株式会社Plott 取締役 山田雄介 氏が語る「コンテンツビジネス業界で急成長中の注目企業「Plott」の魅力とは

プロフィール

株式会社Plott(以下、Plott) 取締役 山田雄介

ガラケー全盛期に株式会社オープンドア、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミデジタルエンタテインメント)でモバイルビジネスやゲーム開発に従事。
その後、2012年に株式会社メタップスに入社し2015年にIPOを経験、グループ会社の代表に就任する。
2016年には株式会社BUZZCAST(以下、BUZZCAST)の代表取締役としてYouTube領域の事業を展開。2022年、経営統合によりPlottに入社。

インターンから成長期のモバイルゲーム業界に飛び込み、挑戦し続けた

―― 山田さんがPlottにジョインするまでのご経歴について教えて下さい。

ゲームがすごく好きだったので、ゲームの専門学校に進学しました。その後、インターンで飛び込んだのが携帯電話の月額有料サイト運営を事業としていたオープンドアでした。
当時はiモード(株式会社NTTドコモが提供する世界初の携帯電話IP接続サービス。2026年3月31日にサービス停止予定)
全盛期でモバイルゲームが急激に伸びていた時期で、私はゲームサイトの運営を担当していました。
その後、コナミデジタルエンタテインメントに転職してモバイルビジネスやゲーム開発に携わりました。
さらに1社を経て、当時スタートアップだったメタップスに入社したのです。メタップスはスマートフォンアプリのマネタイズやプロモーション関連のサービスを提供する会社で、事業責任者の立場でIPOの過程を経験しました。上場後はグループ会社の代表を務めさせていただいたのですが、その会社をMBOしてBUZZCASTとして独立しました。約5年経営に携わりましたが、縁あって2022年にPlottに経営統合し、今に至っています。

―― 転職を重ねてキャリアを形成されてきた印象ですが、山田さんの強みはどのような部分なのでしょうか。

運の良さと人に恵まれていたことでしょうか。
私が専門学校を卒業した頃は携帯電話の着メロやゲームなどの月額有料サイトが流行っていたので、そういうサービスをやっている会社の求人がすごく多かったのです。自分が進みたい業界(ゲーム)がたまたま伸びている時期だったというのは運が良かったのかもしれません。
当時、大手のゲーム会社も受けたのですが、そういう会社は私の経歴では入れなかったのです。しかし、新規参入の会社であればアルバイトから入社することができて、年齢・経歴関係なく、個々で決裁権を持つことができる環境でした。
私は当時、ひと月に約十本のゲームタイトルのディレクションをしていました。おそらく同じことを同年代でやっている人はほぼいなかったのではないかと思います。眼の前に十本の企画を抱えていて、さらに新しい企画が二十本くらい控えている…というような絶望的な状態だったのですが(笑)。
振り返ってみれば、貴重な経験をさせていただいたと思います。このような経験が蓄積できたから、1年後にはコナミデジタルエンタテインメントに内定をいただける水準に成長したのだと思います。

―― 山田さんが代表を務めていたBUZZCASTとPlottが経営統合したのはなぜだったのでしょうか。

BUZZCASTはインフルエンサーマーケティング事業とコンテンツ事業を手掛けていました。コンテンツ事業では、YouTubeチャンネルの企画制作から運営をしたり、VTuberをつくったりしていました。
Plott代表の奥野とはBUZZCASTとPlottの前身の会社の株主が同じだった縁で、経営者のコミュニティで知り合いました。BUZZCASTはtoB領域を得意としていて、一方でPlottは当時からショートアニメを手掛けていてtoC領域のコンテンツ制作を得意としていたので、BUZZCASTが請けた広告案件をPlottと協業する機会もありました。
お互いに何か大きなコンテンツをつくりたいというビジョンを持っていて、BUZZCASTはそれをビジネス側からやっていて、Plottはコンテンツ側からやっていたんですね。
そんなある日、奥野から「別々に山を登って同じゴールを目指すなら、一緒に登った方がもっと大きなことができるんじゃないかなと思っているんですけど、どうですか?」と言われたのです。
そこから半年間ぐらい議論し、色々と考え、(BUZZCASTの代表である)自分の裁量にこだわって、なんとなく小さくまとまるよりは、思い切って一緒になって大きいことをやったらもっと楽しいのかもしれないという結論に至ったのです。

―― Plottで山田さんが担ったミッションはどのようなものだったのでしょうか。

最初の1年は成果が出なくても構わない、組織に馴染むことを優先してほしいと言われていました。コンテンツをつくる仕事は一人ではできないので、まずBUZZCASTのメンバーをPlottのメンバーに知ってもらうことが大切だと。そこに時間をかけてもいいというのはすごい考え方だなと思いました。
最初の1年は様々な会議に参加して、Plottがやっていることをキャッチアップしていきました。これまで私もYouTubeチャンネル運営をしていたので数字の見方もわかりますし、広告系のビジネスアライアンスを数多く経験していましたので、メンバーが敬遠することや苦手とする部分をフォローしていきました。
Plottの若手メンバーはコンテンツ制作において非常に優秀なのですが、契約書確認のような業務はまだまだ経験値が高くなかったので、大手企業と一緒にIP(Intellectual Propertyの略称、知的財産を指す)をつくるタイミングに私が介入し、Plottのプロデューサーと一緒に企画も考えながらビジネスをつくっていくという仕事をしてきました。

ミッションは、ショートアニメやwebtoonから生まれたIPを通じてビジネスをつくり出すこと

―― 現在はどのような事業を担当されていらっしゃるのでしょうか。

Plottがショートアニメやwebtoonから生み出したIPを活用したビジネスを創ることをミッションとしています。
数年前のPlottはYouTubeで「テイコウペンギン」などヒット作品を持っていて、アドセンス広告で収益を上げることに成功していたのですが、TikTokの縦型動画やYouTubeショートなどショート動画が流行りだした時期に、再生数は担保できているものの広告収益が伸び悩むという事態に陥りました。
しかし視点を変えてみると、どんな状況でも10〜20代の方たちのユーザーリーチは確実にできているという事実はあるわけです。ただ、当時のPlottにはそのリーチ数をマネタイズする力が足りていなかったのです。
このようなエンタメビジネスは、アニメの再生数であげる一次収益よりも二次収益のほうが圧倒的に大きいので、ゲームや音楽の領域でトライしていこうということになりました。
2023年にはPlottで初のスマートフォンゲーム「テイコウペンギンのソリティア」、続けて「テイペンウォーズ~ブラック企業破壊大作戦~」、「テイペンリバーシ-懲役5億年」をリリースしました。

―― 昨今、IPで二次収益を狙ったビジネスは非常に活況ですが、Plottの強みはどのような部分なのでしょうか。

“仕組み”と“人”の2つです。
スマートフォンのゲームは今、広告を出稿しないと手にとってくれることが少ないのですが、Plottの場合はショートアニメからスタートしているので、IPそのものにすでに多くのファンの方々がいらっしゃいます。そのIPでゲームをつくって動画で告知すればアニメのファンがゲームをダウンロードしてくださるのです。音楽も同様で、リリースすればどのくらい再生されるか、商品を企画して販売すればどれくらい購入されるかなど予測ができます。こういうデータが蓄積されてきて、ビジネスとしても再現性があるのはPlottの“仕組み”の部分の強みだと思っています。元々、Plottはいわゆるアドセンス広告と言われる一次収益が全体の90%という会社だったのですが、二次収益がだいぶ積み上がってきて、今では単月で一次収益と二次収益が五分五分になりました。
「テイコウペンギン」の他に「混血のカレコレ」「全力回避フラグちゃん!」などIPの種類はたくさんありますし、ビジネスとしては再現性があるのでコンテンツを増やしていきたいのですが、まだまだメンバーが足りていないので、採用を強化している段階です。

もうひとつの“人”の部分についてですが、ゲームでも音楽でもエンタメ業界の一線で活躍している優秀なプロデューサーの方たちには、若い頃に非常にたくさんのコンテンツをつくってきたという共通点があります。その経験があるから今結果が出せているのだと思うのです。若い頃に数多く打席に立てる環境があるか、なかでも伸びている業界で打席に立ち続ける経験というのが自分自身を成長させてくれると私の経験からも実感しています。
Plottにはいま、そういう環境が整っています。例えばアニメチームであれば、柱となるチャンネルもありますし、動画を何十本も公開してひたすらPDCAを回して学習しながらよりよいコンテンツをつくっていき、そして時には新しいIPの立ち上げにも携わることができます。

人と向き合いカルチャーを大切にするPlottの組織の強みとは

―― Plottにはそういうチャンスを提供して“人”を育てられる環境があるのですね。採用を強化しているというお話もされていましたが、御社は採用の段階から非常によく人と向き合っている印象を受けます。

そうですね。候補者の方との面接後は温度感の高いうちに社内ですぐに擦り合わせをしたりしています。
「さっきの方、ここが良かったですよ」「こういうキャリアだったらこのポジションもいいかもね」とか。
今、社員数100名くらいの会社ですが、事業は順調に伸びており、このまま順調にいけば数年で200から300名の会社になっていくと思います。事業や会社が急成長すると人の連携不足に陥りがちで、組織が一丸となって同じ方向に進んでいけないということもよくあるケースです。今いる100名が一致団結して次のメンバーを迎え入れていけば組織が割れずに成長していけると考えているので、その人が優秀かどうかということよりも、Plottのカルチャーを大事にできる人なのか、同じ価値観で頑張れる人なのかというところを面接でも一番見させていただいています。また、珍しいとよく言われるのですが、選考の過程で採用会食を積極的に行っています。苦手でなければお酒も飲みながらということもあります。会食をすると、会議室とは違うリラックスした雰囲気で話せますし、候補者の方にもっとPlottを知ってもらえると良いなという想いで実施しているものでもあります。

―― Plottの組織としての魅力はどんなところでしょうか。

スタートアップ企業は中間層が手薄という課題を抱えている会社が結構あるのですが、Plottはこの事業規模でマネージャーが十数名います。抜擢された新人マネージャーももちろんいますが、この層が厚いというのはとてもいいことだと思います。マネージャー層が頑張ってくれているから、私たち取締役や執行役員は自分の仕事に集中できるのです。お話した採用会食にも、マネージャーたちが率先して同席してくれるのでうまく回っています。
私もPlottに出会うまでは、アニメやwebtoonをつくっているいわゆるオタク文化に関わる人というのはコミュニケーションを苦手とするイメージが多少なりともあったのですがそれを覆されました。
確かにアイドル、アニメ、音楽、ゲーム、劇団・・・色々なジャンルのオタクがたくさんいるのですが、Plottのメンバーはコミュニケーションを大切にするオタクの集まりなのだと思います。私も漫画を6,000冊くらい読んでいるオタクなんですけど(笑)。
もちろん産みの苦しみや、事業としてうまくいかないときの苦しみもありますが、アニメを見て、漫画を読んで、それが全部仕事になっている。すごく幸せだなと思っています。
仕事において情報収集はとても大切ですが、好きでやっている人と頑張らないとできない人だと、効果は十倍くらい違うと思います。Plottのメンバーには強制はしていないですが、プライベートの時間も色々なコンテンツを見て楽しんでいて、自然と流行をキャッチアップして、得た情報をそれぞれに会話の中で共有して、それがビジネスにつながっているのです。

時代とともに変わりゆくエンタメ業界で、世界を席巻する大ヒットIPを生みだす!

―― Plottの目指す未来について、教えてください。

現在はショートアニメ、ゲーム、webtoonなど各領域をそれぞれのチームでつくっています。
コンテンツの世界では、漫画からIPが生まれて、それがアニメで広がっていってという流れが旧来からあります。
アニメーションになると音声や動く映像がつくので、キャラクターに感情移入がしやすくなります。感情移入してしまうと、さらにその世界観やコンテンツそのものが好きになっていくので、好きなキャラクターのゲームはやってみたい、商品が欲しいというように欲求が広がっていきます。そこに大きなビジネスチャンスがあると考えているのです。私たちが目指すのは、世界中の人たちが熱中する大ヒットIPを持つこと、そしてそれを生み出し続けられる会社です。

しかし、大ヒットIPというのは、生まれたときからヒットしているわけではありません。
今や大ヒット作品と呼ばれる作品であっても十年以上かけてヒットしていることもあります。長期的にはそこを目指しながら、短期的に見ると今自社で持っているコンテンツ開発機能やショートアニメの拡散力だったり、ゲームや音楽を二次展開できるノウハウを活かして、これらすべてを初手から満たせる企画を今年度で数本やっていこうという方針があります。
会社ごとの戦略の違いではあるのですが、Plottとしては一極集中ではなく複数のIPを持つ戦略です。コンテンツというのはボラティリティがあるので、数個しかコンテンツがないと波が落ち込んだときに飲まれてしまいますが、数十個のIPを積み上げていれば個々の波はあっても全体では安定します。一方で大ヒットIPを持つことは、次に失敗する可能性のあるIPを200個つくってもいい経営基盤を持つということでもあるので、どこかのタイミングで大ヒットもつくり、そして全部大ヒットを狙う前提で仕掛けていきたいとは思っています。

―― そういう未来を目指すなかで、採用方針として狙っていることはどんなことでしょうか。

今考えているのは、いわゆるハイレイヤーの方たちの採用です。
例えば、ソーシャルゲーム業界の第一線で10年活躍されてきたような方や、音楽業界のハイレイヤー人材ですね。
ゲームチームや音楽チームの底上げをしてくださるような活躍に期待しています。

新しいIPの生まれる仕組みというのは、時代とともに変わっていくものです。昔は週刊漫画からIPが生まれていた時代があり、次はテレビアニメ。もちろん今でも週刊漫画やテレビアニメから生まれるIPはありますが、今だと「なろう系」やWEB小説、スマートフォンアプリか、SNSやwebtoonから生まれる時代になっています。
どこから新しいものが生まれるかわからないからこそ、一緒に新しい時代をつくることができる方にジョインしていただけるとすごく嬉しいなと思っています。
一方で、第二新卒のような若手もたくさん採用していきたい考えは変わりません。やはりSNSは若い方たちのプラットフォームなので若手の力を必要としている部分もありますが、私自身の経験から言えることとして、何者かになりたくてチャレンジできる環境というのはやはりスタートアップ企業に勝る場所はないと思っています。
スタートアップで経験した人間が3年後、5年後に成長して多くのことができるようになっている。Plottもそういう素晴らしい成長の場所だと思っているので、成長意欲がある方たちにはぜひ来ていただきたいと思います。

―― Plottは若手がチャレンジし、成長できる環境に自信を持っていらっしゃるのだなと感じます。

貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

*本記事に記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本記事に記載された内容は取材時2024年10月23日のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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