【ゲーム業界の転職事情】転職のポイントや面接で使える情報などご紹介

この記事の監修者

非公開: 荻原
非公開: 荻原キャリアアドバイザー

大学では、2Dアニメーションの他にMaya、3DMAX等3DCG技術、制作進行等を学修。
大学卒業後、大手映像制作会社にてプロデューサーとして企画、面接、キャスティング、予算管理からディレクションまで幅広い業務に携わる。

プロデューサーとしての経験を活かし、他とは違う一歩進んだ支援を実施いたします

【転職事情】中途でゲーム業界に転職することはできるのか?

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ゲーム業界は、エンタメジャンルのなかでも一定の地位と人気を築いている業界です。みなさんのなかにも、憧れている方や目指している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、そんなゲーム業界の就職・転職事情についてご紹介していきます。

職種は豊富で、同じ職種内にもさまざまな仕事がある

ゲーム制作は現在、コンシューマゲーム、オンラインゲーム、スマホゲーム問わず、プロジェクトの規模が肥大化しています。IT技術の進歩によって可能なことが増えていき、それに伴って複雑化してきたためです。

ゲームを1本制作しようとすると、多くの職種が関わることになります。しかも、職種内でも担っている業務が多岐に渡っています。

まずはゲーム業界にはどのような職種があり、それぞれどんな役割を担っているのか簡単に説明していきます。

プロデューサー

ゲーム業界で、ゲーム制作に関われるほぼ最上位の役職と言っていいでしょう。これ以上の職位になると、経営戦略やマネジメントを担うことになり、ゲーム制作に関われなくなるためです。

ゲーム制作に必要な人材・資材・資金の確保を行っており、ゲーム企画そのものについて責任をもっています。制作される作品において最大の決定権をもった役職です。

ディレクター

プロデューサーの指示を受け、ゲームの概要を固めたり、企画の骨子に肉付けしていく役割があります。シナリオ、システム・開発、グラフィック、サウンドなどを取りまとめ、関係各所との折衝を行います。

プランナー

ゲーム企画のなかでも、より細かい仕様や内部的な小さな企画を設計します。関係各所との折衝や取りまとめを行うこともあります。

プランナーはディレクターと業務内容が重なっていたり、同義と扱われたりすることもあります。企業によっては、職種名と業務内容がディレクターとプランナーで意味が入れ替わっていることもあります。

ディレクターとプランナーは、プロデューサーの下について似た仕事を行う、という認識で良いでしょう。

デザイナー

ゲームのイメージ起こしから実際に作品で使用するパーツ制作まで、さまざまな役割を担っています。

作品全体の世界観やイメージに関わるアートディレクターから、キャラクターや背景などのグラフィックを制作するグラフィックデザイナーまで階層が分かれています。グラフィックデザイナーのなかにも、キャラクターを任される人、背景を任される人、アイコンやパーツを任される人など、分業されています。

ただし、小規模な制作会社による小規模なゲームの場合、一人のデザイナーが複数のデザイン業務を兼任することもあります。

プログラマー

想定通りにゲームが動くよう、グラフィック、シナリオ、サウンドをシステムに組み込んでいく仕事です。こちらも分業が進んでおり、基本のシステムを開発するプログラマーもいれば、細かいセリフ一つ一つを実装していくプログラマーもいます。ゲームの機種やプラットフォームの仕様に詳しくなれば、ゲームの企画段階から関わり、技術的に可能なのか判断するような仕事を担う上位職種になることも可能です。

サウンド

ゲームのサウンドを制作するクリエイターです。デザインと同じく、全体の雰囲気を調整するサウンドディレクターから、テーマ曲を作曲する人、サウンドエフェクトを制作するような細かい仕事までさまざまです。

シナリオ

主にシナリオライターと呼ばれる仕事で、ゲームの世界観に関わる設定を考えたり、ストーリーを考えたりする仕事です。背景設定を考える人、ストーリーのプロットを考える人、キャラクターのセリフひとつやアイテムひとつの説明を書く人など、こちらもさまざまな階層が存在しています。

デバッガー

検証機を使い、ゲームのバグなどを探す仕事です。作業そのものは単純であることが多いため、自社内で大々的なデバッグチームを抱えている制作会社はそれほどありません。プログラマーやデバッグの統括を行う人が作業仕様をまとめ、あとは臨時のアルバイトが行ったり、外注に任せたりすることが多いです。

宣伝・広報

制作したゲームのプロモーション活動や、ゲーム会社やキャラクターを宣伝する仕事です。プレスリリースを行うのはもちろんのこと、オンラインゲームやスマホゲームなど、長く続くコンテンツではユーザーの興味を引くためのイベントを行ったりもしています。自社の公式SNSの更新やファンとの交流なども、この役職が担うことが多いです。

 

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ゲーム業界に転職するための3つのポイント

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①未経験から転職するなら、今あるスキルをどう活かすかアピールしよう

何も資格が必要ないデバッガーなどであれば、ゲーム業界未経験でも比較的採用されやすいです。20代前半であれば、もう一度ゼロからゲーム業界でスタートを切る、という気概で挑むことも悪くないかもしれません。

とはいえ、未経験では転職してすぐに、ゲーム企画の根幹に関わるような上位役職に就くのは難しいでしょう。

もしある程度の社会人経験があるなら、現職のスキルをアピールすることも考えてみてください。現職と関係する仕事内容であれば、同じような職種で採用される可能性もあるためです。デザイナー、プログラマー、広報、営業などであれば仕事内容が似ているため、業界経験ではなく職種の経験を評価してもらえます。

また、たとえ心機一転して既存の業界を捨ててゲーム業界でやり直す、と思い切ったのだとしても、これまで培ってきたビジネスマナーやビジネスコミュニケーションなどは活かせます。思わぬ経験や知識も活かせる場面があるでしょう。企画力、発想力、忍耐力、正確さ……何かしら、現職や前職で得てきたスキルをもとにアピールしてみてください。

②経験者は業界知識・実績と、転職先との関連性をアピールしよう

ゲーム業界を経験している方は、既存の実績を強くアピールしましょう。その際、「〇〇という作品に参加しました」「〇〇を作りました」というだけではなく、制作のなかで自分がどのように関わり、どのような役割を果たしたかや、困難をどう克服したか、という点を中心に話してみましょう。

どんな大作に関わっていたとしても、志望先の企業と無関係であればあまり評価は高くなりません。それよりも「培ってきた能力を発揮した結果として作品を世に出せた」という
自分のしたことを具体的に話しましょう。そうすることで、「過去に有名作品に関わった自分」ではなく「これから活躍できる自分」を評価してもらえます。

またゲーム業界だけではなく、エンタメ業界全般での経験は活かすことができます。ゲームもエンタメの一ジャンルであるため、企画成功のために必要な要素がほかのエンタメジャンルと似ていることが多いためです。

もし、あなたがエンタメ業界を経験しているなら「ゲーム業界を経験していないから未経験だ」と考えるのではなく、エンタメ業界の経験者として、何か共通するアピールポイントはないか、と探してみるのも良いでしょう。

③大手企業に転職できても、現場からスタートすることもあり、上位職にいきなり就くことは、経験者・未経験者問わず難しい傾向がある

日本には、世界でも活躍している大手ゲームメーカーが何社も存在しています。しかし、それらに就職することそのものが難しく、同企業の上位役職者でさえ、ともなれば経験者でも転職することは困難な傾向があります。

例えば、現職がゲームプロデューサーだったとしても、普通に応募するだけではディレクターか、場合によってはプランナーから採用されることもあります。未経験の場合は、しばらくはプランナーのアシスタントになったり、デザインやプログラムの場合でも、細かい現場作業からスタートしたりすることが多くなります。未経験であれば、中堅クラスの企業であってもそのような待遇であることもあります。

しかし、例えば中堅規模のゲームメーカーで大手企業と一緒に仕事する機会があって、その際にコネクションを作っておいたり、手腕を認められていればその限りではありません。また、元々フリーのデザイナーとして大手企業の仕事を受けていて、それが高く評価されたり、シナリオライターとして賞を受賞したりすることで名前が売れていれば、早くから重要なポジションで迎えられる可能性もあります。

もし、ゲーム業界の大手~中堅企業への転職に成功しても、現場作業からスタートすることもある、と意識しておきましょう。とはいえ、業界経験者でもなく、ゲーム系の専門学校を卒業しているわけでもないからといって、まったく門戸が開かれていないわけではありません。

 

【面接で使える】ゲーム業界に転職するために知っておくべき業界情報

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ゲーム業界へ転職する際、知っておくと便利な知識を、代表的なものに絞ってお伝えします。業界知識は、少ないより多いほうが面接では有利に働きます。ここでの内容は、ある程度は心にとめておきましょう。

ゲーム業界は、決して全体が景気がいいわけではない

スマートフォンゲーム、コンシューマゲーム、アーケードゲーム、ブラウザゲーム、オンラインゲームなど、ゲームジャンル内でもさまざまなライバルが、「ユーザーがゲームをする時間」を奪い合っています。

それだけでなく、通信技術が発達したことでエンタメジャンル全体が様変わりしています。ストリーミングでいつでも自由に視聴可能で見放題のドラマ・映画、待てば無料で読めるマンガプラットフォーム、基本無料で楽しめるスマホゲーム……豊富なコンテンツを消化するための「余暇時間」が足りないのです。

ゲームジャンル同士が争っているだけでなく、映像作品も音楽もマンガも、あらゆるエンタメジャンルが余暇時間を奪い合っています。

そのため、「自分が目指すゲームジャンルはなにか」「そのジャンルは、今後生き残れるか」を意識しておく必要があります。またそれだけでなく、「ゲームというエンタメジャンルは、エンタメ間の争いで生き残れるか」という点も考えておきましょう。

ハード性能が向上し、超大作は大手の特権に

据え置き機のゲームは美麗なグラフィックが売りのものが多いです。そしてその進化は止まらず、PS3の先にはPS4が、その先にはPS5が……と、性能は向上し続けています。それと同時に、開発にかかるコストも上がり続けてきました。

有名なオープンワールドゲームは、なかなか日本からは出てきにくくなっています。ゲーム性の違いを「与えられたクエストを消化する日本」「自由のなかに使命を見出す欧米」というような対比で語られることがありますが、かけられる開発コストも違いを生んでいる原因でしょう。

こうした開発に掛けられるコストの違いから、グラフィックの綺麗さや自由度が売りの超大作は大手企業のみに許された特権となりつつあります。

一方で、既存のキャラクターを使った作品やワンアイディアに尖らせたインディー系ゲームなどは日本も負けていません。特にキャラクターを使った作品は、一度人気を得ると長く息が続くコンテンツとなります。

自分はどんな作品に関わりたいのか、そしてそれが可能な企業はどこか、という点も考えておきましょう。

思わぬゲームチェンジャーが現れることもある

ビジネスにおいて、新たなトレンドを作ったり流れを変えたりする存在を「ゲームチェンジャー」と呼ぶことがあります。ゲーム業界にもたびたびゲームチェンジャーが現れており、それは日本から出現することも珍しくありません。

2020年8月に発表された、任天堂の4-6月期決算は業界を揺るがせました。前年に比べて、6.4倍もの利益を生み出していたためです。

巣ごもり需要が増えたことは当然ですが、それを支えるビッグタイトルが牽引した結果でした。また、新作が発表されるたびに、世界中のゲーム愛好家たちがお祭り騒ぎになるようなタイトルもあります。

ゲーム需要が下火になることもありますが、大きな変革が起こってそのたびにゲームの人気が盛り返しています。現在の日本のゲーム業界を取り巻く状況が明るくないとはいえ、悲観的になりすぎる必要はありません。

ゲーム業界に転職するなら知っておくべき「求められるスキル」

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ゲーム業界は、「遊びを作っている」という意味で、ほかの業界とは少し異なっています。求められるスキルや能力も少し異なっていることがあるため、特徴的な「求められるスキル」を示しておきます。

未経験なら「ゲーム好き」を超える「ゲームへの情熱」は必要

ゲーム業界未経験からゲーム業界へ飛び込むなら、「ただのゲーム好き」というだけでは難しいでしょう。現場の仕事はハードなことも多く、心が折れてしまいそうになることもあります。それを跳ねのけるような、ゲームに対する情熱が必要となります。

ゲーム業界への転職まで真剣に考えている方であれば、かなり情熱はもっているはずです。あとはそれを面接官伝えられるように言語化しましょう。

・好きなゲームを数作品
・それぞれについて、なぜそれが好きかの説明
・そのゲームに関連したエピソード(ゲーム内エピソードだけでなく、自分の実体験も)

面接で聞かれたときに、スラスラと話せるように上記を整理しておきましょう。それが志望先企業の求めるものにマッチしていれば、興味をもって聞いてくれるはずです。

ゲームに「仕事として」向き合える力も必要

ゲームへの情熱は大切ですが、企業はあくまで「ビジネスとして」ゲームを扱っています。
当然、一般的な社会人としてのビジネスマナーやビジネスコミュニケーションができる、ということは最低限必要です。

その上で、「ユーザーがどのような仕組みで楽しめるのか」といった考え方ができなくてはいけません。「提供される側の目線」でこれまでゲームを楽しんできたと思いますが、「提供する側の目線」をもつことが必要となります。

そのような、客観的に俯瞰するスキルは必要不可欠です。
経験者なら、コネクションやネットワークも活用しよう
意外とゲーム業界は狭く、あるメーカーでの有名プロデューサーが別の有名メーカーへ移籍した、というような話もしばしば耳にします。

そのため、「〇〇さんと仕事をしたことがある」「こんなチームで働いたことがある」という説明をすることは、面接官が該当の人を知っているなら、自分の評判を知ってもらえるチャンスでもあります。

ただし、面接などの場で、ことさら「かつて有名な〇〇さんと一緒の現場にいた」「ゲーム業界の有名人と知り合いである」と、ひけらかす必要はありません。面接官もゲーム業界の人間なので、関わっていたプロジェクトを聞けば、どんな人と一緒にやっていたのかがある程度は分かります。

また、志望企業やその周辺で働いている知人がいるなら、その企業の様子を調査しておくのもオススメです。実際に内部で働いた人しか分からない、生の声を聞くチャンスです。せっかく業界で築いたコネクションやネットワークがあるなら、存分に活用することを意識しましょう。

これらは、周囲との折衝ができることや、高いコミュニケーション能力をもっていることの裏付けとなってくれます。

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