Web3.0とは|知っておくべき用語7選とエンタメ業界との関わりを解説

Web3.0の知っておくべき用語7選

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近年のインターネット社会において、Web3.0という概念が注目されています。

これは、「分散型インターネット」を言い表すような新しい概念です。これまでは、IT系巨大企業であるGoogle、Amazon、Facebook(現メタ・プラットフォームズ社)、Apple、Microsoft(通称、GAFAMまたはGAMFA)によって市場と個人情報が独占された、集中型のインターネットでした。
そこから脱却し、巨大企業に集中していた情報が新しい暗号化技術によって分散化していくという、これからのWeb環境についてを言い表した見解のようなものです。

しかし、そう言われても実際にはどのようなことが起こるのか、具体的に何が変わるのかピンとこないという方のほうが多いのではないでしょうか。

そこでここでは、Web3.0を知るために必要な、代表的なキーワードを7つピックアップして解説していきます。
ぜひ、Web3.0について、そしてこれから起こるインターネット社会の変化に対して理解するための助けとしてください。

1.ブロックチェーン

ブロックチェーンという用語は、Web3.0というよりもむしろ、仮想通貨やビットコインなどに関連した話で聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

ブロックチェーンとは、簡単に説明するならば「信頼性が高い暗号化技術」といえるでしょう。

データを介する取引履歴が鎖(チェーン)のように、途切れることなくつながっていくことから名付けられました。
これは、ネットワーク上の取引記録を暗号通信を使って、継続的かつセキュリティ的にもリスクが少ない状態で接続しつづけ、分散的に処理するというデータベースのことを示しています。

ブロックチェーンがもつ特徴は、以下のとおりです。

  • データの破壊や不正な改ざんができない(または非常に難しい)。
  • 一部に不正を行う者がいても、全体としては正しく取引できる。
  • データの正確性を継続的に保持できる。
  • 分散処理されるため、システムがダウンしない(ダウンしにくい)。

取引履歴をすべて追跡することができ、なおかつそれらが分散的に管理されているため、改ざんしたりデータを破壊したりすることが難しいのです。

データを改ざんするのが難しいということは、手元にあるデータの正当性や正確性が非常に高いことが担保される、というわけです。

そのため信頼性が非常に高いと考えられており、仮想通貨やデータの唯一性が重要であるNFTなどにも応用されているのです。

Web3.0の分散型インターネットという概念は、ブロックチェーンによるデータの分散管理が可能になったことで生まれたため、まずはブロックチェーンについて覚えておくとよいでしょう。

2.メタバース

旧・Facebook社が、社名をメタ・プラットフォームズ(通称Meta社)に変更したことが話題となりました。
この由来にもなっているのがメタバースです。

メタバースとは、“メタ認知”などで使われる“メタ”と同じ言葉である「メタ」と、宇宙を意味する“ユニバース”の「バース」から作られた造語です。

簡単に理解しやすい概念で解説するならば「仮想空間」のことです。ですが、直訳すると「超宇宙」「宇宙を超えたもの」あるいは「メタ的な世界」を意味することからも分かるとおり、ただの仮想空間のことではありません。

ネットワーク上に仮想空間を構築し、そこに自分を投影したアバターを入り込ませ、操作するというものです。

まだまだメタバースは発展途中の概念であるため、厳密な定義はありません。ですがあえて現時点での共通認識としてバーチャルゲームや仮想空間と異なる点を挙げるならば、以下のようなことが言えるでしょう。

  • 限りなく現実世界に近い活動ができる。
  • 没入感があり、自分がそこに存在しているかのように錯覚できる。
  • 現実世界との同一性があり、自分を投影したアバターは「第二の自分」のようなものである。

これを後押ししているのが、Meta社が開発しているMeta Quest(旧Oculus Quest)のようなVRヘッドセットなどの没入感を高めるデバイスです。
「バース(宇宙)」が示すように、仮想世界にもう一つの世界を創造するような試みである、とも言えるのではないでしょうか。

3.スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、契約、特にWeb上での契約(コントラクト)をスムーズに行うためのものです。

特定の条件が満たされたのならば、契約に際しての「検証」「執行」「実行」「交渉」までが一連で自動的に行われる取引のことを示しています。

ブロックチェーンを使うことで、第三者も契約者の当人たちですらもデータへの改ざんや介入が不可能になるため、極めてクリアでセキュリティの高い取引が行えます。

信用を担保しつつ、契約の立会人や仲介業者などの第三者を介することなく、データの処理が可能になるのです。

4.DAO

DAOとは、Decentralized Autonomous Organizationすなわち「分散型自律組織」のことを示す言葉です。
通常の組織の場合、どんなに「フラットな社風」「風通しが良い」と言っても、社長などのトップがおり、彼らのもとに部長やリーダーなどの階層構造によって運営されています。

ですがDAOには組織の管理者やトップがおらず、完全にメンバーが自律して動くことになります。そして、組織内での貢献度合いによって、決められたインセンティブが支払われることになります。

全員が共同で組織を所有しており、フラットなコミュニティに属している、と言い換えることもできるかもしれません。

なお、この仕組みは前述したスマートコントラクトによる「透明性が高く、なおかつ自動かされた契約」を活用することによって実現しています。

5.トークン

トークンとは、直訳すると「しるし」「象徴」「証拠」などを意味する言葉です。

そこから派生し、ネットワーク上の取引において、本人であるかどうかを確認する(本人である“しるし”、本人である“証拠”)ためのデジタル認証を行うデバイスを意味するようになっています。

ネット銀行やキャッシュレス決済用のアプリなどにログインする際、一時的に発行されるワンタイムパスワードや認証コードなどもこれにあたります。

トークンとは、本人であるという同一性を担保するために使われている概念だと覚えておきましょう。

6.NFT

NFTとは、Non-Fungible Tokenのことであり、すなわち「代替不可能なトークン」のことを示しています。
トークンとは、前述のように同一性を担保する役割があります。

例えば美術館などに展示されている絵画は、どんなに贋作が作られても、コピーを印刷して複製を作っても、本物は一つだけです。

一方でデジタルデータはコピーが容易であり、「オリジナルの(本物の)デジタルデータ」という概念そのものが薄かったのです。
ですが、コピーすることができないNFTをデータに埋め込めば、そのデジタルデータは「唯一無二の、本物のデジタルデータ」となります。

これらによって、アート作品や不動産などの証明書といった、唯一性が重要なデジタルデータの証明に効果を発揮してきました。

エンターテインメントの世界では、ブロックチェーンを利用したゲームなどでも活用されています。
例えば、キャラクターカードやゲーム内アイテムにシリアル番号を割り振ることで、希少性やコレクション性を高めている、といった具合です。

7.PoW(Proof of Work)

PoWとはProof of Workの頭文字を取ったもので、ブロックチェーン作成アルゴリズムの一つです。

例えばビットコインなどの暗号通貨は、前述したDAOによって運営されています。管理者がいないため、ある取引が発生した際、それを管理者ではない誰かが「承認」する必要があります。
そのためには、ブロックチェーンが設定した「計算」を行い、「答え」を得る必要があります。DAOは並列的な組織のため、この計算をいち早く完了し、正しい答えを導けたと認められた人が、該当する取引をブロックチェーンとつなぎます。
これによって取引が完了し、計算を成功させた人(=リクエストされた取引を無事にブロックチェーンにつなぐことができた人)は一定金額の報酬を受け取るのです。

このような仕組みのことをPoWと呼びます。

こういった仕組みのおかげでブロックチェーンの安全性と信頼性が担保されているのです。

エンタメにおけるWeb3.0の展望

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ここまでは、Web3.0を理解するための助けになるキーワードを解説してきました。
では、Web3.0はエンターテインメントの世界にどのような影響を与えるのでしょうか。
今後の展開について確認してみましょう。

日本主導でのグローバルな成長への期待

Web3.0に関連したスタートアップは世界的に活発化しており、そうしたプロジェクトへの投資も増えてきました。

日本政府としても、成長戦略の一つとしてWeb3.0を据え、戦略的に取り組みを行っていこうとしているのは明らかです。与党が中心となってデジタル庁が発足されたほか、「NFT政策検討プロジェクトチーム」を立ち上げたり、「大臣官房Web3.0政策推進室」を立ち上げたりしています。

エンタメ業界で言うならば、ブロックチェーンやNFTを利用してコレクション要素を高めたゲームが世界的にもすでに登場しています。
日本のキャラクタービジネスは世界的にも注目されており、今後も日本発のブロックチェーンを応用したゲームなどが世界に向けて発信されていくことが期待されています。

また、メタバースなどの一般参加者が草の根で文化を形成していくというタイプの、成長型のコミュニティを日本は得意としています。
メタバースの文化形成や発展においても、日本は一定の役割を担うことができるのではないでしょうか。

Googleなど既存のプラットフォームから独立した動きも

Web3.0の最大の特徴は、GAFAMをはじめとした巨大プラットフォーマーからの離脱です。

既存のWeb事業の多くは、いかにGAFAMが用意したプラットフォームのなかで戦うか、という状況でした。
いくら仕組みを理解したところで、プラットフォーマーがサービスを変更したりアルゴリズムを変更したりするだけで、一気に業績が悪化することも珍しくなかったのです。

分散型インターネットであるWeb3.0であれば、このような状況から脱却できる可能性があります。

これによって、個人のアーティストやクリエイターなどの表現者が、ファンから直接、安全かつ信頼性がある方法で収益を得ることができるようになるでしょう。

このような発展は、エンターテインメント業界にとっては非常に前向きなことです。エンタメの細分化や個人による発信が加速していく可能性があるのではないでしょうか。

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