【ラジオ業界への転職ガイド決定版】業界知識から転職のコツまで解説

この記事の監修者

非公開: 荻原
非公開: 荻原キャリアアドバイザー

大学では、2Dアニメーションの他にMaya、3DMAX等3DCG技術、制作進行等を学修。
大学卒業後、大手映像制作会社にてプロデューサーとして企画、面接、キャスティング、予算管理からディレクションまで幅広い業務に携わる。

プロデューサーとしての経験を活かし、他とは違う一歩進んだ支援を実施いたします

ラジオ業界とは?

ラジオ業界とはリスナー(聴取者)に向けて耳で聴いて楽しむことのできるコンテンツを配信している業界のことを言います。

総務省が2018年に発表した「情報通信白書」によるとラジオ放送局(民間放送事業者)は全国に400件程度存在することがわかりました。

ラジオの放送局にはキー局と地方(ローカル)局があります。

キー局の役割は自局でラジオ番組を制作しネットワーク系列を通じて全国各エリアの地方(ローカル)局に販売することと、スポンサーの広告料を分配することです。

また地方局は、キー局から供給されたラジオ番組を、エリア内で放送する役割も担っています。

ラジオ局の収益は、CM枠を広告主に買ってもらうのが基本となります。

しかし2019年に電通が発表した「2019年 日本の広告費」によると2019年のラジオ広告費は1,260億円で、前年比98.6%と減少傾向にあることがわかっています。

そのため放送外収入の強化が急務となっており、グッズ販売や通販事業、イベント開催などの収益確保に力を注いでいるのです。

参考:総務省 平成30年度版「情報通信白書」

電通 「2019年 日本の広告費」

ラジオ局内の部署とその役割について

ラジオ局内には、担当する仕事に応じて大まかに2種類の部署があります。

1つ目はラジオ番組に関わる部署で、番組の編成を行う編成部、番組情報をリスナーに発信する広報部、ニュースを担当する報道部、番組を制作する制作部やスポーツ部、電波を発信し中継車などを出す技術部などです。

2つ目はラジオ局の収益を生み出す部署で、広告主にCM枠を販売する営業部、番組HPやデジタル配信を行うデジタルコンテンツ部、番組にかかわるイベントの企画・運営を行うイベント部などがあります。

それぞれの部署の役割をご紹介します。

編成部

ラジオ局の中核とも言える部署で、ラジオ放送をたくさんのリスナーに聴いてもらうためにはどうすればよいかを考えながら、オンエアする番組のタイムテーブルや番組表を作成するのが主たる業務です。

ラジオは時間帯によってリスナーの属性が異なるため、リスナーのニーズに合った番組を放送する必要があります。

聴収率やスポンサーの意向も汲みながらプロデューサー、ディレクターなどと連携して番組作りを進め、報道部や営業部とも関わりながらラジオ局全体をまとめあげる役割も果たしているのです。

広報部

ラジオ局でオンエアされる番組の情報を広くリスナーに向けて発信・告知するのを目的とした部署です。

番組のプロモーションの仕掛け役として、マスコミなどのメディアでどのくらい番組の情報を取り上げてもらえるかが仕事の成果となります。

報道部

主にニュース番組、報道番組を制作する部署で、自局の取材網や通信社から大量の情報が集まります。

ラジオ局の場合は自局の取材力だけでは限界があるため、系列のテレビ局や新聞社、もしくは通信社からのニュース配信に頼ることも多いのです。

FMラジオ局の場合は局の規模や体制の都合から報道部が存在しないこともあるのを覚えておきましょう。

制作部・スポーツ部

制作部はラジオ局でオンエアされる番組を制作する部署で、ラジオ業界への転職を希望する方にとっては人気が高い部署と言えるでしょう。

何度も会議を重ね、リスナーに喜ばれ、且つ聴収率を獲得できる番組とは何かを考えて制作につなげていきます。

スポーツ部は幅広い分野のアスリートの方々に取材を行って番組を制作したり、スポーツ中継を行ったりしています。

転職者にとっては狭き門と言える部署の1つです。

技術部

ラジオ番組の放送を技術面から支える仕事です。

入社後に陸上無線技術士の国家資格を取得して、番組とCMが問題なく放送されているかを主調整室から監視したり、音声ミキシングや回線管理のチェックをしたりしています。

「リスナーと番組を作るスタッフの間に空気のように存在する」仕事だと言えるでしょう。

営業部

ラジオのCM枠を売って収入を得るのが主な仕事です。

外勤営業チームと内勤営業チームの2つに分かれており、外勤営業チームはスポンサーや広告会社に、直接CM枠や番組の企画などを販売します。

また内勤営業チームは社内の制作部や編成部との調整、外勤営業チームのサポートを行うのです。

スポンサーが売りたい商品やサービスを広めるためにCMだけでなくイベントの企画をしたり、CMの原稿を書いたりと、意外と幅広い業務を行っているのが特徴的と言えるでしょう。

転職者にとって営業部は比較的門戸が広い部署です。

制作部への転職がかなわなかった場合、営業部で経験を積み、キャリアアップで制作部への道を目指す方法もあります。

デジタルコンテンツ部

従来からあるラジオ局のビジネスモデルにとらわれず、スマホでラジオ番組が聴けるように配信を行ったり、オンデマンドでリスナーが聴きたい時にラジオを聴くことのできるサービスを提供したりしています。

ラジオ局の未来を作る新しい仕事として、注目を集めている部署です。

イベント部

ラジオ番組を媒体としてコンサートやお笑いのステージ、映画の試写会などのイベントを企画し開催するのが仕事です。

たくさんの人とかかわる仕事なので、未経験でもコミュニケーション能力に長けている人は採用されやすいでしょう。

 

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ラジオ業界の現状と課題

転職にあたって気になるのが、ラジオ業界の現状や課題ではないでしょうか。

ラジオ広告費は電通が2019年に行った「日本の広告費」の調査結果によると1,260億円で、ピークだった1991年の2,406億円のおよそ半分程度にまで落ち込んでいます。

また2019年3月27日に行われた総務省の有識者会議の席上で、業界団体である民放連(日本民間放送連盟)がラジオの将来に関する要望の1つとしてFM補完中継局制度の見直しを求めました。

この内容はAM波を止めてFM波に転換したいというラジオ業界の意向を表したものです。

AM波の送信設備は、広い敷地に高さ100m規模のアンテナが必要となるなど、大規模でコストがかかると言われています。

また老朽化への対応も、AM放送を継続したまま同じ場所で建て替えや設備の更新をするのは難しいのです。

このためラジオ業界全体としてAM波を止めてFM波に転換したいという要望を行ったと言えるでしょう。

地上基幹放送局は、AM波でもFM波でも免許が必要で、その免許の有効期間は原則5年となっています。

そのため現行の免許が満了する2023年10月31日のタイミングでAM波からFM波への転換や両波の併用、AMの停波などが行われるのではないかと予想されているのです。

ラジオ広告費が減少し続ける中、ラジオ業界は更なるコスト削減と新しいビジネスモデルへの転換を求められている過渡期にあると言えるのではないでしょうか。

電通 「2019年 日本の広告費」

ラジオ業界の今後と将来性

前項を読んだ方の中にはラジオ業界の現状を考えると課題も多く、今後にあまり期待できないと感じた方もいらっしゃるでしょう。

しかしラジオ業界に転職するにあたって明るい見通しもあるので2つご紹介します。

①ラジオが災害時に有用な放送媒体として期待されていること

1つめはラジオが災害時に有用な放送媒体として期待されているということです。

総務省が2016年に発表した「ラジオ放送事業者の経営概況とラジオにおける新しい動き」によると東日本大震災の際、地震発生後に最初に利用したメディアはラジオだったと回答した人が51%もいたとわかりました。

2位のテレビが21%、3位のワンセグが19%とラジオが大きく結果を引き離したのは、災害時でも安定した受信が可能な上、停電しても乾電池などを利用して長時間受信できるという特性があるからです。

ラジオ局では東日本大震災の際すぐに特別編成番組へと移行し、長時間にわたり被災情報、安否情報、生活情報などの必要とされる情報を提供し続けました。

この実績からラジオ局は災害対策としての送信ネットワークの強化や、中継局の更なる整備が求められているのです。

②新しいリスナーの獲得に期待が持てること

2つめはradikoとスマートスピーカーの普及による新しいリスナーの獲得です。

radikoは、2010年にスマホアプリやPCでいつでもどこでもラジオを聴ける媒体としてサービスが開始されました。

2018年に700万人だったユニークユーザー数は2020年3月には880万人にまで増加し、日本全国でエリア制限なくラジオを聴くことのできる月額350円の「radiko プレミアム会員」も2016年8月時点で約30万人だったのが、2020年3月には約70万人に増加したのです。

お金を支払ってもラジオを聴きたいリスナーが、たくさんいるのがわかります。

そして今後は話しかけるだけでラジオを聴くことのできるAmazonの「アレクサ」やGoogleの「Google Home」といったスマートスピーカーの普及も、ラジオにとって追い風になり、広告市場も拡大するのではないかと期待されているのです。

ラジオ広告費が下げ止まった現在、上向きに転じる明るい要因が少しずつ増えていけば、ラジオ業界が再び活性化する日も来るのではないでしょうか。

参考:総務省 ラジオ放送事業者の経営概況とラジオにおける新しい動き

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