新たな可能性を拓くARコンテンツとは? VRとともに注目される技術を知ろう

この記事の監修者

志土地
志土地キャリアアドバイザー

番組制作会社に新卒入社後、リサーチ会社に転職。
長年、テレビ番組などで扱う情報や映像などのリサーチャーとして勤務。
働く中で、エンタメ業界で人材が流動的なのを目の当たりにしたことをきっかけに、
エンタメ業界で働きたい方・業界内の転職を考えている方の転職サポートをしております。

ARコンテンツとは?どんなコンテンツ?

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ARとは拡張現実のこと

そもそもARとは、「Augmented Reality」の略称で、日本語では「拡張現実」とも訳されます。
カメラなどを通して現実の風景を見たとき、その現実の風景に何かしらの視覚情報を付加する技術、といった認識をしておけば間違いないでしょう。

ARマーカーと呼ばれる特定のポイントを起点にし、動的に情報の付加表示を行うことが可能です。ARマーカーを追跡し、識別することをトラッキングと呼ぶこともあります。

ARマーカーが画面内に収まりトラッキングできていれば、角度を変えたり、カメラを持ったまま動いたりしても、データ上で付加した視覚情報をまるでそこに現実の物として存在しているかのように表示することもできます。

現実に情報を上書きする、情報を付加する、などの行為が「現実を拡張している」かのようであるため、拡張現実と呼ばれています。

ARとVRの違い

ARとセットで語られることが多いのがVRです。VRとは「Virtual Reality」の略称で、日本語では「仮想現実」と訳されます。

現実空間に視覚情報を付加することで「現実を拡張する」のがARであることに対して、多くの場合VRは「現実ではない仮想空間」のことを意味しています。

ARはカメラなどを通して現実の風景を表示していますが、VRの場合はヘッドマウントディスプレイなどのデバイスで完全に視界を遮り、仮想空間を目の前いっぱいに表示する、という体験を提供しています。
本人の立ち位置や姿勢などを検出してVR上に反映することで、仮想空間の中で歩き回ったり体を動かしたりしているかのような没入感を得られることが魅力です。

ARは「現実+バーチャル」、VRは「完全なバーチャル」である、と覚えておきましょう。

技術の進歩で急速に浸透

近年、急速にAR技術が注目されてきたことは、技術の進歩なしに語ることはできません。

AR表示を行うためのトラッキングは、動的にトラッキングポイントとなるARマーカーを検出しつづけなければならないため、高度な技術が必要です。
かつては、ARマーカーが少し斜めになったり、処理速度が追いつかなかったりすることで「トラッキングが切れてしまう」ことが起こり、それによって「AR表示がされなくなってしまう」という問題が起こりがちでした。

しかし、画像認識の技術や処理能力などが上がったことで飛躍的に技術改善がなされ、上記のような表示事故も起こりにくくなっています。

このように技術が進歩したことで、一昔前までは夢の最新技術だったARですが、いまや一般的な技術となり世間に浸透してきているのです。

 

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ARコンテンツが活用されている例をご紹介

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ゲーム・エンタメ業界

アプリを起動してスマートフォンで覗くと、まるで現実にモンスターが存在するかのような体験ができるゲームアプリが大人気となりました。
実際の位置情報も使っており、特定の場所などにモンスターが出現するなど、「拡張現実であること」を有効に活用したゲームです。

似たようなフォーマットのゲームはいくつか存在しており、いずれも現実にゲーム内キャラクターが存在しているかのように見える点が人気です。

そのほか、例えば専用メガネをつけることで現実の風景にゲームの風景を上書きし、ゲームの世界に入り込んだかのように感じる体感型のアトラクションなどもあります。

AR技術は、現実に情報を付加するという性質上、ゲームやエンタメコンテンツと非常に相性が良いのです。

ファッション業界

自分の全身像を映し、それに対して試着したい服を合成するような形で、実際には試着をせずに疑似的な試着ができるというアプリが存在しています。
小物などのアイテムをどう合わせるか、どのような色味が良いかといったコーディネートができるアプリもあります。

遠隔でも疑似的に試着ができるため、店舗に出向かないECサイトの利用と相性が良い点が特徴的です。さらに、物理的な接触を減らし、他者が触れた物にあまり触れない、というwithコロナの新習慣にも合致しています。
そのため、ファッション業界のARは今後さらに発達していくことが考えられます。

観光・旅行業界

風景を撮影すると地名を表示してくれる、周辺のおすすめスポットを案内してくれる、観光ルートをカメラ上に示してくれるなど、観光・旅行にもARアプリは使われています。

また、レストランなどで現地の言語で表示されたメニューを撮影すると、リアルタイム翻訳で読める状態にして表示してくれる、というアプリもあります。
海外に旅行する際に利用できるほか、日本語を訪日客の母国語に翻訳してくれることで、需要増進のインバウンド施策としても期待できます。

少し変わった使い方としては、水族館で水槽の魚を撮影すると、魚の種類や生態を教えてくれる、といったアプリもあります。

プラスの情報をリアルタイムで表示し、情報を最新のものに更新しつづけられる、という点が観光・旅行業界の需要とマッチしています。

スマートグラスなどの日常のアシスト

何か特別な機会にARを使うのではなく、より日常的にARによって情報を補足する、という手法も出てきています。

技術系の各社が開発しているスマートグラスがその筆頭です。常に視覚に補足的な情報を表示することで、道に迷ったりすることもなくなり、さまざまな場面で自分にとってより良い選択をしやすくなると考えられています。

また、車のフロントガラスに運転中に必要な情報を表示するスマートカーなどの構想も生まれています。

ARを特定業界の特別なアプリで使うのではなく、画面になりうる物があればそれらすべてをARに置き換え日常をアシストしよう、という発想も広がっています。

ARコンテンツに関わる方法

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ゲーム・エンタメ系の業界でARコンテンツを制作する

ARコンテンツに関わる方法として一番おすすめなのが、ゲーム・エンタメ系の業界でARを扱っている会社を目指すことです。

ARコンテンツはゲーム・エンタメ業界と非常に相性が良く、すでにいくつも大ヒットコンテンツが生み出されています。

この業界であれば、すでにある程度の道筋が切り開かれています。ARに馴染みのない業界でゼロから企画し、稟議を通し、上層部を説得し……といった、「そもそもARに参入するか否か」というハードルを超えるための労力を払わなくていいのです。

あとは、すでに流行っているモノの後追いにならず、いかにARの新しい使い方を思いつくか、という企画力の勝負になります。すぐにコンテンツの企画立案やコンセプト設計をしたい、という方に特におすすめです。

ARコンテンツ専門の制作会社に就職する

いくらARが浸透してきたとはいえ、やはりどの会社でも自社でAR関連の実装を内製できるという環境は整っていません。

特に、あまりARに関わってこなかった業界は、専門の制作会社に頼むことが多いのが現状です。ARコンテンツの制作に強みをもっている制作会社に就職すれば、そういった、やりたい企画はあるが、自社では制作できないという会社からの依頼を受けることができます。

こちらは、コンテンツの実装に関わりたい方に特におすすめです。

AR制作ツールに個人で触れてみる

ARは特別な技術である、とはお伝えしましたが、個人レベルで触れることも可能です。

COCOAR、などクラウド上で利用できるものや、世界的に使われているAR開発ツールであるARToolKitなどが有名です。

多少の利用費や知識を学ぶ時間は必要ですが、個人でもARコンテンツを作るためのハードルは低くなってきています。

企画開発するにしても、ARでは何ができて何ができないのか、どのような利用方法が挙げられるのかを認識しておけば、応用の幅が広くなります。またプログラムの実装に関わりたいなら、関連したツールをあらかじめ知っておいて損はありません。

個人でARツールに触れておくことは、ARコンテンツの企画開発やコンセプト設計がしたい方、コンテンツの実装に関わりたい方のどちらにもおすすめです。

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