【M&Aの流れを3つのフェーズに分けて徹底解説】準備から契約まで確認すべき事項とは
目次
M&Aについて興味を持ったものの、M&Aの流れがよく分からないという人は多いです。どのような書類が必要で、どのような準備が必要なのか、経営者でも知らない方はいるでしょう。
M&Aを視野に入れる前に、M&Aの全体の流れを知っておくことが大切です。全体の流れを知っておくことで、始めてのM&Aでもスムーズに、仲介業者や買い手企業とやり取りすることができます。
本記事では、M&Aの全体的な流れを、3つのフェーズに分けて解説しましょう。
M&Aの全体的な流れはどのようになっているか
エンタメ業界ではM&Aの動きも活発になっています。
昨今では、YouTubeなどの動画配信サービスの普及や、人工知能などの新技術の発展などもあり、広範囲に渡るエンタメが進化を遂げています。
また、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要により、動画配信サービスや電子コミックサービスも売上を伸ばしています。そういった状況に伴い、エンタメ事業を買収し、新規事業の開拓を図ろうとする企業が増えています。それでは、M&Aの全体的な流れを解説しましょう。分かりやすく、M&Aの流れを箇条書きにしました。
フェーズ1:M&Aの準備を行う
・M&A戦略を練る
・M&A仲介業者を決める
・社情報の資料を提出しM&A先を決めてもらう
フェーズ2:M&Aの交渉を行う
・経営者同士で面談を行う
・基本合意書を締結する
・デューデリジェンス(企業監査)が行われる
・最終的な交渉を行う
フェーズ3:M&Aの契約を行う
・最終契約書を締結する
・クロージングを行う
まずは、M&Aの準備や必要資料の作成を行いましょう。次に、M&A仲介会社と契約を行います。M&Aを行う場合、仲介会社を頼る場合がほとんどです。
その後、仲介会社経由で、買い手企業とマッチングし、交渉を行います。交渉後、お互いの合意が取れれば、会社・事業の引き継ぎが行われる、という流れです。これが、M&Aの基本的な流れとなります。
【大前提】M&Aの双方における最終ゴールから確認
M&Aの詳しい流れをみていく前に、M&Aのゴールを確認しましょう。
・売り手企業のゴール:株式もしくは事業を譲渡し、経営権を渡す。買い手企業から買収金を受け取る。
・買い手企業のゴール:売り手企業に買収金を支払い、経営権を受け取る。
以上の前提を確認した上で、この記事ではエンタメ業界の経営者の方向けに、以後売り手側視点でM&Aの流れについて見ていきます。
フェーズ1:M&Aの準備を行う
まずは、M&Aの準備を行います。M&Aは会社にとって重大な決断です。そのため、周到な準備が必要となるでしょう。準備の段階では、次の3つを行います。
・M&A戦略を練る
・M&A仲介業者を決める
・会社情報の資料を提出しM&A先を決めてもらう
フェーズ1で行うことについて、1つ1つみていきます。
M&A戦略を練る
最初に、M&A戦略を練ります。そもそもM&Aをすべきなのか、買収金額はいくらを目標にするか、など基本的なことを決定する必要があるでしょう。M&Aのタイミングや、その後の役員や従業員の待遇をどうすべきか、など考えるべきことは山程あります。
これらは、交渉が始まってから決めるのでは遅いです。事前に決められることは決めておきましょう。
また、仲介業者に提出する用の資料も、この段階で用意しておくとベストです。過去の財務諸表や取引の契約書など、準備しておきましょう。
M&A仲介業者を決める
つづいて、M&A仲介業者を選定します。M&Aは基本的に、自分で手続きを行うのは不可能でしょう。なぜなら、財務や税務、労務など、あらゆる専門知識が必要となるからです。M&A仲介業者と、委託契約を結びます。
なるべく、自社の業界に精通した仲介業者を選ぶのが良いです。その方が、より高く買い取ってくれる会社を、選定してもらいやすくなります。
ただし、最近では業界特化型のM&A仲介業者も増えており、どの業者を選ぶべきか悩むこともあるでしょう。自身の業界に適した仲介業者を選ぶことで、業界特有の事情に則したM&Aの検討から最終契約まで一通りのフォローが期待できます。
自社情報の資料を提出しM&A先を決めてもらう
その後、M&A仲介業者に、自社情報の資料を提出します。仲介業者は資料を元にM&A先を選定します。売上や利益情報、事業内容や財務状況が分かる資料を用意しましょう。
自社情報を公開する場合は、秘密保持契約(NDA)を締結させる必要があります。M&A計画が社員に漏れると、社員の労働意欲衰退や、退職につながる恐れもあるので、注意しましょう。
また、エンタメ企業は社外秘情報が多く、外部に漏れると多大が損失が発生する可能性もあります。情報の取り扱いには十分注意した上で取引を行いましょう。
フェーズ2:M&Aの交渉を行う
つづいて、買い手企業と交渉を行うフェーズに入ります。この段階では、次の4つを行いましょう。
・経営者同士で面談を行う
・基本合意書を締結する
・デューデリジェンス(企業監査)が行われる
・最終的な交渉を行う
フェーズ2で行うことについて、1つ1つみていきます。
経営者同士で面談を行う
仲介業者がM&A先を選定した後は、経営者同士で面談を行います。いわゆる、「トップ面談」と呼ばれるものです。トップ面談では、M&A先から意向表明所をもらいます。意向表明所は、買収を検討していることを、売り手企業に伝えるためのものです。
基本合意書を締結する
トップ面談後、基本合意書を締結させます。基本合意書を通じて、M&Aの基本事項の確認や、買収価格の確認を行います。
ただし、この段階ではまだ、取引確定という訳ではありません。この後のデューデリジェンスの結果などによって、買収価格などが再交渉となる可能性はあります。
デューデリジェンス(企業監査)が行われる
基本合意書の締結後は、デューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスは、買い手が売り手の企業情報を確認するものです。
デューデリジェンスを行う場合、QAシートを買い手が作成し、それに基づいて質疑応答が行われます。過去の契約書関係など、細かく調査が入るので、予め資料をまとめておく必要があるでしょう。
最終的な交渉を行う
デューデリジェンスが完了したら、最終的な交渉を行います。改めて、取引金額や譲渡の範囲について話し合います。また、従業員の待遇や役員の選定などについても、相談することになるでしょう。
最終的な交渉ですので、後戻りはできません。こちらの希望が少しでも叶うよう、全力を上げて交渉しましょう。
業界に特化したM&A仲介業者と契約していれば、担当者が交渉サポートも行ってくれます。交渉が不安な方は、業界特化M&A仲介会社に頼るのがおすすめです。
フェーズ3:M&Aの契約を行う
つづいて、買い手企業と契約を行うフェーズに入ります。この段階では、次の2つを行う必要があるでしょう。
・最終契約書を締結する
・クロージングを行う
ここまで行ってようやくM&Aが終了です。フェーズ3で行うことについて、1つ1つみていきます。
最終契約書を締結する
最終的な交渉が終わり、双方の合意が取れたら、最終契約書を締結します。最終契約書は基本合意書と異なり、締結後は契約内容を変えることはできません。
最終契約書は、法的拘束力を持つものです。そのため、どちらかが契約を破棄する場合、破棄された側は損害賠償請求ができます。最終契約書の締結前には、十分な検討が必要と言えるでしょう。
クロージングを行う
最終契約書の締結させた後は、クロージングを行います。クロージングとは、引き渡し手続きのことです。最終契約書の内容を元に、事業に関わる人やモノなど、全てを移動させる必要があります。
場合によっては、クロージングに一年以上費やすこともあるでしょう。そのため、クロージング計画書を予め作成し、スムーズに行えるようにすることが大切です。
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本記事では、M&Aの流れについて解説しました。売り手企業が会社を売りたい場合、どのような手順に進めていくべきか、お分かり頂けたかと思います。
M&Aを行う際は、本記事で解説した流れに沿って行うのが、基本です。ただ、詳細な流れはM&Aの種類によっても異なります。詳しく知りたい場合、M&A仲介会社に相談するのが良いです。
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