テレビや映画に欠かせない映像カメラマンの仕事内容や求められるスキルを解説

この記事の監修者

志土地
志土地キャリアアドバイザー

番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。

映像カメラマンの仕事内容

画像1

テレビ番組や映画、CMなど……私たちが目にする「映像」は、ほとんどが映像撮影の専門職である映像カメラマンによって撮影されたものです。

普段から触れているはずの映像作品ですが、それを撮影しているカメラマンについてはあまり知られていないのではないでしょうか。

この記事では、そんな映像カメラマンについて、仕事内容から求められるスキル、実際の会社での活躍の仕方などをご紹介していきます。

テレビ番組や映画の撮影を担当する

映像カメラマンが担っている仕事の大部分は、文字通り「映像を撮影すること」です。
主にテレビ番組や映画、ショートフィルム、CM、PVやMVの撮影などを行っています。

「映像作品」と呼ばれることからも分かる通り、映像作品は「映像」がコンテンツの中心です。カメラマンが果たす役割の大きさは、想像に難くないでしょう。

撮影現場では、ディレクターや現場監督の指示に従いますが、同時に「どうやったらもっと良い画が撮れるか」を考え、提案することもあります。そして、自らの撮影スキルで提案内容の正しさを証明し、ディレクターや監督にも納得してもらえる、という興味深い仕事でもあります。

シーンに応じたアングルやショットを考える

制作打ち合わせでカット割りなどを確認する際、指示を理解するだけでなく、意図を満たせるようなアングルでの撮影を考え、提案することも仕事の一つです。

ディレクターや現場監督が指示した通りに撮影できる、という能力があるのは基本中の基本ですが、それだけでは業界内で活躍しつづけることは難しく、また撮影の楽しさを感じにくいかもしれません。

ディレクターや現場監督、演出・脚本は、制作現場のプロであったりストーリーのプロではあるのですが、「シナリオをどう魅せるか」「どうやって撮影するか」のプロは、映像カメラマンです。その場で撮影した画像を確認できるため、自分が行った提案を受け入れてもらいやすいという特徴もあります。

経験や知識をもとに、現状の環境でできる最適な撮影スタイルを提案できるようになれば、より一層、現場で重宝されるようになるでしょう。そうなってくれば、撮影そのものの楽しさも強く感じられるはずです。

撮影した映像の編集を担当することもある

そもそも撮影する際、編集意図をまったく考えずに撮影することはありません。ある程度は、編集を意識した撮影を行うのが普通です。

基本的には、映像カメラマンも映像編集者も専門職であるため、分業されることが一般的です。ですが場合によっては、撮影を担当したカメラマンが、自分が撮影してきた映像を編集することもあります。

小規模な撮影隊やプロジェクトで見られるケースで、撮影者であるカメラマンが撮影意図を、もっとも理解しているという事情も関係しています。

 

お問い合わせ

映像カメラマンに求められるスキル

画像2

ここまでで、映像カメラマンの働き方がわかったと思います。次は、どのようなスキルが求められるのかも見ていきましょう。

①撮影技術や機材の知識がある

映像カメラマンである以上、もっとも必要となるのは撮影の技術です。そして撮影行為そのものを支える機材などの知識も必要となります。

「上手」や「下手」といった舞台用語、パン、ズーム、ドリーといった撮影用語などを覚えていることは当然ながら、それらを駆使して指示を受けたり出したりできることや、実際に撮影技法を実行できる腕前をもっていることは、映像カメラマンの生命線とも言えます。

これらの技術は、基本的には専門学校や撮影に関する専攻で学ぶことが多くなります。また学生時代に学んでいなくても、番組制作会社やカメラマンを抱えている会社に入社し、働きながら先輩の元で技術を学んでいくことも可能です。

②撮影時の臨機応変な判断力がある

「シーンに応じたアングルやショットを考える」という項目でもお伝えしましたが、現場では臨機応変に対応しなければならない状況があります。

・光の具合や強風、騒音などで撮影に向かない状況だが、どうしても今日中に撮影しなければならない。
・なかなか演技にOKが出ないが、早めに撮影を切り上げなければならない。
・奇跡的な偶然で、美しい景色が現れた。
・思っていた画角よりも良い画角が見つかった。

悪いことも良いことも、現場では予期せぬことが起こります。
そして、スタッフ各々がそれらに対応するためにさまざまな思考を巡らせ、提案を行います。

演技に熱くなれば、アドリブを入れてくる役者さんもいるでしょう。その際、何もせずに打ち合わせ通りの画角を維持しつづけるよりは、アドリブの雰囲気を感じ取って追いかけ、アドリブ込みで撮影し切ってしまったほうが良い場合もあります。

常に現場ではさまざまな問題が起こっているため、臨機応変な対応力も必要不可欠なスキルの一つと言えるでしょう。

③映像の編集スキルを持っている

「撮影した映像の編集を担当することもある」という項目でもお伝えしましたが、編集スキルももっていたほうが良い能力の一つです。
編集もする可能性があるから、という理由だけでなく、編集意図を考えた撮影ができるから、という理由も関係しています。

エンタメ業界に興味があるなら、「撮れ高」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは、撮影された映像のなかで、どれだけ実際の番組などで使用できる映像が含まれているか、という分量の多寡を意味しています。
基本的に撮影中はディレクターが確認して判断しますが、カメラマン側も撮れ高を意識しながら撮影することもできます。その際に、どうしても編集的なスキルが必要となるのです。
実際に編集を行わずとも、編集目線をもった撮影ができるだけで、現場で信頼してもらえる割合が高くなってくるのです。

加えて、実際に編集もできるスキルがあれば、いざというときにも頼りにされる人になれるでしょう。

④グラフィックツールを扱うことができる

撮影のツールは進歩してきており、デジタルカメラなどでも写真撮影も動画撮影も同時に行えるものが出ています。
その際、映像カメラマンでありながら、宣材写真なども任される機会があります。自分が撮影したデータを切り出し、グラフィックツールを使用してレタッチなどの加工ができると仕事の幅が広がるかもしれません。

⑤他のスタッフとの円滑なコミュニケーションが取れる

撮影前は、制作打ち合わせでスタッフとコミュニケーションを取り、撮影中は現場で臨機応変に指示を出したり指示に従ったりします。
相手が撮影したいと思っている映像をイメージできるよう、想いを汲み取る必要があることもありますし、自分が思うように現場スタッフに動いてもらうために、伝わりやすく指示を出す必要もあります。
うまく相手の意図を汲み取れなかったり、自分の指示が伝わらなかったりすると、撮影時間が押してしまうばかりか、現場の雰囲気が悪くなりますし、最悪の場合は撮影漏れが発生してしまうかもしれません。

チームで一丸となって制作するためには、コミュニケーション能力が高いに越したことはありません。円滑なコミュニケーションのためには、前述した「撮影に関する用語」を理解・駆使する必要もあるでしょう。

 

映像カメラマンとして活躍できる会社

画像3

ここまでは、働き方や求められるスキルを見てきました。では実際に映像カメラマンとして働きたいと思ったとき、どのような会社が選択肢になるのでしょうか。
活躍できる会社の例を挙げたので、気になった方は確認していきましょう。

番組制作会社|専門卒や高卒も入社できる

もっとも就職しやすく、かつ活躍の場が多いのが、番組制作会社の専属カメラマンになることです。学歴が求められる機会は稀で、専門卒や高卒でもスキルとやる気さえあれば入社できます。

何よりも重要視されるのは、当然ながら撮影スキルですが、先輩たちの元で教えてもらい、働きながらスキルアップしていくことも可能です。

番組制作会社の場合は、決まったクライアントが存在することも多く、「この番組はこういう撮り方をする」「この番組はこういう画作りのクセがある」といった、現場特有のノウハウが蓄積されていることもあります。決められたルーチンで撮影に挑む機会が多いため、特定の番組に特化して活躍することが多くなるでしょう。

テレビ局|基本的には四大卒の学歴が求められる

もっとも就職しにくい代わりに、給与面がもっとも安定しているのがテレビ局のカメラマンです。
基本的には四年制大学卒業以上の学歴が求められ、多くの場合は撮影スキルや経験・センスだけでなく、技術的・体系的な撮影知識が求められます。
狭き門ではありますが、関わる番組は局制作の有名作品が多く、なおかつ番組制作会社やフリーランスに比べて50万円~100万円ほど年収が高くなる傾向があります。

企業に所属せずにフリーランスとして活躍する人も多い

組織に所属せず、フリーランスで活躍している映像カメラマンもいます。大抵は番組制作会社、またはテレビ局のカメラマンを経験したあと、独立してフリーになり、過去に関わりがあった制作陣を中心に仕事の依頼を受ける、という方式を取ります。
人気次第では大幅な年収アップも見込めますが、それよりも自分が撮りたい作品を撮ることや、関わりたい作品に関わることを重視した働き方も可能です。

また、フリーランスであればほかの働き方以上に、単純な撮影スキルで評価されやすくなります。ポートフォリオ等の過去作品が制作陣の目に留まれば、企業に所属した経験や過去の実績がなくても仕事を依頼される可能性もあるのです。

映像カメラマンに転職したいなら「エンタメ人」へ!

『エンタメ人』は、キャリアアドバイザーにはエンタメ業界経験者が多数在籍している、エンタメ特化・転職支援サービスです。
現状の相談をしたり、将来の展望を一緒に考えたり、選考へのアドバイスをもらったりといったキャリア関連の相談が無料で行えます。
映像カメラマンの仕事を見つけたいという転職志望者の方には、仕事の内容が具体的にイメージできるよう、また入社後にミスマッチを起こすことのないようサポートします。
映像業界で自分の能力を最大限に発揮したい方は、ぜひ『エンタメ人』までお気軽にご相談ください!