音楽業界の憧れ!A&Rの仕事が必要とされる理由とキャリアステップを解説

アーティストのプロモーションに携わるA&Rとは?

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アーティストが音楽作品を制作し販売するなかで、A&Rは重要な役割を担います。
アーティストの発掘段階から登場し、「作品の制作」にも「作品の販促」であるプロモーションにも関わっています。
A&Rは作品の出来だけでなくアーティストやレーベルの発展にも影響を与える重要な職種です。まずはその業務内容について理解していきましょう。

A&RはArtists and Repertoireの略

A&Rとは、Artists and Repertoire(アーティスト・アンド・レパートリー)の略称です。

主にレコード会社に所属し、自社の(またはレーベルの)所属アーティストに対して育成・楽曲提供・宣伝戦略の管理などを行います。そのほか、新人アーティストの発掘に関わることもあります。

アーティストと打ち合せをしたり、どのようなコンセプトで楽曲を制作していくか、あるいはアーティストのコンセプトそのものをどうするか、という重要な売り出し戦略を決定する役職です。

楽曲1曲1曲やアルバムの制作にも関わっていますが、見据えているのはもっと長期的な展望です。すなわち、担当するアーティストをどうやって市場で残らせていくのか、レーベルそのものの色をどうやって出すのか、といった俯瞰的な視点で業務を行っているのです。

仕事内容①:アーティストの発掘・育成

A&Rは、売れる可能性がありそうなアーティストを発掘し、自社へスカウトすることもあります。または、自社や自社のレーベルが抱えているアーティストを吟味し、売れそうな芽を見つけたらフィーチャーするという役割があります。
また、売れそうなアーティストを見つけて発掘し、育成し、そのコンセプトを決め、売り出してくこともA&Rの仕事です。

仕事内容②:企画立案し、楽曲を提供

アーティストのコンセプトに従って企画を行い、その企画に合った楽曲の提供を行います。この仕事が、おそらくA&Rのなかでも際立って重要な仕事と言えるでしょう。
担当アーティストに設定した「売り出し方のコンセプト」を、その楽曲のレパートリーによって確定させていく必要があるためです。

例えば「ロック系が強い」と認識されているレーベルから「本格派であることが売り」でデビューしたアーティストには、やはりロック系としてインパクトがあり、しかも技巧的にも優れた楽曲を提供する必要があります。そのためには、作詞・作曲・編曲がロックに強いメンバーを割り当てなければなりません。
このように、アーティストの音楽の方向性を決めるだけでなく、場合によってはレーベルの雰囲気にも関わる重要な業務を担っています。

仕事内容③:宣伝戦略の管理

レコード会社所属の宣伝マンが、アーティストの新曲やライブなどにあわせてプロモーション活動を行います。その宣伝戦略にもA&Rは関わっています。
音楽番組に出演するのか、バラエティ番組なのか、ラジオなのか、露出を控えてミステリアスな雰囲気を醸し出すのか、あるいはPVやMVを制作するのか、その内容はどうするのか……さまざまなプロモーション手法があります。
企画されているプロモーション手法は、アーティストに設定したコンセプトを守っているのか、チェックしなければなりません。
ここがちぐはぐだと、売り出し方が中途半端になってしまい、届けたい層にアピールできないかもしれません。
A&Rは、所属アーティストの活動を成功させるために最後まで責任をもっているのです。

 

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音楽業界にA&Rが必要とされる背景

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①アーティストの一貫したコンセプトを守り抜く

アーティストに設定したコンセプトがブレてしまうと、差別化できずに視聴者からぼんやりした印象を抱かれてしまうかもしれません。
毎年多くのアーティストがデビューしては消えていく音楽業界において、覚えてもらえる特徴がないのは致命的です。
アーティストの寿命を伸ばすためにも、しっかりと狙った層へ音楽を届け、アーティストの発掘・育成から企画の立ち上がりと楽曲提供、そして宣伝までに一貫して目を光らせる存在である必要があるのです。

②マーケティング的な視点で“売る”ため

いくら音楽というアーティスティックな商材を扱っているとはいえ、レコード会社は「企業」です。商品を売らなければ収益が入らず、運営していくことができません。
音楽性だけではなく、市場が求めているものやアーティストの特性などを分析し、マーケティング的な視点から「どうやって売るか」「どうやって売れるアーティストにするか」を考える役割が必要です。
A&Rが担っているのは、そのような視点をもってコンセプトを決め、守っていくことです。また、時勢が変わったら、随時コンセプトを見直す必要もあります。そのようなタイミングを測り、いつどのように方向転換するかを決めるのもA&Rです。

③音楽プロデューサーとは異なる視点で俯瞰する

古くは、事務所の音楽プロデューサーだけが自社の所属アーティストの方向性やコンセプトを決めていました。
ですが、アーティストはレーベルと契約して楽曲を制作しています。そしてレーベルの上位にはレコード会社が存在しています。レコード会社やレーベルにとって有益な方向性となるように、契約アーティストの舵取りをする必要があります。
音楽アーティストは音楽的な知識やスキルからアーティストをプロデュースしていくことに対し、A&Rはマーケティング的な観点からアーティストをプロデュースしていきます。A&Rは、どちらかだけでは成り立たない、両軸の一端を担っているのです。

未経験からでもなれる!A&Rへのキャリアステップとその後

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A&Rへのなり方は具体的にどのような方法があるのでしょうか。未経験からA&Rになる方法と、その後のキャリアの発展性についてお話します。

音楽業界で制作・宣伝・営業を経験し、キャリアアップしてA&Rになる

ここまでで見てきた通り、A&Rは多岐に渡ってアーティストの楽曲制作に関わっています。
レコード会社には、コンテンツ制作などの企画を行い実行する音楽制作部、作品をプロモーションする宣伝部、CDを置いてもらえるように販売店に交渉する営業部が存在しています。これらの職種としてキャリアアップしていった先にA&Rがあります。

少なくとも上記から1職種以上、多ければ上記3職種(場合によっては別の職種でも)で経験を積み、キャリアアップしていくことでA&Rになることが可能です。

未経験からA&Rになるには、音楽業界の経験と知識習得が必須

未経験からいきなりレコード会社に就職し、A&Rになることは難しいです。音楽的な知識がある程度必要であることと、音楽業界における制作・宣伝・営業の職務的な専門知識の両方が求められるためです。加えて、そもそも未経験からレコード会社に就職・転職することは狭き門であるということも覚えておきましょう。

A&Rにそれほど専門的な音楽スキルは求められませんが、音楽に関する見識・知識や音楽業界の構造理解は必ず必要となります。まずは音楽関係の会社に就職し、音楽の知識と音楽業界の経験を業務のなかで培っていくことから始めましょう。

なお、大学や専門学校で音楽の業務に関係する勉強をしていると、多少選考で有利に働くことはあります。演奏技術や楽曲制作技術があるに越したことはありませんが、それよりも業界の慣例理解や営業的な視点でどうやって音楽を売っていくか、といった考え方を身に着けるほうが大事です。

A&Rになったあとは、できることを広げるか、管理職を目指す

A&Rは、音楽関係のさまざまな職種の人が目指しているキャリアの上位職です。レコード会社で働きたいと考える方にとって、この職種になることは一つの目標となるのではないでしょうか。

A&Rになれたら、目指す先は2種類あります。
一つは、管理職やマネジメントなどのさらなる上位職を目指して、実務から離れて会社経営に近づいていくことです。
そしてもう一つは、A&Rとして活躍しつづけ、関われるアーティストの数を増やしたり、有名アーティストを引き継いだり、企画・プロモーションの規模を大きくしたりしていくことが挙げられます。

上記のキャリアアップを果たすためには、いずれにせよ担当アーティストの企画を成功させて実績を積んでいく必要があります。

未経験者がA&Rに活かせるスキルを3つ紹介

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A&Rとして採用され、そして活躍していくためには、求められるスキルがあります。
まず大前提として、前述したように音楽業界での経験は必須です。そのうえで、どのような能力が求められているのか、備えていれば活躍しやすいのかをお伝えします。

①企画力・マーケティングスキル

A&Rは、短期的な目線ではなく、長期的な目線でアーティストやレーベルを売り出すことを考えなければなりません。そのためにもっとも必要となるが、高い企画力や売れるためのマーケティングスキルです。
トレンドを察知して取り入れるだけでなく、「どうやったら担当アーティストの売上に使えるか」「この流れに乗るのはマーケティング的に良いのか」といったことを考えなければなりません。そして流行に乗るだけでなく、自分の手で流行を発信していくような企画立案が必要となります。

②折衝力・ビジネス的コミュニケーションスキル

A&Rは、アーティストの発掘・育成から楽曲制作のプロデュース、プロモーションにも関わるというお話をしてきました。関わるステークホルダーが多岐に渡り、多くの人々とコミュニケーションを取る必要があります。
ここで必要となるのが、折衝力とビジネス的なコミュニケーションスキルです。
アーティストは自分たちの音楽性を自分たちで決めたがることがあります。楽曲の方針に関しても同じです。アーティストサイドの事務所プロデューサーとも話をすることもあります。プロモーション手法について、宣伝マンとやり取りをすることもあります。
各所で話し合いながら、最適なプランを実行していくために、この能力はなくてはならない能力です。

③管理能力・マルチタスクの処理スキル

これまで何度かA&Rはさまざまな業務を担っているとお伝えしてきました。一組のアーティストだけを担当していたとしても、その業務は膨大かつ多岐に渡ります。ですが実際には、複数のアーティストを担当する例が多いのです。そのため、常に仕事をいくつも抱えて、何かの締め切りに追われ続ける状態となってしまいます。

アーティストや関係者を管理するという意味での管理能力が必要となるのはもちろんのこと、自分の抱えている業務を管理しマルチタスクをこなすための処理スキルも必要となります。

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