撮影ディレクターとは?カメラマンとの違いやなり方を、分かりやすく紹介!

映像作品の指揮官! 撮影ディレクターの仕事内容

映像作品の制作過程を指揮する

撮影ディレクターは、撮影される対象物に対し、より良い演出を行い、形にすることを仕事としています。画角に対してのサイズ感やカメラの動きなど、最終的な仕上がりをイメージしディレクションを行っています。

ディレクションは、実際の撮影現場だけ行われるものではなく、事前準備の段階からスタートしています。制作がスムーズに進むよう、制作スタッフの指揮を取るのもディレクターの仕事のひとつです。

撮影ディレクターが撮影や編集を直接行うこともある

撮影ディレクターはカメラマンとは異なるので、基本的に撮影を担当することはありません。カメラマンは、求められるアングルで作品を作っていく役割を担っているのに対し、撮影ディレクターは、映像のアングル作りと撮影チーム全体の責任者としての役割を担っているからです。しかし、人によってはディレクションと撮影、更には編集までを担当することもあります。

撮影と編集は密接に関係していることが多く、両者ともお互いの技術について理解を持っていることから、このような役割を担うことがあるのです。

撮影スタッフの選出・製作中の管理

ディレクターに得意なジャンルがあるように、カメラマンにもそれぞれ適任のプロが存在します。予算やスケジュールに制約がありますが、イメージする作品を制作出来そうなスタッフを見極め、選出するのもディレクターの仕事です。

撮影方法について内容を深めていくと、「このカットはプロに頼んだ方がいいのではないか?」などこだわるべき部分が見えてきます。撮影によっては、基本的なメインスタッフの他に、「特機部」と呼ばれるクレーンやパンサーといった撮影器具を操作する専門のプロに仕事を依頼することもあります。

 

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撮影ディレクターが指揮する映像制作の流れ

①依頼主からのヒアリング

撮影する対象物に対し、どのような効果を求めているのかを依頼主からヒアリングします。具体的に撮影の指示をされることもありますが、全てを言われた通りにするのではなく、どのように見せたらより魅力的に映るかを検討し、提案することを求められています。

場合によっては、制作を進めていく中で新たな要望が出てきたり、変更を求められることもありますが、その都度柔軟に対応しなければなりません。もちろん、撮影スケジュールを守ることも大切なので、どちらを優先すべきか見極めるためにも、代案を提案することも求められます。

②プロデューサーやスタッフとの打ち合わせ

大体の制作方針が決まった後は、スタッフと共に打合せを行い、イメージを共有させます。その際、撮影ディレクターは絵コンテと呼ばれる、そのカットの大まかなイメージ図を見せながら説明することが多いです。

絵コンテは、カメラマンがカメラのミリ数を決めたり、美術デザイナーがセットサイズの参考にしたりするため、ラフ画でありながら重要な役割を担っています。スタッフだけでなく、キャストやクライアントに演出をプレゼンする際にも利用するので、ある程度の画力も求められます。時には、ディレクターのイメージを絵に起こす専門のプロに、絵コンテを依頼することも有ります。

③撮影構成・シナリオ作成

撮影現場での工程の進め方も、演出に関わる重要なポイントです。

どのカットから撮影していくことが好ましいのかを、各部と相談しながら決めていきます。キャストには、時間の制限があることが多いため、キャスト優先で撮影を行い、その後に商品カットやインサート(中継画)を進めていくことがほとんどです。

ストーリー仕立ての撮影の場合、ディレクターの演出が最優先になるので、アングルや撮影時間よりも、キャストの気持ち作りを優先し、コンテ通りに撮影することもあります。撮影の主旨を汲み取り、その都度撮影の優先順位を決めて構成を組むことが大切です。

④映像の撮影

絵コンテを参考にしながらカメラマンがアングルを切り、撮影ディレクターが確認します。

広告の場合、商品やイメージモデルであるキャストの映り方が最も重要なので、撮影前日にアングルチェックを行うことが一般的です。

撮影当日はスケジュール通りにスムーズに進行を進めなければならないので、アングルチェック時に、ディレクターの判断力が求められます。

⑤撮影した映像の編集

撮影を終えて素材が揃った後、編集作業に入っていきます。編集担当とプロデューサーの2名で編集を進めることが一般的ですが、コンテ通りに編集されているか、撮影ディレクターが入って確認することもあります。

ディレクターは編集された作品に対し、演出ディレクターの意向を踏まえて、より魅力的になるよう意見を提案します。クライアントに完成したものを提出し、撮影ディレクターの仕事は終了になります。

撮影ディレクターに求められるスキル

撮影スキルや機材に関する専門知識

 

撮影にはあらゆる知識が必要になります。特に撮影ディレクターは、撮影チームの中心となり、指示していかなければならないので、様々な分野について勉強しなければなりません。

例えば、細かい動きが必要なカットの場合、カメラのコマ数をハイスピードにして撮影する必要があります。演出担当から提案されることもありますが、基本的には撮影ディレクターがカットの使いを考え、コマ数や撮影時間を決めています。

自分のイメージする映像を制作するために、専門外の分野に関する知識も求められる仕事です。

構成力や演出に関する知見

基本的には撮影の時点で、カット数が決定されています。

クライアントの要望を叶えるためには、どのような表情を狙っていけばいいのかを考え、演出構成を行います。

またカットとカットのつなぎ目をスムーズにするため、演技の始まりと終わりを指示するのも、撮影ディレクターの役割です。編集した際のことも想像しつつ、撮影時間の制限を視野に入れながら判断していく必要があります。

コミュニケーション能力

撮影ディレクターは、様々な部署の人と打合せを行いながら制作を進めるので、コミュニケーション能力が必ず必要になります。

カメラマンは、撮影ディレクターの求める画を制作するため、ディレクターの言葉ひとつひとつを大切にし、意識しながら打ち合わせをしています。時には無理難題を突き付けられることもありますが、時間とお金の許す限り叶えられるよう、様々な方法を最後まで模索し続けているのです。

自分のイメージを分かりやすく伝えるという点でも、コミュニケーション能力は必要ですが、スタッフのやる気をあげるためにも、ディレクターの人柄や信頼関係が重要です。

 

撮影ディレクターになるための方法

「CGエンジニア検定」を取得しておくと役立つことも

ディレクターを目指す場合「CGエンジニア検定」を取得しておくと、実際に活躍する際に、様々な方法を模索することが出来ます。

アニメだけでなく、最近では実写映像にも使用されることが多いCG技術。CGのクオリティが年々向上していることから、実際にセットを制作する必要がなくなってきたというのも、理由のひとつです。

CGを利用することで、作品の可能性をより広げていくことが出来るので、様々な技法について理解を深めることが、作品の可能性を広めるためにも大切です。

映像関連の専門学校で知識を身につけることもおすすめ

学歴や経験関係なく、誰にでも挑戦できるディレクターという職業ですが、プロとして映像制作に関わりたい場合は、やはり専門の学校で学ぶことがおすすめです。

現場での経験が何よりも重要ですが、専門学校に通うことで、映像制作についての基礎や、映像に関わる様々なソフトについて学ぶことが出来ます。事前に基礎が培われる事により、卒業後すぐ、即戦力としての活動も可能になります。

また、自主制作を経験することもおすすめです。チームでひとつのものを作り上げる苦労や、撮影にかかる時間、体力的な問題など、現場でしか学べない制作の大変さを実際に体験することにより、現場に出た際に、ギャップを感じることなく活動することが出来ます。

映像制作会社へ就職する

 

最近では、映像制作未経験の人でも、YouTubeやInstagramなどを利用して、気軽にクリエイターとして活躍できるようになりました。個人の活動を通して様々な人と知り合い、ディレクターとして活躍という道もひとつの方法ですが、映像制作会社に入社することが一般的です。

未経験の場合、入社してすぐディレクターとして活躍するわけではありません。アシスタントディレクター(AD)として現場の進め方を学び、下積み期間を経て、徐々に小さな仕事を任されるようになっていきます。

広告を中心にしているプロダクションもあれば、バラエティのみを扱っているプロダクションもあるため、どのようなジャンルで活躍したいかにより、プロダクションを選出する必要があります。

スキルがあれば独立して働くことも可能

プロダクションで経験を積んだ後、独立しフリーランスディレクターとして活躍する人も多くいます。

プロダクションに所属している場合、携わる映像ジャンルに偏りがあるので、より幅広い映像制作を求める人におすすめです。所属している間に、多くのプロデューサーと伝手を築いておくことにより、独立後も仕事の依頼がくるようになります。

ある程度実績が評価されていれば、個人でも十分に活躍が可能ですが、代表する作品がない場合は、プロダクションでの経験をまず優先することがおすすめです。

また、独立したことにより、作品ごとの収入になるので、人によっては年収がアップする可能性もあります。

 

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