【APとは?】仕事内容から転職状況まで詳しく解説
この記事の監修者
番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。
目次
APとは?どんな役割?
APとはアシスタントプロデューサーのことを指し、プロデューサーや番組制作全体を補佐する役割と位置付けられています。
番組を制作する前段階においては、プロデューサーが番組を企画立案し、編成部などの承認を得て制作をスタートさせるのが通常ですが、この制作をスタートする際に番組のスケジュール管理や予算管理、出演交渉などを行うのがAPの主な仕事です。
また番組制作スタッフは、プロデューサーを中心とした「制作」サイドと、ディレクターを中心とした「演出」サイドに分けられますが、この2つがスムーズな連携を取れるように繋ぐ役割も求められます。
APの働き方について
APとして働く場合、雇用形態は正社員、契約社員、派遣社員、アルバイトの4つに分類されます。
雇用形態でAPの仕事内容が大きく変わるといったことはありません。
正社員のAPは、テレビ局や制作会社に雇用され現場経験を積んだ後、プロデューサーへと昇格することが多いでしょう。
近年は現場の若返りを図るテレビ局の方針と実力主義で待遇が決まることから、20代でプロデューサーに昇格するといったことも珍しくなくなりました。
また契約社員、派遣社員、アルバイトのAPの場合、安定した雇用を求めるなら働きながら正社員を目指す必要があります。
給与や待遇はアルバイト、派遣社員、契約社員の順番で良くなりますが、正社員へのハードルの高さは同じなので、もし正社員を目指すならそれを意識して働くようにしましょう。
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APの仕事内容について
APの仕事の内容は多岐に渡りますが、番組制作の裏方であるスタッフ全員が、気持ち良く働くことができるようにサポートするのがミッションと言えるでしょう。
APの具体的な業務内容を3つに分けてご紹介します。
スケジュール調整
APは番組出演者のスケジュール調整、収録日やロケ日の設定、番組制作のスケジュール管理などを行います。
1つのミスが番組制作のスケジュール遅延を招く結果となることを意識して、慎重に行う必要があるでしょう。
サポート業務
取材先への交渉、撮影許可の申請、協力会社、技術スタッフ、撮影機材などの手配など番組制作をスムーズに行うためのサポートもAPの大切な仕事です。
現場全体を見渡して、困っているセクションがあれば積極的にフォローしていく姿勢が望ましいと言えるでしょう。
予算、金銭管理
番組制作をする上での予算を管理する仕事です。
プロデューサーが決めた予算に基づいて実際の配分や金銭の管理を行います。
APの仕事に向いている人とは?
APの業務内容を踏まえて考えると、APの仕事に向いているのは、臨機応変な対応能力と金銭管理能力に長けた人だと言えるでしょう。
番組制作の中では計画通りに物事が進まず、その場で決断して行動しなければならないことはたくさんあります。
また、番組の制作予算を適切に配分し継続的に管理できなければ、すぐにプロデューサーが決めた予算範囲をオーバーしてしまうでしょう。
これらのことに都度適切に対応できる人は、APの仕事に向いていると言えます。
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APとADの違いとは?
APとADはよく混同されますが、APはアシスタントプロデューサーでプロデューサーの補佐、ADはアシスタントディレクターでディレクターの補佐が仕事です。
また見方を変えれば番組制作においてAPは制作サイドと演出サイドの橋渡し役ですが、ADはディレクターの行う演出を手足となって支える役とも言えます。
APとADの具体的な違いを2つご紹介します。
マネジメント業務の有無
APは制作スタッフへの指示や管理を行いますが、ADはディレクターの指示を受けて仕事を行うことが多いでしょう。
そのため、APの業務にはマネジメントが含まれますが、ADの業務には含まれていません。
休日・勤務時間の調整が可能かどうか
APは比較的、自分の休日や勤務時間を自分で調整しながら働くことが可能です。
しかしADの勤務時間は24時間体制とも言われ、ディレクターの指示があれば休日も返上で働く覚悟が必要でしょう。
APに求められるスキルについて
APに求められるスキルを2つご紹介します。
マネジメントスキル
APに求められるスキルの1つ目はマネジメントスキルです。
APは番組制作全体の流れを見て、どのようにスケジュールや予算の管理を行えば番組制作がスムーズに進むのかを常に考える必要があります。
忙しい時でも、番組制作を円滑に行うための冷静な判断が求められるということです。
コミュニケーションスキル
APに求められるスキルの2つ目はコミュニケーションスキルです。
番組制作にはプロデューサー、ディレクター、AD、技術スタッフ、出演者など立場の異なるたくさんの人たちが関わります。
APはこのような番組制作に関わる全ての人に確認・連絡・相談・交渉などを行う必要があるため、その中で意見を調整したり、フォローを行ったりといった細やかなコミュニケーションができるかどうかが問われるのです。
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APの年収について
2019年に厚生労働省が発表した「主な産業、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差」によると「生活関連サービス業、娯楽業」の35才~39才男性における平均年収は316万円、35才~39才女性における平均年収は238万円です。
テレビ局と制作会社ではテレビ局が、アルバイト、派遣社員、契約社員よりは正社員の方が年収や待遇が良いと言えます。
また年収をさらに上乗せしたい場合は、正社員でプロデューサーに昇格するというのが早道でしょう。
参考:「主な産業、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差」
テレビ局員が高給な理由と今後の見通しについて
テレビ局員というと広告収入の大きさや社員1人当たりの売上が大きいことから高給取りの代名詞のように言われていましたが、昨今の広告費収入の減少に伴い番組制作費だけではなく、少しずつ人件費も削減されてきているというのが現状です。
従業員の平均年収が1000万円を超えているテレビ局は確かに多いものの、ボーナスや残業代をカットする流れはあまり変わらないでしょう。
APへの転職は、このような見通しも含めて検討する必要があるのを覚えておく必要があります。
AP志望者に女性が多い理由
APは他のテレビ制作関連の仕事と比較すると顕著に女性が多い職種ですが、これはなぜなのか考えてみました。
転勤や配置転換の可能性が低い
企業が転勤や配置転換を行う理由は人材育成と人員調整ですが、女性が結婚して子供を出産した場合、転居を伴う転勤や配置転換は、子供の教育上あまり良くないと考える方も多いでしょう。
その点APは転勤や配置転換の可能性が低く、スキルアップしながらずっと同じポジションで働くことが可能なため、子育てと両立しやすい職種だと言えます。
休日・勤務時間の調整が可能
女性は結婚・出産などのライフステージの変化とともにワークライフバランスを再考する必要があります。
そのため、休日・勤務時間の調整がある程度可能なAPは、女性にとってプライベートの変化に対応しやすい職種と言えるでしょう。
プロデューサーに比べると責任が重すぎない
女性の中には、プロデューサーとなって番組制作についての責任を商業的にもコンプライアンス上も負うというのは重すぎると感じる人もいます。
また番組企画・演出力に加え、強い精神力と体力が必要とされるディレクターは向かないと思う方もいるでしょう。
その点APは女性ならではの気配りや調整力を仕事の中で活かしやすく、さらに責任もプロデューサーと比較すると限定的なため、女性にとって働きやすい職種と言えるのです。
APへの転職事情
転職者がAPになる方法を3つご紹介します。
新卒や未経験でAPになる
番組の制作現場は、常に人材不足と言われています。
そのため、新卒者や未経験の転職者もいきなりAPの仕事を任せられる事例があるのです。
例えば、急に経験豊富なAPが仕事を辞めてしまったタイミングで新しく採用された人などは、未経験でもAPの仕事をお願いされる場合があるということです。
ADとして経験を積んでからAPに昇格する
転職者がAPを目指すなら、この方法が一般的と言えます。
まず番組制作現場でADとしてさまざまな経験を積み、番組制作の流れやノウハウを一通り理解できたところでAPに昇格するという道です。
しっかりと仕事の内容を把握してからステップアップしてAPになるため、転職者の方でも昇格した後はスムーズに業務を行うことができるようになっているでしょう。
制作デスクから昇格する
制作デスクはテレビ局の内勤の仕事で、主に経費の管理や電話対応などを行っています。
経費精算、事務、庶務などの経験をAPの仕事でも活かせるため、番組制作の現場に入っても比較的円滑に業務が遂行できるでしょう。
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