株式会社レプロエンタテインメント コミュニケーション本部 ビジネス&プロモーション部 本間隆平氏が語る 「『芸能プロダクション』の領域を超え、世界へ発信。本気で目指す“総合エンタテインメントカンパニー”」

エンタメ業界のトッププロデューサー/経営者へのインタビュー連載。
エンタメ業界へ転職を考えている方たちへ向けて、業界の今後の展開や成長性について探っていく。
第41回は、大手広告会社での勤務を経て、芸能プロダクションにジョインした本間氏。これまでの経歴とこれから叶えていきたい会社の未来についてお伺いしました。(編集部)

プロフィール

株式会社レプロエンタテインメント
コミュニケーション本部 ビジネス&プロモーション部
本間隆平

2010年、株式会社電通に入社。メディアビジネス・キャラクター&コンテンツビジネスに従事。アニメキャラクターを使ったビジネスや番組作りなどに携わる。
その後、2019年に独立し、コンテンツビジネスのコンサル業に従事した後、2021年にレプロエンタテインメントへ入社。
入社以降、ドラマ・映画のプロデューサーとしてエンタメ作品企画・プロデュースを経験。2023年3月には、早稲田大学大学院にてMBAを取得し、2024年よりPR・代理店事業部長/経営企画室長(人事含む)/映像プロデュース室長の三部署を兼任している。

エンタテインメントコンテンツをビジネスに。大学卒業後は広告業界に飛び込み、キャリア研鑽。

――本間さんは大学卒業後、広告業界にご就職されたのですね。

私は、新卒で株式会社電通に入社しました。父が芸能プロダクションを経営していたので、子どもの頃からエンタテインメントというものに触れる機会が多かったためか、興味や関心は他の人よりも強かったと思います。
また、学生ながらにエンタテインメントコンテンツでビジネスをしていきたいなと思っていました。大学在学中にアメリカ・オレゴン州に留学したこともあって、グローバルで仕事がしたいという思いもありました。

「グローバル×エンタテインメント」というと、私が学生だった約15年前は韓国のエンタテインメントもまだ今ほど活発ではない時代でしたが、アニメは国境を超えて影響力が強くありました。アニメなどのエンタメコンテンツをビジネスにしていくということを紐解いていくと、広告費が主な源泉になっているという事実を改めて認識し、まずは広告業界に入って、エンタテインメントをビジネスとして動かしたいと思い、広告代理店を選びました。

――電通ではどのようなご経験をされたのでしょうか。

電通ではメディアビジネス、キャラクター&コンテンツビジネスに従事しました。この部署はテレビ局やラジオ局と仕事をするポジションで、私はテレビ東京の担当になりアニメの番組作りやアニメキャラクターを使ったビジネス、『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京)などドラマ制作もアシスタントプロデューサーの立場で経験しました。

「芸能プロダクション」にとどまらない“エンタメのバリューチェーン”レプロエンタテインメントの魅力とは

――その後、現職のレプロエンタテインメントに入社されたのですね。現在、御社はどのようなことに取り組まれているのでしょうか。

2021年にレプロエンタテインメントに入社して、現在はPR・代理店事業部長、経営企画室長、映像プロデュース室長を兼任しています。
弊社は、エンタテインメントのバリューチェーンを一気通貫で担える、いわゆるエンタメの総合商社を目指しています。

これまでは芸能プロダクションとして、魅力的なタレントを輩出するという大きな役割を担ってきましたが、インターネット技術の向上や様々な社会環境の変化で、エンタメ業界の企業も境界が曖昧になり、競合の概念も変わってきていると思います。
私たちも能力の幅を広げていかなければ競争に生き残ることは厳しいと考えており、タレント輩出だけではなく、自らがエンタテインメントコンテンツを生み出し・広げるということを実現したいと考えています。
コンテンツを作るという点では、映画やドラマなどの映像制作に加え、2017年春には東京の浅草に『浅草九劇』(※)という小劇場をオープンしました。
これは、エンタテインメントの聖地である浅草を拠点に「エンタテインメントを育む」プロジェクトです。浅草から世界へとつながるエンタテインメントの渦のど真ん中を目指し、才能と熱量に溢れたエンタテインメントを発信する目的で始めました。
※浅草九劇
https://asakusa-kokono.com/

また、昨今はYouTubeやNetflixなど動画配信サービスが活発になり、コンテンツがストックされる場所が増えています。だからこそ、そこにストックされる映画やドラマなどのコンテンツの資産価値が高まっていると思います。それに伴い、様々な企業が同じように映像コンテンツをつくり・競うことでコンテンツの氾濫が起きてしまっているため、つくられたその作品をきちんと世界に広げられる広報宣伝機能も必要不可欠です。そして、映画やドラマに出演する魅力のある女優・俳優たちにもっと所属してもらうプロダクションとしての組織作りも大切になります。私たちは「コンテンツ制作」「広報宣伝」「タレント輩出」の三つの柱をそれぞれ拡充させることに注力しています。
女優・俳優を拡充する目的とブランディングの意味も込めて、今年は約2年振りに「第二回レプロ主役オーディション」(※)を開催し、今後も定期的に開催する予定です。
※2024年1月14日応募締め切り、合格者決定は2024年4月予定。

――本間さんが携わっているポジションにおいて、現在企業としてチャレンジしていることはどのようなことですか。

映像プロデュース室長としては、「会社として権利を持って世界と戦えるコンテンツを作ること」がひとつの目標です。
今は放送局から制作委託されてドラマを制作するというパターンが多いのですが、弊社が権利を持って取り組む映画の企画が少しずつ増えてきています。自分たちがコンテンツホルダーとなって、日本国内だけでなく、世界にコンテンツを発信できるポジションを目指しています。理想としては、そのコンテンツと一緒に弊社所属のタレント、女優・俳優を一緒に海外に発信することが実現できたら最高です。

PR代理業部門はコーポレート広報ではなく、PR代理店業として事業化しています。今はというとキャスティングやプレスリリース配信などの実務が中心になっていますが、さらに上流から関わる戦略を考えたり、付加価値の高い仕事をたくさんできるようにしていくのが、一番の私のチャレンジかなと思っています。

経営企画室長に関して、社内でよく話しているのはデザイナーのスタンスでありたいということです。アーティストとデザイナーは似て非なるもので、アーティストはゼロから何かを生み出す人たちですが、一方でデザイナーは何らかの課題が存在し、それを解決するためにアイディアを駆使して行動を起こす人たちです。事象への対処ではなく、課題を自ら見つけて改善していく、1人1人がデザイナーとして前向きに取り組むということを組織として実現したいと思っています。稚拙な言い方ですが、「良い会社にしたい」と日々考え、試行錯誤しています。

「人」の専門企業レプロの人材育成、採用とは

――時代に合わせ変化する御社が組織拡充のために行っている取り組みについてお聞かせください。

レプロに入社してから、宣伝、映像プロデューサー、コーポレートスタッフなど、芸能マネージャー以外の職種はほぼすべて経験してきました。また、キャリアとしては、大企業、ベンチャー企業、中小企業という様々な規模の会社を経験したことが、現在の人事に携わる経営企画室長の立場として、社員の人たちに寄り添えるバックボーンになっていると思っています。

私が、2021年にレプロに入社してから、1on1(1対1で行う部下の成長促進を目的としたミーティング)を大切にしてきました。これは、ベンチャー企業にいた頃、HRのプロフェッショナルである最高人事責任者と正しい形の1on1をやってもらったことが、私自身の成長につながったという経験がきっかけとなっています。1on1をレプロでも取り入れたところ、2023年は自分の組織としての成果も出ましたし、その部署のメンバーの成長を自分自身が肌で感じることができました。今のメンバークラスの社員がいつか上司になった際に、部下に対して同じことをしてあげることで良いサイクルを築いていくことが私の願いです。

人的資本経営に関しては、本気で向き合っていきたいなと思いますし、私は人事に携わる身として1on1などを活用しながら、人が成長できる会社というものを実現し、社員だけでなく所属するタレントや女優・俳優たちも成長できる会社にしたいなと思っています。

――御社の採用の状況についてもお聞かせください。

まさに今年(2024年)から、さらに採用に力を注いでいこうと考えています。これまでは、新卒採用を中心に行ってきました。弊社は新卒から長く働いている社員が多く、まず基盤となる企業の文化は育ってきたかなと思っていますので、ここからさらなる進化を遂げ、強い組織にしていくために、外部からの血を入れていくために中途採用も行っていきます。
求める人物像としては、成長意欲のある方です。成長するためにはリスクを背負うこともあると思いますが、恐れずチャレンジできる方と一緒に働きたいと思っています。
手前味噌ですが、弊社には素直で良い人が揃っています。私たちとのカルチャーマッチでいうと、素直でチャレンジできる方、そしてエンタテインメントを愛している方にはぜひお会いしたいなと思います。

――働く環境としての御社の魅力はどのようなところでしょうか。

弊社ではジョブローテーションを積極的に取り入れています。社内で色々な経験を積めるようにするためには、ある程度人事が戦略的に裁量を持ってコントロールしていく必要があると思います。人事とは人の成長を実現する仕事で、それを因数分解すると、経験・能力・モチベーションに分けられると考えています。経験という点でジョブローテーションは有益だと考えています。
また、能力に関しては研修制度を充実させたいと考えています。世の中や個人の役割が変化している中なので、学び直しは重要だと感じており、積極的な情報共有によるインプットの機会向上だけではなく、アウトプットの機会を増やすためにも内部・外部での研修を重要視しています。外部でいうと、通常の管理職者研修を外部にお願いするだけではなく、個人個人の課題に即してマーケティング研修(グロービスなど)を用意するなど、人材への投資と捉えて積極的に企画しています。モチベーションについては、適切な目標設定と適切なフィードバックで作るものだと思っているので、それを司るのが1on1であり、とても重要な役割を担っています。それらを各管理職がうまく遂行して上手く根付かせていけたら良いなと思います。

レプロエンタテインメントは芸能プロダクションという定義を変え、エンタメの総合商社として、タレントを「育て」、エンタメを「つくる」「届ける」という総合エンタテインメントカンパニーとして、それを日本だけでなく世界に届ける会社になりたいと思ってます。それを実現するためのバックグラウンドを兼ね備えた人材は社内に多くいると思っていますので、一緒にレプロの未来を叶えてくれる方を求めています。

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*本記事に記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本記事に記載された内容は取材時2024年1月17日のものです。
その後予告なしに変更されることがあります。