音楽業界に就職するには?職種と今後の展望について解説

音楽業界の職種一覧

音楽業界と一口に言っても、さまざまな職種があります。

表舞台に立って演者となる人、裏方として演者をサポートする人、演者の作品を流通させる人、演者が出演するイベントそのものを運営する人、演者を育てる人など、多種多様です。

ここでは、そうした音楽に関わる職業について代表的なものをピックアップしてご紹介していきます。

①アーティスト

まずは、最も一般的な演者となるアーティストやバンドマンです。

テレビやラジオ、ライブステージという表舞台に立ち、多くのファンを獲得しながら自分自信を商品としてパフォーマンスすることを生業としています。

アーティストになる方法については明確にお答えできないのですが、どこにも属さず個人でライブや物販をすることは誰にでも可能です。

そこで得た収益は自分自身のものであり、れっきとしたプロミュージシャンと言えるでしょう。

しかし世にいうメジャーアーティストというものを目指す場合は、レコード会社やレーベルのオーディションを受けたり、ライブやYouTubeなどのフォロワーを増やすことで自分自身の影響力や才能を証明して採用されることになります。

最近では音楽の専門学校で実力をつける人や、レーベルや音楽事務所に所属することなく、インディーズという土壌で生計を立てる人も多くなってきました。

また、そうしたアーティストのレコーディングをサポートするスタジオミュージシャンや、ライブやテレビ収録などのサポートをするサポートミュージシャンという道もあります。

主役ではない一歩引いた立ち位置であれど、メンバーと変わらないレベルで音楽と向き合い、ステージや楽曲を作っていきます。

こちらも同じようにレコード会社や芸能プロダクションに所属したり、フリーランスで活動したりしており、専門学校経由でこの道に進む人もいます。

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②制作関係

作詞家・作曲家

レコード会社や音楽プロダクションが売り出したいアーティストのための楽曲制作を依頼され、指定されたコンセプトにそ合わせて曲や歌詞を制作する仕事です。

最近では楽器が弾けなくてもパソコンを使って作曲することもできるため、挑戦する人は多くなっています。

専門学校や音源の持ち込みなどで音楽業界の人に存在を認めてもらうだけでなく、YouTubeなどをきっかけにメジャーアーティストに楽曲提供しながらレーベルの属することなくフリーランスで活動する人も増えてきました。

アレンジャー

先ほどご紹介した作詞家・作曲家が作った楽曲をさらにブラッシュアップしていくのがアレンジャーです。

ディレクターからの要望で、さらに展開に一手間加えて演者の魅力を引き出せるように曲を仕上げていきます。

実際に第一線で活躍する音楽家やアレンジャーに付いて経験を積むことで、のし上がっていくこともできますし、最近ではクラウドソーシングなどでアレンジャーの仕事を募集している場合もあるため、経験を積む方法は多岐にわたります。

サウンドクリエイター

作曲家が歌い手やバンドに対して楽曲を提供するのに対し、サウンでクリエイターは映画やアニメ、CMなどの効果音やBGMを手がける仕事です。

最近ではソーシャルゲーが多くなっているため、そうした分野からの募集に応募して経験を積んでいくことで実績を上げ、ステップアップしていく人も増えてきました。

音楽プロデューサー

アーティストに楽曲提供したり、パフォーマンスやアレンジなどを手がける総監督のような仕事がプロデューサーになります。

日本では数多くのアーティストのプロデュースを手がけた小室哲哉さん、モーニング娘。のつんく♂さん、AKBの秋元康さん、東京事変などの亀田誠司さんなどが有名です。

元々自分自身がメジャーアーティストとして活動していたり、作詞家だったり、アレンジャーだったり、いずれにしても第一線で活躍していた経験を土台にしてプロデューサーとしての立ち位置を獲得されています。

プロデューサーになるには、そうした圧倒的な実績が必要となりますので、まずは他の職種で自身の才能と実績を作っていくようにしましょう。
ディレクター
プロデューサーが立ち上げたプロジェクトの実行的な立場でアーティストをケアし、戦略を練りながら現場を仕切る仕事です。

新人を発掘したり育成することもその仕事内容に含まれており、レコード会社や芸能プロダクションに所属して自社のアーティストを売り出すための動くの中核を担っています。

大手レコード会社の場合は学歴が必要になることがあるため、大学を卒業したのちにレコード会社や芸能プロダクションに所属し、アシスタントディレクターとして経験を積んでからステップアップするのが一般的です。

レコーディングエンジニア・ミキサー

CD用に楽曲を録音する際、必要になるマイクのセットや拾った音を調整することで、効率よく良い音を収録するのがレコーディングエンジニア・ミキサーの仕事です。

最近ではCDだけでなくYouTubeやサブスクリプションのように、音源を公開する媒体が多岐にわたっているだけでなく、レコーディング自体の敷居も下がっていることから、こうしたスキルが必要とされる場面は増えてきています。

専門学校で音響関係の技術を習得して、レコーディングスタジオやレコード会社に就職するだけでなく、自分でレコーディングスタジオを作って依頼を受けるフリーランスも存在しています。

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レコード会社スタッフ

レコード会社はアーティストを売り出すための多種多様な仕事を一括して担っているため、仕事内容は多岐にわたります。

CDデザインを手がける人、ラジオやテレビなどの大手メディアに宣伝や営業活動をする人、マネージャーとしてアーティストの行動を管理する人などがあり、自分が目指したい分野を目指すようにしましょう。

いずれにしても裏方であることは間違いなく、大手レコード会社の場合なら大卒資格が必要な場合がほとんどですが、時折出てくる募集に応募し、採用試験を受けるという流れが一般的です。

プレス工場

CDを製造する工場での仕事です。

最近はサブスクリプションが主流になってきた関係で、CDの需要が減りつつありますが、それでもやはり音楽をCDという形で流通させるアーティストは多いもの。

メジャーレーベルと連携した工場だけでなく、世の中にはたくさんのプレス工場があるため、そうした工場の募集を確認して、応募していくことで道が開けます。

楽器メーカー(クラフトマン・リペアマン)

アーティストの命ともいえる楽器を製作するメーカーでの仕事です。

大手メーカーの工場に勤め、楽器の材料選びから切削、組み立て、塗装などの全工程を担当しているのがクラフトマンです。

対してリペアマンは、店頭に並んだりアーティストが使用している楽器のメンテナンスや調整、修理を担当する仕事です。

いずれにしても、専門学校のクラフトコースなどを経て楽器メーカーに就職することで経験を積み、その後独立して自社ブランドを立ち上げる人もいます。

③ステージ・イベント関連

ローディ/テクニシャン

ライブステージに楽器を運んでセッティングやチューニングを担当するのがローディ、楽器をベストな状態で維持しておくためのメンテナンスを担当するのがテクニシャンです。

リペアマンが不特定多数を相手にするのに対し、これらの仕事は多くの場合ライブハウスやアーティスト専属で活動しています。

付き人のような立場に感じるかもしれませんが、実際はアーティストが最高の状態でパフォーマンスできるように楽器を調整するという重要な役回りです。

音楽プロダクションや音楽雑誌などに、有名アーティストからのローディ募集が掲載されている場合もありますので、チェックして応募することで道が開けます。

もしくは馴染みのバンドについて回って実績を積むことでステップアップする人もおり、就職する方法は千差万別と言えるでしょう。

コンサートプロモーター/イベンター

コンサートやイベントを企画、運営する仕事が、コンサートプロモーター、またはイベンターと呼ばれる人たちです。

依頼者やアーティストと交渉し、ステージの企画や制作、チケットの販売から管理、宣伝を含む広報活動に至るまで、イベントそのものの全てを担当します。

本番当日には現場を取り仕切る総責任者となり、事故や怪我が起こらないように注意しながら予定通りに進行するという重要な役職です。

近年注目を集める大型フェスなども、こうした人たちのおかげで開催できています。

専門学校や大学には音楽系にかかわらず、イベンターとしてのスキルが身につくコースを設けているところもあり、そこからイベント制作会社へと就職する流れが主流です。

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舞台監督

音楽に限らず、全ての舞台にはさまざまな業種の人たちがそれぞれの持ち場で活躍しています。

そうした人たちをまとめ、的確な指示でコントロールしながら舞台をスケジュール通りに進行するのが舞台監督です。

出演者やその関係者、主催者、会場といった全ての責任者との打ち合わせを繰り返して進行をまとめ、スタッフ集めからリスク管理に至るまで、その仕事は多岐に渡ります。

学校や劇団員などで舞台制作の現場を経験していたり、照明や美術といった舞台に絡むキャリアを持っていたりする人たちが、アルバイトなどのアシスタントを経てステップアップしていくのが主流です。

PAエンジニア

ライブやコンサートだけでなく、演劇などの舞台においてもマイクを使用して演じるステージの音響や音声を一手に担っているのがPAエンジニアです。

音に関するプロフェッショナルとして、舞台上の音声や音楽を客席のどこにいてもクリアに聴こえるように調整しています。

その場所の形状や広さ、材質、壁の位置、観客の人数や服装など、さまざまな要件に影響を受ける音を相手にしながら、アーティストの求める多種多様なサウンドを実現する重要な仕事です。

音楽の専門学校や音響が学べる大学で技術を磨き、卒業後にライブハウスやホール、劇場などに就職します。
中にはアルバイトとしてライブハウスで勤めて、たたき上げでPAエンジニアになる人もいるようです。

舞台美術・照明

大規模なライブやイベントはもちろん、小さなライブハウスでも活躍するのが舞台美術や照明です。

照明はその名の通り、ステージや客席を照らしながら効果的な配色で盛り上げる光のプロフェッショナルで、ステージに設置された大きなモニターやセット、スモークやレーザーといった特殊効果、さらには花火や紙吹雪といった演出が舞台美術の仕事です。

専門学校や大学で舞台美術や照明コースを専攻して技術を習得し、イベント制作会社に就職したり、照明であればアルバイトで入ったライブハウスでその技術を磨く人もいます。

④メディア関連

テレビ・ラジオ

テレビの音楽番組制作班やラジオ局も広い意味では音楽業界と言えます。

クライアントの意向に沿ってキャスティングされたアーティストを効果的に映像や音で多くの人に届けるという、やりがいのある仕事です。

大学を卒業して大手テレビ局やラジオ局に就職し、アシスタントを経験しながら現場のトップへとステップアップしていくのが一般的で、こうした就職先は学歴を重視するところが多いため、希望する番組を制作している局についての事前情報を集めておくようにしましょう。

CDショップ・配信ストア

アーティストが作った音源を一般人に届ける重要な媒体が、CDショップです。

また最近ではサブスクリプションが主流となりつつあるため、配信ストアも含みます。

後述しますが、CDについては近年売り上げが減少傾向にありますが、それでもCDが有名ショップに並ぶというのはひとつのステータスですので今後もすぐに衰退することはないでしょう。

就職については、アルバイトから正社員へとステップアップする人が多いようです。

音楽雑誌編集者・音楽ライター

音楽雑誌や音楽メディアなど、有名な媒体はたくさんあります。

そうした媒体に載る記事を制作しているのが編集者やライターです。

記事の内容を決め、打ち合わせやインタビュー、原稿の執筆、写真選びからデザイン、校正に至るまで、記事を掲載することに関する全ての作業を担っています。

こうした業界は競争率が激しく、有名大学卒業者が主に採用されるようです。

そのため、有名大学を卒業し、それまでの間にクラウドソーシングなどを活用しながらライターという仕事を経験しておくことで、面接時に実績が提示しやすく、有利に動くこともあります。

⑤ホール・ライブハウス関係

レコーディングスタジオ

先ほどご紹介したレコーディングエンジニアの勤め先である、レコーディングスタジオ。

この場所がなければレコーディングエンジニアは活躍できません。

スタジオそのものの運営や管理、機材のメンテナンスなどを担っています。

レコーディングエンジニアを目指して就職する人が多いため、就職に関してはレコーディングエンジニアの項目をご覧ください。

ホール・ライブハウス

アーティストが活躍するステージが、コンサートホールやライブハウスです。

前述のように、さまざまなスタッフが働いているため、就職に関してはそれぞれの分野から応募し、採用されて活躍しています。

その後、店長や支配人といった役職につく人もいます。

⑥管理関係

出版社・音楽著作権管理

作曲者や歌手の作品に対する著作権を申請したり管理したりするのが出版社で、申請された著作権を実効的に守るのが著作権管理団体です。

著作権管理団体に登録されている楽曲を流す場合は利用料が必要となり、これが印税となって作者へと還元される仕組みになっています。

一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRACなどは有名なところです。
こうした求人に応募し、就職していくのが一般的な方法と言えます。

⑦その他

音楽講師・インストラクター

上記でも度々登場している音楽の専門学校の講師を務めるのが、音楽講師やインストラクターと呼ばれる人たちです。

馴染みのあるところでいえば音楽教室やカルチャーセンターなどで音楽を教えている、ピアノの先生なども該当します。

自分自身のスキルが高いことはもちろん、人に慕われ、教える技術が求められる仕事です。

大学や専門学校の卒業生がそのまま先生となる場合もありますし、さまざまな現場で活躍していたプロが講師となる場合もあります。

中には個人で音楽教室を開いて生徒を抱える場合も少なくありません。

音響メーカー(AV機器など)

先ほどご紹介した楽器メーカーと近いのですが、音楽を再生したり聴いたりする設備のメーカーも音楽業界のひとつです。

ヘッドホンで有名なBOSEや、マイクやケーブル類のオーディオテクニカなどがそれに当たります。

日々新しい商品を開発し、世に送り出して、それを使って演奏されているというのは大きなやりがいと言えるでしょう。

これらの有名メーカーは大卒からしか受験資格がない場合が多いため、大学で光学や映像、音響といったAV機器関連の技術を習得して就職するのが一般的です。

音楽療法士

音楽を使ったリハビリなどを専門に行うのが音楽療法士です。

実際に受けたことがない人には認知度が低い業種ではありますが、近年認知症患者への効果などが事例として確認されていることから注目されています。

こちらは明確に就職ルートが確立されているわけではないため、求人サイトなどを使って応募していきましょう。

 

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音楽業界が抱える課題と将来性

①CDの売れ行きが伸びにくいのが課題

これまでCDの売上がヒットの指標となり、数百万枚という驚異的なCDのセールスが業界の利益になっていました。

しかし最近ではこの市場が縮小傾向で、爆発的なヒット作が出るどころかCDそのものの売り行きが減少しています。

これはYouTubeやサブスクリプションの影響が大きく、消費者はCD以外で自由に音楽に触れることができるようになったという、ライフスタイルの多様化が原因です。

②オンラインコンテンツの有効活用が求められる

テレビ、ラジオ、CDが娯楽のメインだった時代は終わり、インターネットを介した配信が主流になりつつあります。

爆発的に普及したスマートフォンに最適化されるように、動画やVRといった最先端の娯楽が容易に手に入るようになったことで、趣味や娯楽が多様化していったのです。

それに合わせるように、CD業界もダウンロードや配信といった策を講じてきたために、さらに複雑な状態を作り出しました。

そのため、自分が好きなものを好きなように入手することが当たり前となりつつあり、全世代誰しも知っているヒットソング、と呼べるものが衰退しいったと考えられます。

音楽業界は、こうしたオンラインコンテンツをさらに有効活用し、CDに変わる土壌を築いていくことが求められているのです。

③新たな視野を持つ人材の登用が必須

音楽業界も歴史があるため、旧来の考え方に固執してしまうと新たな考えは生まれてきません。

異業種や異分野からの人材を積極的に登用し、新たな視野を持ってこれからの業界を変えていくことが急務です。

音楽業界に就職する方法

①アルバイトなどで現場での実績を作る

専門学校や大学で専門的に技術を習得している場合も、それ以外の方法で音楽業界を目指している場合も同様に、知識ばかりを増やしていたのでは有効とは言えません。

アルバイトやインターンなどで実際に現場に出て体験することで、新たな発見や刺激を得ることができ、感性やセンスを磨きながら、より現実的なニーズを知ることができるのです。

こうした経験は実績となり、就職の際のアピールポイントにもなります。

②職種によっては専門学校でスキルをつけることが必要

アルバイトをするにしても全く知識がない状態で行くよりも、ちゃんとした学校でしっかりとした基礎を学んでおいたほうが成長が早い場合もあります。

全てではありませんが、特に音響関係などは専門知識が必要不可欠なため、専門学校でスキルを習得しておくことが強みとなるでしょう。

③必要になる学歴は職種や企業によって様々

音楽業界は、基本的に出身大学や学歴などが基礎評価に繋がることは少なく、結果を出して実力で勝負することが多いです。

しかし、テレビ局や大手メディアなどは大卒以上という条件を定めているところもあるため、一概には言えません。

求められる学歴やスキルは、職種や企業によってさまざまなのです。

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