音楽プロデューサーとは?仕事内容から求められるスキルまで詳しく解説
目次
音楽プロデューサーとは?どんな仕事?
音楽プロデューサーは、CD・配信の音源制作や、映画・アニメの音楽制作の総合責任者のことです。海外では、音楽プロデューサーはサウンド面のみをプロデュースしますが、日本においては、アーティストのコンセプト決定・マーケティング・プロモーション関連などの業務も行います。
デジタル技術の進歩や、音楽を必要とするコンテンツの増加に伴い、音楽プロデューサーの活躍する場は今後も少しずつ広がっていくでしょう。
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音楽プロデューサーの仕事内容
アーティストは、それぞれ独自の音楽性や世界観を持ちますが、それを大切にしながら魅力を最大限に引き出すのが、音楽プロデューサーの最も重要な仕事だと言えるでしょう。
売り出し方や方向性がアーティストの希望と異なる場合でも、積極的にコミュニケーションを図り、納得する形で音楽活動を行ってもらう必要があります。
また、アーティストに携わる関係者がとても多い中、その人たちをチームとしてまとめ上げ、一丸となってアーティストを成功に導くのも音楽プロデューサーの役割です。
音楽プロデューサーの仕事の流れ
音楽プロデューサーの具体的な仕事の流れをご紹介します。
①アーティストの発掘
音楽プロデューサーの仕事は、まず自分がプロデュースするアーティストを発掘することから始まります。
ライブでのスカウト、オーディション、デモテープの持ち込みなど、さまざまなアプローチがある中、まだ世の中に出ていない才能の原石を求めて、アーティストの資質や可能性を見極めます。
この時大切なのは、音楽の流行の変化も考慮に入れながら、売り出すアーティストを選ぶことだと言えるでしょう。
②コンセプトの決定
音楽プロデューサーと、レコード会社の担当ディレクターやA&R(レコード会社の職務の1つでアーティストと楽曲の発掘・育成・契約を行う)、アーティストが所属する芸能事務所のマネージャー、音楽出版社の担当者などの関係者が集まり、アーティストについての会議を行います。
この時、主に話し合われる内容は次の通りです。
・アーティストの総合的なイメージと知名度アップのための戦略
・演奏する楽曲の曲調やイメージ、外注する場合作詞・作曲をそれぞれ誰に依頼するか
・楽曲制作時編曲と演奏を誰に依頼するかとその人たちのスケジュール調整
・レコーディング時の作業工程と制作スケジュールについて
・スタジオをどこにするか
アーティスト本人の意向にも配慮しながら、コンセプトを決めていきます。
③作曲
コンセプト会議で決定した作詞家・作曲家に楽曲制作を依頼し、完成したら編曲家にアレンジをしてもらいます。アーティストが携わる場合は、念入りに打ち合わせやリハーサルを行いながらの楽曲制作となるでしょう。
④レコーディング
コンセプト会議で決定したスタジオで、レコーディングを行います。楽器部分、ボーカルの録音からミックスダウン、マスタリングの各工程に立ち合い、制作の指揮を担います。
⑤ジャケット・販促物の制作
アートディレクターやレコード会社のA&Rと連携してジャケットやフライヤー、ポスターなどのデザインを決定します。写真が必要な場合には、レコーディングと並行してスタジオやロケで撮影も行います。
⑥プロモーション
レコード会社のA&Rと連携して、ミュージックビデオをテレビで放映したり、ラジオ番組にアーティストを出演させたりすることで、リスナーに広く楽曲を耳にしてもらう機会を作ります。
その他雑誌、イベント出演、コンサートの企画なども行って楽曲を積極的にアピールしていきます。
⑦販売
ディストリビューター(仲介業者)を介してCDショップで完成したCDを販売したり、インターネットで楽曲を配信したりします。また売上や経費など、予算面の管理も行います。
音楽プロデューサーに求められるスキルについて
音楽プロデューサーに求められるスキルを3つご紹介します。
音楽センス
音楽プロデューサーに求められるスキルの1つ目は、音楽センスです。
最新の流行を踏まえた高い音楽センスを、最初から身につけるのは難しいことかもしれませんが、楽典やコード進行などの基礎力に加え、たくさんの音楽を耳にすることで、音色やリズムを繊細に聴き分けられる能力が備わるでしょう。
また、音楽業界での実務経験を積んだり、映画や絵画、陶芸など別分野の芸術に触れたりすることでも、音楽性は磨くことができます。
常に音楽について関心を持ち、謙虚に学ぶ姿勢が大切だと言えるでしょう。
コミュニケーション能力
音楽プロデューサーに求められるスキルの2つ目は、コミュニケーション能力です。
アーティストを発掘してから世の中に売り出すまでには、立場の異なるたくさんの職種の人に協力してもらわなければなりません。
アーティストを成功させるという同じ目標に向かって協働し合うためには、コミュニケーションを取って一人一人の意見を尊重し、大切にする必要があります。
アーティストとスタッフ全員の信頼関係を強固に作り、それを仕事に結びつけられるかどうかは、音楽プロデューサーのコミュニケーション能力にかかっているといえるでしょう。
リーダーシップ
音楽プロデューサーに求められるスキルの3つ目は、リーダーシップです。音楽プロデューサーは、アーティストを売り出す工程の全てに関わり、それを統括します。自ら企画を立て主体的に行動するだけではなく、自分の持つビジョンを周囲の人に的確に説明し、チームとして同じ方向性に進ませる必要があります。
自分の仕事だけではなくチーム全体の仕事に責任を持って取り組み、チームに迷いや行き詰まりが生じた時でも方向性を見失わず、アーティストの成功というゴールへと導くには、音楽プロデューサーの強いリーダーシップが不可欠だと言えるでしょう。
音楽プロデューサーへの転職に役立つ職務経験とは?
音楽プロデューサーへの転職に役立つ職務経験には、どのようなものがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
営業経験
音楽プロデューサーは職種の異なるたくさんの人と、適切なコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく必要があります。そのような高いコミュニケーション能力を身につけるためには、営業経験が役立つでしょう。
営業経験で身につけた高いコミュニケーション能力を、音楽プロデューサーという職種で発揮すれば、たくさんのスタッフが喜んで仕事に協力してくれるでしょう。
サウンドエンジニアの経験
サウンドエンジニアは、音楽制作においてレコーディング、ミキシング、マスタリングという3つの過程を経て、各パートの演奏のバランスを考えながら、録音機材を操作して、1つの楽曲としてまとめ上げる音響技術者です。
アーティストがイメージする音をいち早く察知して、最適な楽曲へと仕上げるスキルを持っているということです。
サウンドエンジニアの経験があれば、楽曲を制作する際、音でよりアーティストの意向を汲んだり、個性を際立たせたりすることができるでしょう。
楽曲をプロデュースするという点において、サウンドエンジニアの経験は大いに役立つといえます。
マーケティングの経験
音楽プロデューサーの仕事にはプロモーション・販促物制作・販売が含まれます。
そのためアーティストをどのように売るのかを考える際、マーケティングの職務経験がとても役に立つでしょう。
マーケティングの経験を持つ人は、世の中でどのようなものが売れているのか、またそれをどのような手法で売っているのかということにとても敏感です。
そのため、音楽プロデューサーとしても、楽曲制作時から売れる要素を含んだ楽曲を制作でき、プロモーション時も最新のマーケティング手法を難なく取り入れられるでしょう。
またプロモーションの効果をデータで分析し、戦略の改善につなげるといったことや、競合するアーティストとの差別化なども明確に行うことができます。
アーティストを売って成功させるためには、マーケティングの経験が大きく役に立つでしょう。
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