育成、活性化などを行う役目を担っています。

Web3.0では一人ひとりが自律性を持って活動し、コミュニティのメンバーと一緒に協力をしていくことが一つのテーマとされていますので、それを補助する重要な職種となっております。

リサーチャー

変化の激しいWeb3.0領域において情報収集も重要な役目です。

Web3.0領域においては国内よりも海外の方が何歩も先を進んでおり、それら最先端の情報収集を行い、自社に落とし込む作業を行います。

海外からの情報収集がメインのため、英語が読めることが必須条件になることも多いですが、未経験OKの求人も多く、Web3.0界隈に興味のある方は一番入りやすいポジションかもしれません。

Web3.0に関する注目企業

画像3

ここからは、Web3.0に関して注目されている企業をいくつかご紹介します。

加えて、どのような職種での求人募集があるのかも記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

企業一覧

Stake Technologies株式会社

日本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Networkの開発をはじめ、ブロックチェーンなどのIT技術の研究開発やプロダクト開発を行っている企業です。これらを通してWeb3.0の実現を目指しています。

株式会社Gaudiy

アニメやゲームなどのエンタメ領域で、斬新なビジネスモデルを展開しています。
現在はファンプラットフォーム『Gaudiy Fanlink』に注力しており、海外展開も視野に入れて活動している企業です。

株式会社フィナンシェ

NFT事業や、トークン発行型クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」を展開している企業です。
「FiNANCiE」はブロックチェーンを用いたサービスであり、スポーツチームやアーティストなどが発行・販売するトークンの購入を通して、彼らをサポートできるという内容になっています。

株式会社gumi

gumiは、これまでSNSやアプリの開発を手がけてきた企業です。
これまでの知見を活かし、VR/AR/MRなどのいわゆる「XR領域」やブロックチェーン領域にも新たに参入しています。

株式会社Minto

クリエイターと企業をつなぎマーケティング支援を行ったり、IPコンテンツのプロデュースを行ったりしている企業です。
Web3.0に関連しては、ブロックチェーンゲームをリリースしたり、メタバース上のキャラクター連携事業などを行ったりしています。

募集されているポジション

今後はより加速度的に、ブロックチェーンをはじめとした暗号資産やメタバース、NFTなどの分野が普及していくと考えられています。

現状、もっとも不足しているのはWeb3.0に対応したITエンジニアです。求人サイトでは、日々Web3.0に関連したエンジニア募集が増えています。

これらのエンジニアは人材不足であり、その募集はしばらく続いていくと考えられているのです。

Web3.0業界への転職を目指したい方はエイスリーまで!

エイスリーでは「エンタメテック特化人材紹介サービス」という、エンタメテック領域(エンターテインメントとWeb3.0などのテクノロジーを組み合わせた造語)に特化した
転職支援サービスを展開しております。

「エンタメテック特化人材紹介サービス」ではエンタメテック領域に特化したコンサルタントがあなたの経験やスキルをヒアリングした上で、最適な求人をご紹介いたします。

また、エイスリーはエンタメ業界を中心とした幅広い事業を展開しており、多くのエンタメテック大手・ベンチャー企業とのコネクションがございます。
豊富な企業の中から多数の求人を保有しています。

案件のご紹介は完全無料ですので、ぜひ一度エイスリーまでお気軽にご相談ください。