映画業界にはどんな会社や仕事があるのか?映画業界のキャリアについてご紹介!
この記事の監修者
大学では、2Dアニメーションの他にMaya、3DMAX等3DCG技術、制作進行等を学修。
大学卒業後、大手映像制作会社にてプロデューサーとして企画、面接、キャスティング、予算管理からディレクションまで幅広い業務に携わる。
プロデューサーとしての経験を活かし、他とは違う一歩進んだ支援を実施いたします
目次
コロナ禍における映画業界の現状
映画業界はコロナウイルスの感染拡大によって大きなダメージがあった業界の1つです。これがどれほど甚大な被害だったのか、早速みていきましょう。
来場者数の激減
2020年2月下旬頃から新型コロナウイルス蔓延の影響で自粛が叫ばれるようになると、映画館も休館するところが少しづつ増えていきました。そして同年4月16日に全国に緊急事態宣言が出されると、全国の映画館が営業を休止しました。その後5月25日に全国の緊急事態宣言が解除されると、6月頭には多くの映画館が営業を再開しました。
ではコロナ禍の2020年に映画館に足を運んだ人はどのくらいいたのでしょうか。
日本映画製作者連盟によると、この年の入場者数は1億613万人で、この数字は1955年以降最低でした。また、映画の国内興行収入も2000年以降最低の1,432億円でした。2019年と比較すると、その年の入場者数は、1億9,491万人、興行収入は2,611億8,000万円だったので、入場者数・興行収入ともに半分近くまで落ち込んだことになります。
コロナ禍での映画撮影
コロナウイルスによる映画業界への影響は、映画館の来場者数減少だけにとどまりませんでした。
コロナ禍で映画の撮影自体にも多くの規制が敷かれたために、予定通りの脚本・スケジュールで撮影するのが非常に難しかったのです。
日本映画製作者連盟が政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を基に作成した「映画撮影における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン 」では、以下の様な規制が設けられました。
① 撮影関係者人数の制限
撮影関係者は4平方メートルの中に1人となるような形で他者との社会的距離を可能な限り確保することとする。
② 撮影シーンの制限
セット撮影、ロケーション撮影にかかわらず、群集シーン等の社会的距離の確保が著しく困難な設定のシーンの撮影は、社会的距離の確保が可能な設定に極力変更することとする。
③ スタジオ及びセットでの衛生の促進
撮影関係者が接触する可能性がある設備及び共有する機器に関しては、頻繁な清拭消毒を行うこととする。
④ 撮影関係者に関する感染防止策
マスク着用や手洗いを徹底する。自宅で検温を行うこととし、発熱がある場合には自宅待機とする。
以上はガイドラインのごく一部です。これらの厳しい規制を守りながらの撮影は映画業界に大きな負担をかけました。
しかしながら、2020年にはあるアニメ原作の映画がコロナ禍であるにも関わらず、興行収入第一位を叩き出しました。
コロナ禍での『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット
2019年4月から放送を開始したアニメ『鬼滅の刃』がNetflixやAmazon primeなどの各動画配信サービスで視聴者数1位を獲得するなど、大変な人気を集めました。その大人気アニメの映画化が決定し、2020年10月6日に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開されました。この映画は興行収入400億円を突破し、これは国内の映画興行収入歴代一位の数字となりました。この”鬼滅ブーム”がコロナ禍の日本の映画界を盛り上げました。実際2020年の映画の興行収入のおよそ2割が鬼滅の刃によるものでした。
しかしながら、興行収入・映画館来場者数ともに全体の数字をみるとコロナウイルスの映画業界への打撃は大きかったといえるでしょう。また、コロナ禍で動画配信サービスが勢力を拡大したことも、映画業界にとっては痛手となりました。
映画業界の仕組みとは?
では次に映画業界にどのような役割の会社があるのか、映画業界の仕組みについてご紹介します。
映画を作る映画制作会社
映画業界のクリエイティブ部門ともいえるのが、映画制作会社です。実際に映画の企画~制作まで行っており、映画プロデューサーなどの企画部門のスタッフが多く在籍しています。
企画の段階では、売れる映画を作るためのマーケット調査を行ったり、企画書・シナリオの作成を行ったりするのが一般的です。コンテまで完成すれば、映画制作に必要な人材・資材を集めたり、制作スケジュールを決めていき、実際の制作に向けて準備を行います。
また実際の撮影・編集については、自社で社員を抱えていることは少なく、フリーランスや人材派遣会社などで活躍している人材をキャスティングすることが多いです。そのため映画制作会社では、主にスケジュール管理やディレクションを行う役割を担います。
映画の買い付けを行う配給会社
映画制作会社から映画の上映権を購入して、映画を上映する興行会社の上映枠を予約するのが配給会社です。売れる映画を見極めて買い付けを行い、その映画がどういったターゲット層にどれくらい視聴してもらえそうかを分析します。
そのため、映画だけでなくマーケティングに関する知識も求められ、分析した内容をもとに映画館の上映スケジュールを予約(ブッキング)したり、CMなどのプロモーションしたりすることから、映画の売上に大きく影響する役割の会社といえるでしょう。
映画を上映する興行会社
映画館の運営などで、映画の放映を行っているのが興行会社です。TOHOシネマズやユナイテッドシネマなど、映画業界の中で一番名前を目にしやすい役割の会社といえるでしょう。
東宝や東映などの大手映画会社であれば、映画制作~映画館の運営までワンストップで事業展開をしていることも多く、事業部やグループ会社ごとで役割分担をしていることも珍しくありません。
加えて映画関連のグッズの企画・開発・販売を行っていることも多く、パンフレットをはじめとして様々なグッズ制作を行っています。
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映画業界にある職種とは?
映画業界にある会社とその役割についてお伝えしてきましたが、ここからはどのようなポジション・仕事内容があるのかお伝えしていきます。映画業界への転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください、
①企画・プロデューサー
映画制作会社や制作部門などで、どのような映画を作るのかを考えるのが、企画・プロデューサーです。売れる映画を作るために、ターゲット層やメッセージ・ストーリーなどを考えていきます。
クライアントがいる場合はどのような映画を作りたいのかヒアリングし、「制作委員会」として協働して進めていく場合には代表者同士でディスカッションを行い、映画の概要について詰めていくのが通常の流れです。
ある程度まとまったら企画書に落とし込み、何度も確認と修正を繰り返しながら、場合によっては絵コンテに書き起こしていきます。映画制作は企画段階で決めた内容を後から変更することが難しいため、非常に重要なフェーズです。
またプロデューサーは映画制作全体のスケジューリングや、必要な人材・機材の確保なども行います。
②シナリオライター
企画・プロデューサーが企画書に書き起こした内容を、シナリオや絵コンテに落とし込むのがシナリオライターの仕事です。ストーリーの流れや登場人物の立ち回りなどの案をシナリオとして提出し、数度の修正を行った後に台本に書き起こします。
シナリオライターは映画制作会社に在籍していることもありますが、フリーランスとして活動している人も多いポジションです。
③営業・マーケター
映画制作会社や配給会社で、スポンサーの獲得や上映権の買い取り・上映スケジュールの予約などを行うのが営業職です。会社によってはプロモーション活動についても担っていくため、マーケティングの役割も兼任していることがあります。
スポンサーの獲得はもちろんのこと、どの映画の上映権を買い取るのか、そして上映スケジュールをどの映画館でどれだけ押さえるのかは、映画の売上に大きな影響を与えるため、非常に重要なポジションです、
④動画編集
実際に撮影された映像に、音声やBGMを付けたり、エフェクトやCGなどの効果を付けたり、テロップなどを付けたりするのが動画編集の仕事です。映画制作において最後の仕上げとなりますので、映画のクオリティに大きな影響を与える仕事といえるでしょう。
映画業界の仕事に求められるスキルとは?
上記で映画業界の会社や仕事内容についてお伝えしてきましたが、実際に映画業界で活躍するためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか?代表的なスキルについてご紹介します。
①映画業界や職種に関する専門知識
どのポジションで仕事をするにも、映画に関する専門的な知識は必要とされます。特に企画・営業などのポジションでは、映画の売上に大きく関わってくるため、マーケティングに関する知識とともに映画に関する知識は非常に重要です。
また動画編集やシナリオライターをはじめとした専門職に関しては、各職種に関する専門スキルが求められます。クリエイティブな業界ならではのスキル・知識も多いため、実務経験が求められやすい傾向です。
②売れる映画を作るためのマーケティングスキル
企画や営業といったポジションではマーケット分析をはじめとしたマーケティングの知識・スキルが必要です。映画はテーマ・ストーリーによってメインとなる年齢層・性別・職種などが変わりますし、地域によっても差が出ます。
そのため、映画のジャンル・テーマ・メッセージに合わせて、どのような地域・どれらいの頻度で上映すれば売上につながるのかを考える必要があるのです。
また上記と同じく、プロモーションについてもターゲット層に合わせた手法が求められます。テレビCMやSNS・特設サイトなどでどのように情報を発信するのか決めるには、やはりマーケティングに関する知識が非常に重要です。
③関係各所と折衝するためのコミュニケーション力
映画制作では様々な役割の人が必要とされますが、プロデューサーやクライアントの意向に合わせて動いていかなければいけません。そのため指示出しをしたり方向性を伝えたり、時には交渉するためのコミュニケーション力は重要です。
映画業界の職種別平均年収ランキング
先ほど、映画業界の職種を紹介しましたが、映画業界に転職したい人にとってはそれぞれの年収も気になる部分だと思います。ここでは、それぞれの職種の平均年収をみてみましょう。
1位 企画・プロデューサー:平均年収679万
2位 営業・マーケター:平均年収599万
3位 シナリオライター:平均年収500万
4位 動画編集者:平均年収417万
※シナリオライターはフリーで活動している人が多いので年収にバラつきが有ります
やはり花形の企画・プロデューサーが最も高い結果となりました。その他の映画業界の仕事も日本のサラリーマンの平均年収433万円と比較すると比較的高めであるといえるでしょう。
映画業界でキャリアアップするには?
映画業界について詳しくご説明してきましたが、実際に映画業界で働くためにはどうしたら良いのでしょうか?映画業界で活躍するための方法についてお伝えします。
専門学校や大学で業界に関する知識を身につける
映像関連の専門学校や大学で、専門的な知識やスキルを身に付けるという方法があります。映像編集やグラフィック・シナリオ制作・マーケティングなど、様々な分野で学校・学部・学科が用意されていますので、自分のなりたい職種に関連した学校を探してみましょう。
また専門の学校を出たからといって、簡単に映像関連の仕事に就けるわけではありません。学校で勉強をしている時から、映画業界に関わる職場でアルバイトをするなど、積極的に行動する必要があります。
実務経験が重視されるのが映画業界
映像業界をはじめとしたクリエイティブ業界では、実務経験が非常に重要視されます。業界や職種どちらでも大丈夫なので、まずは映画業界ややりたい職種について実務経験を積んで、実績をPR出来るようにしましょう。
人脈作りも重要なポイント
映像業界、特にシナリオライターや動画編集をはじめとした専門職では、人脈があるかどうかも非常に重要なポイントです。そのため雇用形態を問わずに業界経験を積むことで人脈を広げるという方法も、映像業界で仕事をするためには有効な方法となります。
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