知財管理とは?知的財産を管理する知財管理の仕事内容についてご紹介!
目次
知的財産とは?
知財管理についてお伝えする前に、まずは知的財産がどういったものなのかをお伝えします。様々な種類がありますので、知財の分類を見ていきましょう。
特許権
「特許」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思いますが、これも知的財産のひとつです。
主に自然法則に基づいた発明の中でも、高度なものに関する権利となります。発明に対して特許権を取得することで、指定の発明方法を競合他社に使わせず、有効期限である20年間は独占することが出来るのです。
例えばシャチハタの印鑑は、従来の内蔵インク型の印鑑と違って、キャップを取っても机や紙面を汚さない仕組みとなっており、印鑑の構造について特許を取得しています。
また、ファイナルファンタジーの「敵キャラが一定時間経過すると自動で攻撃してくる」というシステムも、特許を取得した実例です。
自然法則といわれると難しく感じられますが、特殊な状況・現象ではなく、必然的にそうなる事象という意味なので、「再現性のある発明」と考えてください。
商標権
商標とは、企業やサービス・商品に対する名前やロゴ・マークなどを指しています。つまり商標権とは、目印となる商標を独占できる権利です。
分かりやすい、あるいは独特の目印をつけることで、消費者に商品やサービス・会社の認識をしてもらいやすくなり、競合他社と差別化を図ることが出来ます。一目で会社やサービス・商品の認識が出来るというのは、マーケティング戦略として非常に有利だとされています。
例えば、スターバックスコーヒーの人魚のようなロゴや、フラペチーノという商品名は商標登録をされています。同一もしくは類似するロゴはもちろん、フラペチーノという名前を使うことも出来ません。
商標権は更新さえすれば永続的に取得出来るものなので、商標権を取得した会社が更新し続ける限り、ロゴや名前を独占することが出来ます。
著作権
著作権は名前の通り、著作物の権利を守るためのものです。漫画やアニメ・小説・音楽など、著作権を有するものは多岐に渡ります。
ジャンルとしては、文芸や美術・音楽、そして学術となっており、全て「表現を伴うもの」「創作的」である必要があるため、ただのデータや思想・法則だけでは著作権が発生しません。また、他の作品の模倣であったり、どこにでもあるような作品についても対象外となります。
著作権の特徴としては、何かに申請をするわけではなく、著作物が出来た瞬間から著作権が発生するということです。
実用新案権
実用新案権という言葉は、耳慣れないものだと思いますが、簡単にいうと「特許と比べて高度ではない発明」に関する権利です。そのため、特許と比べると申請手続きが簡単で、製品の構造や形状・組み合わせに対して独占が可能となります。
また、特許と違って有効期限が10年と短く、特許権の20年と比べて独占出来る期間が少なくなっているのが特徴です。
知財管理の仕事内容とは?
知財管理の仕事内容について見ていきましょう。細かな事務作業が多い仕事ですが、知財管理の主な役割をピックアップしてご紹介します。
知的財産の権利化と保護
前項でご紹介した知的財産のほとんどは、権利取得をするために申請が必要です。そのため、自社の知的財産について、権利化・保護するために手続きを行うのが知財管理の仕事です。
権利の種類によっては、非常に手続きが煩雑で、正確性も要求される仕事ですので、権利化の手続きについて熟知している必要があります。
知的財産の管理と運用
せっかく知的財産を権利化しても、うまく管理していかなければ会社の利益になりません。そのため、知財に関する法律と照らし合わせながら、適切な管理・運用が出来るよう、社内外の人間と折衝をしていきます。
知的財産権の侵害を防ぐ
知的財産権は、他者から商品・サービス・発明などを守り独占するためのものです。そのため、権利が侵害されないよう、またはこちらが侵害してしまわないように、権利の侵害を防ぐのも重要な役割となります。
知的財産権の侵害は、場合によっては訴訟に発展することもあるので、自社の権利を守りつつ、他社の権利侵害をして損失を被らないようにする必要があるのです。
知財管理の重要な3つのポイント
知財管理の仕事内容について説明しましたが、会社にとって知的財産を適切に権利化・運用することの重要性についても見ていきます。
自社の利益・競合優位性を保てる
知的財産というのは、苦労して開発・考案した製品やサービス、そして目印となるロゴや名前です。それを独占できれば、競合他社が真似できないという点で競合優位性を保つことが出来るのです。
類似するものが出回ってしまうと、それだけ希少価値が減ってしまいます。消費者にとっては選択肢が広がるため、自社を選んでもらえる確率が下がります。そうなれば自社の利益が下がるため、早期に権利化を行い、競合他社の参入を防ぐことが非常に重要です。
独自性・信頼性のPRに繋がる
例えば特許や実用新案権を取得できると、その発明を利用した商品が「高度な技術」や「今までになかったアイディア」を使われているという証明です。
そうなれば、自社商品の独自性や信頼性のPRとなり、消費者にとって魅力的な商品として打ち出すこともしやすくなります。
そして何より、「公的機関が認めた保証のある製品」という魅力は非常に大きいといえるでしょう。
自社ブランドを確立できる
商標権を取得していると、社名やサービス・商品名・ロゴの独占が可能です。同一のものだけでなく、似たようなものも使えなくなるため、商標を権利化し、うまくPRに取り入れることで、ブランドの確立が出来るのです。
これは、類似サービスや競合他社が多い業界では非常に重要で、一目見てその商品だと分かること、自社サービスだと分かることは、経営戦略・マーケティング戦略においてとても有利になります。
知財管理に就くために求められるスキル・資格とは?
会社にとって非常に重要な知財管理の仕事ですが、どのようなスキルが求められるのでしょうか?法律や製品に関する知識に加えて、下記のような資格があると転職で有利になりやすいです。
知的財産管理技能士
国家資格である知的財産管理技能士の資格は、名前の通り知財の管理に関する資格となります。1級から3級まであり、1級はそれぞれ特許専門・ブランド専門・コンテンツ専門で分かれているため、2級や3級と比べて、より深い専門性が必要です。
弁理士
弁理士も知的財産に関する国家資格です。弁理士になるためには、弁理士試験に合格する以外にも、弁護士資格を取得して実務研修を受けるという方法もあります。
また、特許庁で審判官や審査官として7年以上勤務を行い、実務研修を受けることでも弁理士になれますが、なかなか難しい条件であるため、弁理士試験の合格を目指すのが一般的です。
ビジネス著作権検定
漫画や小説・音楽などがデータ化され、ネットで流通するようなデジタル化の波に伴って、著作物のデータ改ざん・複製といったトラブルに関する検定です。
上記のようなトラブルが発生した際に、どのような対処法を取ればよいのかを学べるため、エンタメ系・クリエイティブ系の仕事で活躍できる知識を身につけることが出来ます。
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