音響の仕事とは?年収やキャリアパスまで徹底解説

この記事の監修者

非公開: 荻原
非公開: 荻原キャリアアドバイザー

大学では、2Dアニメーションの他にMaya、3DMAX等3DCG技術、制作進行等を学修。
大学卒業後、大手映像制作会社にてプロデューサーとして企画、面接、キャスティング、予算管理からディレクションまで幅広い業務に携わる。

プロデューサーとしての経験を活かし、他とは違う一歩進んだ支援を実施いたします

音響スタッフってどんな仕事?

マイクをはじめとする音響全般をサポートする仕事

音響スタッフは、ライブやコンサート、演劇をはじめとする舞台全般で使用するマイク決めから設置場所、収録時のバランスなど全ての音響効果を一手に担い、技術的なサポートをする仕事です。

音楽を作曲したり演奏したりする演者ではなく、演者が使用するマイクをはじめとする音響設備全般の知識に長けた音に関するプロフェッショナルとして効果的に音を客席に届ける技術職のため、客観的な音楽センスだけでなく工学知識が求められます。

PAやミキサーなどさまざまな呼び方がある

ミュージシャンのライブなではよく「PAさん」と呼ばれることの多い音響スタッフ。

実はその呼び方はさまざまで、担当する現場によって「PA」以外に「サウンドエンジニア」や「音声さん」、「ミキサー」などと呼ばれることがありますが、基本的には全て同じ職業を指しています。

 

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仕事をするのは音楽の現場だけではない

①コンサート会場やライブハウス

音響スタッフの代表的な職場といえば、ミュージシャンが活躍するコンサート会場やライブハウスが思いつくのではないでしょうか。

自身が演者となってステージに立った経験だけでなく、アルバイトなどでライブの運営に携わったことがある人なら、音響スタッフとして立ち回る現場の雰囲気やスピード感が体感できていることから自然と理解できるため有利です。

コンサート会場は規模が大きいことから、そこで開催されるステージの予算や人員だけでなく動員する観客数が多くなります。

そのためミスは許されず、現場の空気感は非常にピリピリしているので緊張感は相当なものです。

ステージセットから観客席の設営、音響席や設備を毎回設置するなど、臨機応変な対応が必要になります。

対してライブハウスは、大掛かりなセットを組むこともなく、音響席も観客席の設営ももともと揃っているため安定した知識が求められます。

またプロ・アマ問わずさまざまなミュージシャンが出演する上、ミュージシャンとの距離感も近いことから自然と親交が深まることも特徴です。

こうした会場に出入りしていたり、演者としてステージに立った経験がある場合は、音響に対する興味の持ち方や視点が変わってくることでしょう。

②CD制作やレコーディング

ミュージシャンのCDをレコーディングする際にも音響スタッフは必要不可欠です。

収録した音を制御するミキサーとマイクを巧みに操りながら、最高の状態で音を収録していきます。

ミュージシャンの技術と同じくらい音響スタッフの技術も重要で、音響のクオリティが低ければいくら世界的なミュージシャンが演奏したとしても作品のクオリティが落ちてしまうほど重要なポジションです。

③舞台や結婚式場

演劇や講演会などの舞台をはじめ、結婚式場や宴会場といった会場を使った幅広いステージでも、マイクを使用する限りは音響スタッフの活躍の場所になります。

④お祭りやヒーローショーなどのイベント

最近活発になっている地域の町おこし的な住民参加型イベントなども、音響スタッフが活躍しています。

大型ショッピングモールや広場、公園、神社などで開催されるお祭りやヒーローショーなど、地域密着型の仕事です。

⑤TVや映像制作

意外かもしれませんが、TVや映画といった映像作品にも音響スタッフが関わっています。

生ではないにせよ、収録した音声や映像を編集してひとつの作品とするため、そこで拾う音の調整は音響スタッフが担っているからです。

撮影があれば現場入りしてマイクの調整などを手がけており、近年主流となりつつあるネット配信をはじめとした映像コンテンツの急増に伴って活躍の場は多くなってきました。

音響スタッフになるには

音響系の大学や専門学校を卒業する

音についてだけでなく、音響設備や音響機器についての知識を学べる大学や専門学校を卒業して制作会社へと就職するケースです。

体感でなんとなく身につけた知識ではなく、しっかり学業として専門知識を会得するという意味で、とても有効な手段といえます。

ライブハウスなどのアルバイトで経験を積む

よく行く馴染みのライブハウスなどにアルバイトとして勤務し、徐々に音響スタッフとしての実務経験を積んでいく方法があります。

この場合、そのライブハウスの音響として活躍するとともに、出演して担当したミュージシャンに気に入られることがあればツアーなどで一緒に付いて回るように指名される可能性もあり、多様な経験が詰めることも魅力です。

音響スタッフの年収や勤務時間は

年収は所属組織や仕事量によってさまざま

音響スタッフの平均年収は、だいたい400万円〜600万円と言われていますが、経験や実績によって大きく異なります。

有名ミュージシャンや舞台役者を担当することになればその年収は飛躍的に上がるため、そうした未来を目指してしっかりと音響の知識を身につけて実績を積んで行くことがおすすめです。

イベントや依頼内容によって勤務時間が不規則になりがち

ライブや舞台の場合、本番前や前日に本番さながらのリハーサルを実施し、本番終了後は撤収からミーティング、打ち上げなどで長時間拘束されることが一般的です。

これが連日公演する場合は、数日間つきっきりとなり、こうした勤務形態から不規則できついと言われることに繋がっています。

音響スタッフに求められるスキル

ライブに馴染みがあるだけでなく耳がいいことも重要

音響スタッフ一番の仕事は「音を拾い、届ける(録音する)こと」です。

そのためにまずは自分自身が「いい音」を理解していないと話になりません。

その理想に近づけるためにどうしたら良いのかを考え、そのための策を絞り尽くして対策を練っていくのです。

そのためにまず、しっかり耳を鍛えることが大切になります。

配線や音の構造の知識は必須

いくら耳がよくても配線やマイクをはじめとした機材の扱いが理解できていないと、理想の音に近づけることはできません。

音響スタッフは音を電気信号に変換して、それを届けることが仕事です。

配線、マイクの位置、角度、観客の立ち位置や服装、湿度、気温などがひとつ変わるだけで、厳密には音が変化します。

こうしたさまざまな要因に対処すべく、機材の扱い方や特性を理解し、音がどのように届くのか、響くのかといった全体構造に対する知識は必要不可欠なのです。

こうしたそれぞれの性質や役割が理解し、的確な対応が取れるようになることで信頼を勝ち得て行くことができるでしょう。

音響スタッフとして働くメリット

さまざまな音楽に触れられる

おそらく、音響スタッフを目指した人の中で、「音響が好き」に次いで多い理由がこれではないでしょうか。

もともと自分がバンドをやっていた人や、間近で音楽に触れられるライブやコンサートが好きだった人は純粋に音楽が好きな人ですから、そういった人にしたら常に音楽に最短距離で触れ続けることができる音響スタッフは天職ともいえる仕事です。

アーティストやバンドとの関係が作れる

ライブハウスのように専属で音響スタッフをしていると、さまざまなミュージシャンがツアーなどで回ってきます。

その中で、大好きなミュージシャンが回ってきて担当することになれば、その喜びは一入でしょう。

憧れていた人と、もっとも重要な音の部分で一緒に仕事ができるチャンスは、一般職ではなかなか得難い経験です。

もちろん、そこで意気投合すれば打ち上げなどでさらに親交を深めることもでき、さらに他の現場でも一緒できる可能性が出てきます。

フリーランスとしても十分やっていける

有名ミュージシャンが開催するような大規模コンサートは別として、地域のイベントやライブなどの現場でフリーランスの音響スタッフが担当していることが少なくありません。

その場合、「1現場いくら」という単位で報酬が支払われているため、地元の音響会社やイベント会社と懇意にしていれば、フリーでも仕事に困ることはないかもしれません。

そのための人脈作りはとても大切になります。

 

音響の仕事のキャリアパスは?

①有名ミュージシャンや舞台役者の専属スタッフになる

先ほども少し触れましたが、一緒に仕事をしたミュージシャンの専属音響スタッフになるケースです。

そのミュージシャンが活発にライブ活動を全国で展開しており、さらにメジャーレーベルと契約しているような有名ミュージシャンだった場合は、活躍の場所がさらに広がります。

②音響スタッフから開発者になる

音響の仕組みを突き詰めていくと、理想の音を求めすぎるあまりに既存の機材では満足できず、理想とする音を完璧に再現できる機材を制作する人もいます。

そのまま音響機材を扱うメーカーに転職するだけでなく、自ら会社を起こして好きな音を追求する人もたくさんいるのです。

こうして生み出された多種多様な音響機材が徐々に浸透して、今や汎用として使用されているケースも少なくありません。

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