照明スタッフとは?仕事の流れから転職に有利になる資格まで詳しくご紹介
この記事の監修者
番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。
目次
照明スタッフとは?どんな仕事?
照明スタッフとは、コンサートのステージ、映画やテレビの撮影現場、結婚式やファッションショーなどのイベントで照明を用いた演出を行う職種のことです。
舞台監督やディレクターと打ち合わせをしながら、使用する機材や内容を考慮し、場の雰囲気を盛り上げ、出演者の魅力を引き出すライティングプランを作ります。
近年は、LEDを使用した照明や、映像と音声、照明を合わせた新しい演出方法など、技術の進歩が目覚ましいため、照明スタッフは、常に時代のニーズに合った技術を勉強していく姿勢が重要だと言えるでしょう。
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照明スタッフの仕事の流れ
照明スタッフの仕事の流れをご紹介します。
照明のプランニング
最初に照明のプランニングを行います。
コンサートやイベントなど、照明が必要な現場の舞台監督やディレクターとの打ち合わせで、照明を使用するタイミングや、演者に当てるタイミングのすり合わせをしていくのです。この時には、現場のコンセプト、演出、構成、使用する音楽、そして何よりも出演者が引き立つようなプランニングを意識する必要があります。
照明のプランニングは、効果的な照明を行う上で欠かせない作業だと言えるでしょう。
照明機材の搬入、セッティング
照明のプランニングを基に、使用する機材の選定を行います。
よく使用される照明機材を5つご紹介します。
①ホリゾントライト
舞台の背景など、広い面積の幕や壁を均一に照らすための照明機材です。
舞台の上部から吊り下げて下方に光を当てる「アッパーホリゾントライト」と、床置式で上方に光を当てる「ロアーホリゾントライト」の2種類があります。
②コロガシ
人物や舞台装置に下方から光を当てる床置き型の照明のことです。
③客電
観客席側の照明です。ステージの開始前、休憩中、開始後などに使用されます。
④ピンスポットライト
ピンポイントで出演者に当てるライトのことです。
ピンスポットライトの操作は、難易度が高く、熟練した技術を持つ照明スタッフでなければ務まりません。
その他にも、照明機材ではありませんが、DMXという照明器具を制御するために設計された通信プロトコルを使用した「調光卓」という機材で、ステージの照明を操作することもあります。
そして、セッティングは「仕込み」と呼ばれますが、これらの機材を必要な箇所に設置するだけではなく、光の芯が正確に当たるように微調整を行うのです。
照明の本番オペレーションと安全管理
本番では、調光卓を使って、照明のオペレーション(実際に照明機材を用いて光を放つこと)や、ピンスポットライトの操作をします。
例えば、場面転換や音楽に合わせるといった、演出との兼ね合いを見ながら照明の操作をする必要があるため、照明のオペレーションを適切に行うためには、その現場における演出を完全に理解しなければなりません。
また、機材をたくさん扱うことや多数のスタッフが現場に関わることから、安全管理にも配慮します。
照明機材撤去、現場撤収作業
現場で本番が終了したら、「バラし」と呼ばれる撤収作業を行います。
「バラし」とは、セッティングした照明機材を片づけて会場を元の状態に戻すことです。
照明のバラしは、吊った照明を下ろすのに広いスペースが必要となるため、音響や美術スタッフの撤収作業後に行うことが多いでしょう。
照明スタッフに求められるスキル
照明スタッフに求められるスキルを2つご紹介します。
照明技術
照明スタッフに求められるスキルの1つ目は、正確に照明機材を操作することのできる照明技術です。
例えばピンスポットライトを当てた出演者がアドリブで動いたとしても、それを追いかけてライトを違和感なく当て続けることができるといった、臨機応変な対応が求められるということです。
このような高い技術を身につけるためには、相応の経験が必要です。
コミュニケーション能力
照明スタッフに求められるスキルの2つ目は、コミュニケーション能力です。
照明スタッフは他の裏方や出演者とチームで仕事をしているため、立場の異なる人達の意見を柔軟に汲み上げて作業を行わなければなりません。
また、現場での演出の意図や出演者の考え方など、空気を読んで察知し、それを仕事に活かす高度なコミュニケーション能力が求められるでしょう。
照明スタッフへの転職事情
照明スタッフの活躍の場は多く、求人はコンサートホール、テレビ局、照明専門の制作会社など、様々な企業が出しています。
雇用形態は、未経験の場合には契約社員、派遣社員などの非正規雇用で仕事を始め、数年間の見習い期間を経て、正社員へと昇格するといったケースがあります。
専門的な職種ではありますが、学歴不問で必須の資格もないため、未経験でも比較的転職しやすいといえるでしょう。
また、イベントが多く開催される時期には、企業でアルバイトの照明スタッフを雇用する場合があります。求人情報をチェックしておき、短期でこのようなアルバイトを経験して、自分に適性があるかどうかを見極めるという方法もあります。
照明スタッフ経験者であれば、実績や能力が年収や待遇面で優遇される傾向にあるため、スキルをしっかりとアピールすることが望ましいと言えます。
照明スタッフへの転職に有利になる資格とは?
照明スタッフになるために必要な資格というのはありませんが、転職に有利になる資格を5つご紹介します。
照明コンサルタント
照明コンサルタントは一般社団法人照明学会が認定する、住宅・店舗・事務所などにおける照明計画・照明コンサルティングに必要な照明技術を学ぶことができる資格です。
LEDなどの新光源や、省エネ照明などについても勉強できるので、最新の照明についての基礎知識を身に着けたい人は、一般社団法人照明学会のホームページから問い合わせをしてみましょう。
照明士
照明士は一般社団法人照明学会が認定する、照明関連の業務に携わる人に必要な高度の専門知識を習得してもらうための資格です。
光学から照明関係の安全基準についてまで、幅広く学ぶことができるので、照明スタッフとしてスキルアップを狙う人はぜひ挑戦してみましょう。
照明技術者技能検定
照明技術者技能検定は1級と2級があり、公益社団法人日本照明家協会が認定するエンタメで欠かせない照明の知識や、技術を学ぶことができる資格です。
照明設計、調光操作、照明機材の保守・管理などについて実践的に勉強できます。
2級は実務経験1年以上、1級は2級を取得した後3年以上、または照明実務経験5年以上という受験資格が必要となる点に注意しましょう。
2tトラックを運転できる運転免許
照明機材の現場への搬出・搬入を行うのに、2tトラックを運転できる免許を取得しておくと便利です。
現行法では、準中型自動車免許以上が必要で、2007年6月1日以前に普通免許を取得した人については、自動的に中型(8t限定)免許証に切り替わるため問題なく2tトラックを運転できます。
普通自動車免許を持っているなら、追加で取得を考えるのもよいでしょう。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、経済産業省が定める国家資格で、電気工事を行う際に必要な資格です。屋内配線や照明、コンセントやエアコンの設置工事をすることが可能となるため、照明スタッフにとっては実務にすぐ役立つ資格と言えるでしょう。
試験は年2回実施され、一般社団法人電気技術者センターのホームページから申込をすることができます。
照明スタッフの将来性について
照明機材や映像技術は、日々進歩し続けているため、照明スタッフの活躍の場は少しずつ広がってきていると言えます。
単に照明を当てるというだけではなく、コンピュータを使用した照明のプログラミングやコントロールができるようになったため、より自由で多彩な光の演出が可能になったのです。
また、コンサートやイベント、テーマパークや店舗などで目にするプロジェクションマッピングの技術は、光と映像、音響の組み合わせで、立体的な表現が確立された最新技術の一例です。
このように表現方法が新しくなるほど、高い技術や最新技術を駆使できる照明スタッフへのニーズは高まっていきます。
またLED電球が開発され、節電意識が高まったことで環境に優しい照明演出も求められるようになってきました。
このような一見相反するニーズに対して、臨機応変に応えることのできる照明スタッフは仕事がなくなることがないでしょう。
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